中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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富士山とミー君が眩しい丹沢:塔ノ岳(今年12回目)(1)

2009年03月06日 11時47分34秒 | 丹沢の山旅

                        <雪の花立場>

         富士山とミー君が眩しい丹沢:塔ノ岳(今年12回目)(1)
                         (単独山行)
                   2009年3月5日(木)

■2番バスには沢山の登山客
 また今日も愚痴からである.
 この所,雨の日が際限なく続いているような気がする.そんな毎日の中で,今日だけは,ポッカリと晴れるようである.例により寝床の中で「行く,行かない」の葛藤が始まる.その内に,ついウトウトする.ハッと気が付くと,もう4時30分になっている.
 「これはイカン・・!」
 兎に角,直ぐに起床して,登山用の下着に替える.そうこうしている内に,やっと行こうという気になってくる.そして,そそくさと朝食を済ませて,何時ものように5時10分に家を出る.
 小田急電鉄の電車に乗っている間に,眩しい朝日が登り始める.随分と朝が早くなったなと嬉しくなる.
 2番バスは,ほぼ満席.随分と登山客が多い.皆,この所の雨なので,登るならば今日しかないと思っているのだろう.
 バスを見回すと,山旅スクール6期のNさんが居る.丹沢で良く会う方である.
 定刻の7時27分頃,バスは大倉に到着する.大倉バス停の待合室の掲示板には,3月4日現在の積雪が書いてある.それによると塔ノ岳15センチメートル,丹沢山20センチメートルになっている.

■今日は山麓にも残雪が見える
 軽くストレッチをしてから,7時34分に大倉を歩き出す.昨夜の雨で路面が濡れている.今日の登山道はどんな状態だろうかと,多少の不安を感じながらも,自分の年齢を考えて,ユックリペースで登り続ける.
 登山口近くの杉林では,今朝も早くから伐採が始まっている.そのために,登山道は随分と明るくなった.風通しの良くなった登山道に朝日が当たっている.同じバスに乗り合わせた登山客の方々をだんだんと追い越して,8時09分に見晴山荘を通過する.そして,この登山道最初の急坂な階段道にさしかかる.路面が濡れているので,滑りやすい木材や木の根を踏まないように注意しながら登る.
 階段道が終えると岩稜道に変わる.通称,紅葉坂である.路肩には昨夜降った雪が残っている.3日前に登ったときには,随分と上まで登らないと残雪がなかったのに,今日はこんなに標高が低い所でも残雪があるのに驚く.
 近くの雑木林の中で,キツツキが「ダダダダ・・・」と木を叩く音が絶え間なく聞こえてくる.

■ひさびさにご常連のKさんに会う
 一本松を過ぎて尾根道に入る.登山道は泥んこになっていて,とても歩きにくい.本来ならば,この辺りは快適に飛ばすことができる.でも,今日は泥に足を取られるので,滑って転倒しないように気を付けるだけでも大変である.
 駒止茶屋手前の急な上り階段に差し掛かる頃,前方に2人の登山者の姿が見える.だんだんと2人に近付く.でも.こんな急坂で追い越すのもイヤだなと思いながら,少し離れて登り続ける.
 私の前を歩いていた女性がスタスタと男性を追い越していく.つづいて,私が男性に近付く.すると男性が振り向いて,私に挨拶をする.何と男性は山旅スクール10期のKさんである.
 Kさんは,ご不幸があったので,ここ4ヶ月ほど登山から遠ざかっていたとのことである.私は,まさか,Kさんが塔ノ岳に復帰しているとは,予想もしていなかったので,お会いして大変ビックリする.
 急な階段の途中から,駒止茶屋の前まで,Kさんと雑談をしながら,ユックリと登る.そして,8時36分,駒止茶屋を通過する.歩き出してから,1時間02分である.途中から雑談しながら登ったにしては,まあ,まあ,こんなところかなと納得できる時間である.
 ここからは,Kさんにお断りして,先に行かせて貰う.

■残雪が多い花立山荘
 堀山の尾根に到着する.今日は気温が高いために,尾根道は雪解けでどろどろ道になっている.天気が良いので,尾根道から富士山や表尾根の山々がとても良く見えている.恒例に従い,途中のチェックポイントで富士山の写真を沢山撮りまくる.
 8時53分に堀山ノ家を通過する.小草平からも富士山が良く見えている.私の直前を歩いていた女性が,堀山ノ家で給水のために立ち休憩を取る.その間に,私が追いつく.この女性の名前は知らないが,バカ尾根で良く見掛けるご常連である.
 「お先にどうぞ・・」
と女性を促すが,私に先に行くよう譲られる.結局,塔ノ岳山頂まで,この女性と前後しながら歩きことになる.
 堀山ノ家から露岩帯に入る.残雪が増え出す.やがて,長い登り坂の階段道に差し掛かる.ますます雪の量が増えていく.私は,階段の途中で,数名の登山客を追い抜く.
 9時07分,萱場平に到着する.一面の銀世界である.丁度そのとき,前方からご常連のYさんが,両手のストックを浮かせながら走り降りてくる.相変わらず凄い勢いである.
 萱場平から先の登山道は,ますます雪が深くなる.積もっているのは新雪.まだあまり踏み固められていない.アイゼンを使うまでもなく,容易に登れるが,帰りの下りは,軽アイゼンを使った方が降りやすいなと思いながら登り続ける.
 花立山荘手前の階段に差し掛かる.階段は雪に覆われている.足許が何とも心許ない.階段の途中でご常連のXさんとすれ違う.
 「・・・やあ,今日は・・・Tさんは山荘に入っていましたよ・・・」
と私に話しかける.

                <今日の萱場平:丁度Yさんが降りてくる>

■ペルー・コフップ山荘のMさんにバッタリ
 9時29分,花立山荘を通過する.堀山ノ家から花立山荘までの所要時間は36分.今日の登山道の状態から考えれば,それほど悪いラップタイムではない.
 残雪がますます深くなる.ときどき足を滑べらせそうになるが,9時37分に花立場に到着する.ここで,男性の登山客に追いつく.
 男性と眼が合ってお互いにビックリする.なんと,この男性は,昨年夏にペルーで大変お世話になったコフップ山荘オーナーのMさんである.
 「おやまあ~・・・暫くです・・」
で,立ち話をする.Mさんは1番バスで来られたようである.
 Mさんは,この辺りでサングラスを落としたので,少し戻って探してみるという.その後の積もる話をしたいが,私はひとまず先に行かせて貰うことにする.
 私は,山頂付近の残雪が気になるので,大事を取って,馬の背の手前で,4本爪のアイゼンを装着する.

                   <新雪の登山道を行く>

■沢山のご常連とすれ違う
 やがて,馬の背に差し掛かる.ここで,ご常連のTさんとすれ違う.
 「・・今日は全くダメ.2時間10分も掛かっちゃいました・・」
という.ダメと言いながら,2時間10分とは凄いなと思う.
 「昨日は,途中からみぞれになり大変でした.今日は新雪だから随分マシですね・・」
 Tさんは定期券を購入して,塔ノ岳へ日参して居られる.昨日は平地でも冷たい雨が降っていた.そんな日でも欠かさずに塔ノ岳詣でを続けているTさんは実に凄いなと感心させられる.
 雪がますます深くなる.金冷シを過ぎると,階段が雪に埋もれている.こうなると階段のステップなど気にせずに歩けるので,返って気が楽である.
 山頂直下の階段で,今度は,ご常連のMさんとすれ違う.
 「やあ,元気だったかね・・・」
とMさんが私に話しかける.ここで,1分ほど,Mさんと立ち話をする.その間に,前後して歩いていた女性が私に追いつく.私は,周囲の風景を写真に撮りたかったので,女性に先に行って貰う.
 10時02分,塔ノ岳山頂に到着する.山頂には残雪が多い.富士山が相変わらず良く見えているが,海の方から黒い雲が沸き上がっている.私は富士山の写真を撮った直後,この雲で富士山は,ほんの暫くの間,見えなくなる.
 今日の大倉からの所要時間は,2時間28分.途中,色々なことがあったことを考えれば,まあ,今の私では,こんな所だろうと,妙な納得をする.
 山頂は意外に暖かである.2~3名の登山客が山頂で休憩を取っている.

             <金冷シ付近を行くご常連のTさん>


              <塔ノ岳山頂付近を下るご常連のMさん>

■富士山とネコのミー君
 何時ものように,山頂からの景観をデジカメに収めてから,尊仏山荘に向かう.
 丁度そのとき,山荘から「ネコのSさん」が出てくる.何事かと思ってSさん後を追う.Sさんは山荘の隣小屋の扉を開けて,
 「・・ミーや・・出てお出で・・」
と声を掛けている.どうやら,ミー君が小屋の中に居るらしい.
 すぐにミー君が姿を表す.ミー君は自分を可愛がってくれるSさんが好きらしくて,素直に言うことを聞いているようである.Sさんは,
 「・・こっちへお出でよ・・・」
と,ミー君をお客の居る母屋の方へ来るように促す.ミー君は,Sさんの言うことには素直である.スタスタと母屋の方へ歩き出す.
 私がミー君にカメラを向ける.すると,Sさんは,
 「どれどれ・・・可愛く撮って貰おうね・・」
と言いながら,ミー君を抱え上げる.そこで,富士山をバックに,ミー君とSさんが入った写真をパチリと撮る.
 「これは言い写真になるぞ・・・」
私はほくそ笑む.
 ミー君を先頭にして,その後に,私,Sさんの順に従い,母屋の方へ向かう.母屋の入口の戸を開けられないミー君は,私を見上げながら,早く入口の扉を開けてよというように.
 「ニャ~・・」
と鳴く.
 「ほう・・・お前,結構,大きな声が出るじゃないか・・・」
      
                 <Sさんが隣小屋に居るミー君を呼びに行く>


           <ネコのミー君とSさんを富士山が見守っている>


                               (つづく)
[加除修正]
2009/3/8 転換ミス訂正

「丹沢の山旅」の前回の記事
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