中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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梅雨時にネコとシカに出会った丹沢:塔ノ岳(今年31回目)

2012年06月15日 03時22分52秒 | 丹沢の山旅

                                  <ミー君ノンビリ>

      梅雨時にネコとシカに出会った丹沢:塔ノ岳(今年31回目)
       2012年6月13日(水  晴後曇り一時霧雨

■梅雨の合間に
 つい先日,関東地方も梅雨入りをした.
 昨日(6月12日)も,降りしきる雨の中,街道歩きの仲間達と一緒に,アジサイを乾物するために,鎌倉の西部地区の名刹を訪ね歩いた.アジサイには雨が合うとはいえ,終日,雨にお付き合いしていると,何とも惨めな気分になってくる.
 明けて今日,この頃,ついつい早起きになってしまった私は,早朝3時に起床してしまう.直近の天気予報を見ると,どうやら今日は雨に降らずに塔ノ岳を往復できそうである.ならば,塔ノ岳へ行くぞということで,制作中のブログ記事を放り出して,5時10分に家を出発する.
 今日は平日.だから,JR小田急駅で東海道本線から,僅か3分の待ち合わせで出発する小田急電車に超駆けっこをして飛び乗る.ああ~草臥れた.
 車窓からの眺めを楽しんでいると,やがて水田の向こうに富士山が見え出す.この時間に見えている富士山は,得てして登りはじめるころになると雲に隠れてしまう.私は写真が撮れるところで,とにかく1枚でも余計に富士山の写真を撮っておこうと思う.どうせならば,また,富士山と矢倉岳が重なるところの写真が縁起が良さそうだ.

<富士山と矢倉岳が重なる:新松田の少し手前にて>

■韋駄天組の前後しながら・・・
 今日の渋沢発大倉行の1番バスは,平日にしても空いている.バスは,定刻6時48分に,少人数の客を乗せて出発する.乗客は韋駄天のTさん,三角髭にTさん,U村さん,Y内さんだけ.何時もに比較して,少し寂しい.

 バスは7時少し前に大倉に到着する.今日は乗客が少ないので,何時もより何となく寂しい.手許の温度計で,気温は18℃.梅雨時なので湿度が高いようである.
 何時もより早く,7時04分にY内さんと一緒に歩き出す.多少ヒルを気にしながら,ジメジメとした山道を登り始める.私たちのすぐ先に韋駄天のTさんと三角髭のTさんの後ろ姿が見えている.
 7時26分,観音茶屋に到着する.Y内さんが,ここで足許を整えるというので,私はそのまま先に歩かせて頂く.どうせすぐに追い越されるのは必定だから・・・
 私からすぐ先を歩いておられる韋駄天のTさん達の後ろ姿に引きずられて,私にしては少々オーバーペースかなとは思いながら歩き続ける.やがて雑事場ノ平手前のトラバース道に入ると,進行方向右側の谷から涼しい微風が吹き上げてくる.火照った身体に実に心地がよい.
 7時38分,雑事場ノ平に到着する.先行のお二人が衣服調整をしている間に,私は先に行かせてもらう.どうせすぐに追い越されるに決まっているが・・・

<T(韋駄天+三角髭)の跡に続く>

■見晴階段
 7時40分,見晴山荘を通過する.やっぱり,チンタラとマイペースで登っているときに比較して,前方を歩く人を目標に置くと,かなり速く歩けるようである.何時もの所要時間より,5分余り速いラップである.
 見晴階段に差し掛かる.階段中央付近に,登山客2人の後ろ姿が見えてる.私が階段に差し掛かって間もなく韋駄天のTさん達が私に追い付く.暫くの間,私を先頭に3人が列になって,見晴階段を登り続ける.
 階段がそろそろ終わりに近付くころ,先ほど見えていた2人の登山客に追い付く.
 なんと,このお二人は,ご常連のM田夫妻である.本当に久々のご対面である.ご夫妻もかなり頻繁に塔ノ岳に来られているようだが,たまたま私が登る曜日と合わなかったので,ここ1年ほどまったくお会いしていない.
 一言二言挨拶を交わした後,先に行かせてもらう.

<見晴階段;M田夫妻の後ろ姿が見える>

■駒止茶屋
 やがて,駒止階段に差し掛かる.私は山岳ガイドの教えを忠実に守って,脂汗をかかないように自重して階段を登る.その間に,韋駄天組お二人が私を追い越していく.一旦,追い越されると,間が見る見るうちに広がっていく.
 8時08分,ようやく駒止茶屋を通過する.このとき,すでにお二人の姿は私の視界から消えている.
 大倉を歩き出してから,ここまでの所要時間は1時間04分.結果的に何時もより3~4分早いご到着である.

<駒止階段で,お二人に追い抜かれる;これから決定的な差が付く・・・ムムム,悔しいけれどもこれが現実>

■雲を被った富士山
 堀山の尾根道に入る.涼しい風が尾根を吹き抜けている.実に心地がよい.すぐに富士見平に到着する.山裾まで雪を被った富士山が雲の下に見えている.ただ,私の腕が悪いのか,バカカメラなのか知らないが,写真を撮っても,富士山がどうも鮮明に写らない.
 8時17分,堀山の標識を通過する.

<富士山の上に雲が掛かっている.肉眼では富士山がもう少しハッキリ見えているが・・>

■萱場平

 8時08分,堀山の家を通過する.小草平には人影が全くない.そのまま通過.今日は,ここから花立山荘まで,40分ほど掛けてユックリ登ろうかと思う.
 流れる汗をかかないように,呼吸が乱れないように,・・・
 私は細心の注意を払いながら,自重して登り続ける.堀山の家を過ぎて,数分経ったところで,後ろから登ってこられたY内さんに追い抜かれる.これもやむを得ないことである.
 8時44分,萱場平を通過する.ここにも人影は全くない.木道の間にある元気印のアザミがやけに大きくなっているのを見て感激する.
 「おまえさん,元気だな・・・」

<人の気配がない萱場平>


<アザミから元気を貰う;私の脚が写っているので,大きさの比較ができるだろう>

■花立山荘
 私の前後に全く人気がない.誰にも煩わされずに,全くマイペースを保ちながら登れるので,疲労感は全くない.そのために後7分坂も,チンタラながら全く苦痛なく何となく登ってしまう.
 9時09分,ようやく花立山荘を通過する.いつのまにか雲の中に入ったらしく,視界が全く利かなくなっている.辺りには誰も居ない.
 大倉から花立山荘までの所要時間は,2時間05分.やっぱり,2時間をかなりオーバーしているが,まあこんな所だろう.

<霧の花立山荘.富士山も霧の生>

■超韋駄天のIさん,N村さんとすれ違う
 ノソノソと花立山に向かう.すると,前方から何だか見慣れた女性が下山してくる.白内障の手術目前の私には,少し近付かないとどなたかよく判別できないが,仕草から女流超韋駄天のIさんだち分かる.Iさんは,正に天空を駆ける抜けるような超高速の女性アルピニスト.
 早速,
 「ブログに載せすよ・・・」
ということで写真を撮らせて頂く.元気な方の写真は撮らせて頂くだけでも気分がよい.
 「浅間山へは,いつ頃登られるんですか?」
と質問を受ける.私としては10月初旬の紅葉が美しい時期に,ご希望の皆様を浅間山へご案内しようかと思っている.多分,1泊2日の旅になるかな.
 Iさんとの立ち話を終えて,歩き始めると,今度は超韋駄天のN村さんが下山してくる.すれ違いざまに一言二言挨拶を交わす.
 9時20分,ようやく花立山を通過する.今日の花立山は雲の中,辺りは霧だらけで,見通しが全くなくて残念.

<超韋駄天のIさん>

■名残のツツジを楽しむ
 馬の背付近のツツジの花はソロソロ終わり.でも霧の中に咲くツツジは,やっぱり綺麗である.ツツジを見ていると心が和む.
 ここまで登ってしまえば,これから先,速く歩こうが,遅く歩こうが,塔ノ岳山頂までの所要時間の差は,せいぜい5分程度である.私は気が済むまで写真を撮り続ける.
 霧の中からツツドリの啼き声がこだましている.

<馬瀬付近のツツジ>

■韋駄天のTさんと,F田さんのツーショット
 9時24分,ようやく金冷シを通過する.霧の中の階段を登り続ける.
 最初の長い階段を登り切る頃,下ってくる韋駄天のTさんとすれ違う.つい先ほどまで一緒に登っていたのに,これだけの差が付いてしまう.このとき,後ろから韋駄天のF田さんに追い付かれる.F田さんは私たちが乗ったバスより,30分後のバスで来られたのに,もう追い付かれてしまう.
 折角なので,韋駄天のTさんとF田さんのツーショットを撮らせてもらう.なかなか良いスナップ写真が撮れたなと思っている.いや,実に良い写真である.

<韋駄天組ツーショット;笑顔が素晴らしい>

■塔ノ岳山頂
 9時42分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.気温15.0℃.山頂は霧の中.人影はない.
 大倉から山頂までの所要時間は2時間38分,「ムムム・・・」という感じのラップである.楽をしながらもう少し速く歩けるようになりたいものである.
 とはいえ,途中でお喋りなどで10分ほどのタイムロスがあるので,実質的みは,マアマアのタイムと評価できるかもしれない(甘いなという陰の声が聞こえてくる).
 山頂からの眺望は全くないが,それでも儀式なので,山頂の写真を撮りながら,尊仏山荘に向かう.

<霧の塔ノ岳山頂>

■シカがノンビリ
 尊仏山荘入口近くにシカが1頭座り込んでいる.私が近付いても,逃げる気配はなく,全く無視.
 「あ~ぁ!・・・・オレはシカにも無視されるほど哀れな存在になったか・・・」
なんて,ちっとも思っていないが・・・・
 それにしても,シカは実に可愛い.こんな可愛い動物を敵視するなんて・・・何とか人間と共存できないだろうか.

<シカがノンビリ>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.今日の小屋番はW田さん.先客は,途中で追い越されたY内さんと,F田さん.
 私は,例によって,300円也のお茶を所望する.お茶を飲みながら,暫く雑談.
 W田さんが,2階からネコのミー君を抱っこして連れて来る.ミー君に会うのは,2週間ぶりのような気がする.
 今日のミー君は,ノンビリしている.客席にポンと置かれると,
 「ニャ~・・・」
と,一声,綺麗な声で鳴く.なかなか元気そうである.
 これを切っ掛けに,暫くの間,ネコが雑談の話題になる.最近,ミー君が新大日付近まで遠征していたことや,元小屋番のOさんが,先日塔ノ岳に登ってきたけれども,山荘には立ち寄らなかったことなど.

<営業中のミー君>

■霧の中下山を開始
 10時頃,そろそろ下山しようかなと思う.今日は一人旅,下山もユックリペースで,大倉発12時52分のバスに乗れれば良いなと思っている.だから時間はタップリある.
 丁度そのとき,用事でちょっと外へ出たW田さんが,小屋に戻ってくる.
 「何だか雨が降っていますよ・・・でも,薄日が射しそうな空ですね・・」
と教えてくれる.
 なるほど,そとに出ると濡れるほどではないが霧雨が漂うように降っている.山頂には相変わらず濃い霧が掛かっている.少々寒い.
 山頂付近で,すぐ目の前に,下山しかけている二人連れが居る.近寄ってみると,見晴階段で追い抜かせていただいたM田さん夫妻である.尊仏山荘には寄らずに,山頂からすぐ下山するとのこと.
 M田さんの下山速度が,私の下山速度と同じように安全でユックリである.そこで,暫くの間,雑談をしながらご一緒に下り続ける.
 たまたま,話題が韋駄天のTさんのことになる.Tさんの登頂2000回を記念して,今年末にご常連による1泊旅行がある旨,お話しすると,“是非,参加したい”とのこと.もう,参加締切りになっているかどうか分からないが,私が,この次,三角髭のTさんか,韋駄天のTさんに会ったときに,様子を伺ってみることにする.

■私の帽子はビンテージもの
 次いで,私が被っていた帽子が話題になる.この帽子,10年ほど前,まだ私が現役時代,アラスカで開催された某学会に出席したときに購入したものである.その後,この帽子を愛用していたので,すっかりぼろぼろになってしまった.でも,被りやすいので,今でも時々使っている.
 このおんぼろ帽子を見た,M田さんが,
 「その帽子,ビンテージものですね・・・」
と私に聞く.咄嗟の帽子の話題なので,私,ドギマギ,
 「・・いえ,ビンテージなのは帽子ではなく,私ですよ・・・」
と混ぜ返えして大笑い.

<ビンテージものの帽子と,1個100円のキャベツ>

■下りは決して走るべからず
 次いで,怖い話をM田さんから伺う.
 あるとき,M田さんが,大倉尾根を下山していると,若者が,M田さんの脇を,稲妻のように駆け降りていく.そのまま下山し続けると,人だかりができてる.何かと覗いてみると,先ほどの稲妻男が,転倒して失神している.この男性,ヘリコプターで救出されたようだが,その後どうなったかは分からないという.
 とにかく,山で怪我をしたら何にもならない.私も,山学校で,
 “十分時間を掛けて慎重に下山しなさい”
と口酸っぱく注意を受けている.
 周囲を見ていると,駆け足で下山していく人が結構多いが,危険きわまりない.特に,中高年になってから怪我をすると,取り返しが付かないことにもなる.もう復帰することが不可能になることも多い.
 ”下山は慎重に,ゆっくり”
を自分だけでなく,私の知人,友人にも徹底したいものだと何時も思っている.
 ”下山速度を競うのは,愚かなことだ!”
このことを,機会があるたびに強く促したい.
 速く下山するのはちっとも格好良くないし,むしろ,愚かなことだよ.ネエ,ミー君よ!

<韋駄天のTさんがフアンだというM田夫妻;小草平にて>

■堀山の家から一人旅
 堀山の家までM田さんご夫妻と,雑談しながらユックリと下山する.M田夫妻は,小草平のベンチで昼食を摂るとのことなので,ここでお別れして,ノンビリ一人旅を続ける.
 もともと大倉発12時52分のバスに乗れれば良いなと思っている.一人旅の気楽さから,堀山の尾根道は,周囲の緑,吹き抜ける初夏の風,小鳥の囀りなどを楽しみながら,心底からリラックスして歩き続ける.歩くというより散策である.
 それでも,時々は時計を見ながら,歩行速度を適当に加減する.
 途中の無人スタンドで,T添さんのことを思い出しながら,1個100円のキャベツを購入する.春キャベツと比較すると,ズッシリと重い.
 12時42分,無事,大倉に到着する.バスの発車時間の10分前である.靴の泥を洗い流したり,荷物を整理するのに丁度良い待ち時間である.
 今日は,残念ながら,バスの渋沢駅到着が何時もより2分ほど遅れる.途中の赤信号の間合いが悪く待たされたのが災いした.
 そんなことで,渋沢駅で,何時も電車に乗り遅れる.
 さらに小田原駅でも,接続が悪くて,東海道本線の電車を,10分ほど待つ.その上,大船駅では,バスの待ち時間が20分以上もある.
 仕方がないので,大船駅の駅ビル1階の喫茶店に入って,200円也のコーヒーを飲みながら時間つぶし.
 結局,自宅に到着したときは15時を廻っていた.今日は,ちょっと,ついていないなあ~・・・.

<ラップタイム>

 7:04  大倉歩き出し
 7:26  観音茶屋
 7:40  見晴茶屋
 8:08  駒止茶屋
 8:24  堀山の家
 9:09  花立山荘
 9:24  金冷シ
 9:42  塔ノ岳山頂着(15.0℃)
10:05     〃  発
10:23  金冷シ
10:37  花立山荘
11:12  堀山の家(11:18までM田さんと雑談)
11:37  駒止茶屋
12:02  見晴茶屋 
12:19  観音茶屋
12:42  大倉 着

[山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:04
  塔ノ岳  着       9:42
 (所要時間)      2時間38分(2.63h)
 水平歩行速度     7.0km/2.63h=2.66km/h
 登攀速度        1269m/2.63h=482.1m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:05
  大倉   着       12:42
  (所要時間)     2時間37分(2.62h)
 水平歩行速度     7.0km/2.62h=2.67km/h
 下降速度        1269m/2.62h=484.4m/h
                                                   (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/537f4acb2ee2671c6e2cf2f50c40acd4
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d81a92de1fa500614846124b21e756a6



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1 コメント

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Unknown (村田節子)
2012-06-16 19:06:12
こんばんは( ´ ▽ ` )ノ
孫のスマホでブログで見ました。感激しながら見ました。又塔の岳でお会いできる日を楽しみにしております。お休みなさい。
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