タイレル FX

2011-10-02 06:06:00 | じ・でんしゃでGO~♪


  じ・て・ん・しゃ話の続きです。まず写真をよ~くご覧ください。軽量&高剛性なおかつ折畳み機構まで組み込まれているタイレルFXのフレームです。相反する要求をとことん突き詰めていった結果生まれた「必然の形」とも言えるのですが、それ以前に何とも美しいシルエットに魅せられました。製造元は「Xスラントデザイン」と呼んでいますが、トラス好きなニワトリさんはこの幾何学的模様にひと目惚れしちゃいました。
 真横から見ると、アレックス・モールトンTSRのフレームにも似ていますが、TSRのトラスフレームはやり過ぎと言うか、生産性やコストを無視してトラスの美しさを追及した感があって(だからお値段の方もそれなりに張るのでしょうが)、自転車と言うより工芸品と言った方がいいかもしれません。眺めているだけでため息が出そうな美しさだけに、「乗らないで飾っておくのもあり」かな?
 タイレルFXはTSRのような(メカフェチの心をくすぐる)サスペンションを備えていません。ロードバイクのようにシンプルなのですが、車輪を受けるリアアームや(写真には写っていませんが)フロントフォークは、サスペンションに代わって路面のショックを吸収ししなやかな乗り味を演出するためでしょう、微妙な曲線を描いています。水平に引かれたメインチューブを斜めに横切っている筋交いのようなパイプは実は二本あって、メインチューブを挟みこむ形で溶接されているのですが、この二本のパイプも樽型に曲がっています。
 タイレルFXは、真横から見たときの「Xスラントデザイン」が際立っていますが、斜め後方から見たとき女性のシルエットにも似た美しくセクシーなカーブに目がとまり、いよいよ魅力的に感じてしまう自転車でした。 

 フレームに刻まれた「Tyrell」(ティレルじゃなくてタイレル)の文字・・・2004年にアイヴエモーション社の広瀬将人さんが設立した日本ブランドです。名前の由来が、唯一無二のF1マシンで斬新&近未来的なフォルムが今もなお多くの人を魅了し続けている「六輪タイレル」かもしれない、と嬉しくなったのですが、70年代「タイレル」と呼ばれていたF1コンストラクターの「ティレル」(1998年にF1から撤退)のスペルは、Rがダブルの「TYRRELL」でした。残念! 実は、映画『ブレードランナー』に登場するレプリカント製造会社「TYRELL」から採られました。「TYRELL」社に代表される現代社会の行き過ぎたテクノロジーと驕りに対する戒めの意味をこめて命名したのでしょうか。あるいは、人間以上に人間らしく行動したレプリカントに共感して製造会社をブランド名にしたのかもしれません。でも、こうして由来が明らかになっても、自分がタイレルFXに抱くイメージは、あの素敵なショーン・ヤングではなくて、シックス・ホイーラーのタイレルP34なのです・・・。
 ご多分にもれず、自転車産業界にも空洞化が起きていて、大手国産メーカーは(憧れの英国メーカーも)人件費の安い国で生産を行っています(GIANTは台湾のメーカーだけれど、コストパフォーマンスはピカいち)。広瀬さんは、都市計画のコンサルタントをしていましたが、地元香川にUターンして自分の乗りたい自転車を作ろうと会社を立ち上げました。最初の製品「SZ」が絶賛され、讃岐を生産拠点に全世界へ製品を送り出しています。フレームの中央で躍っている「メイドイン讃岐」の刻印は、伊達や酔狂ではない本気印なのです。折畳み機構を有する待望の「FX」を経て、最新作はオールクロモリフレームの「CX」。細身のパイプが最高です。
 タイレルFXといえば、ニワトリさんが一度乗ったことのある「琴平電鉄(ことでん)」のIruCAカードの図柄にもなっているそうで、一枚手に入れて、どちらも頑張れと応援したいな~。タイレルFXを抱えて「ことでん」に! 明日にでも現実になりそうな夢ですね~♪


 

 「Tyrell」は小口径車(のことをミニベロと呼ぶらしい)を中心に色々なタイプの自転車を製造&発売していますが、「FX」は写真のような形に工具無しで折り畳むことができます。
 フォールディングバイクと言えば、DAHON(米国)、ブロンプトン(英国)、BD-1(ドイツ)が有名ですが、「タイレル」の登場で日本も彼らと対等に戦うことができるようになった、と考えることができます。その名に恥じないように、エンジン(脚)も鍛えないと!
 ニワトリさんは、自転車を買ったらお気に入りのローカル線まで輪行して今まで以上に「降り鉄」を楽しもうと思っていたのですが、ランドナーを買った場合に一番ネックになるのが実はこの「輪行」なのです。
 ユーラシアに乗っていたときは「自走」オンリーで、一度も「輪行」したことがありません。日帰りならサドルバッグだけで間に合うこともありましたが、サイクリング旅行に出かけるときは、大型のフロントバッグ+小型サドルバッグ+(リアの)バニアバッグを装着した上に寝袋とテントを積んで、ひたすらペダルを漕いでいました。自転車をばらして輪行袋に入れるだけでも面倒なのに、多くの荷物と自転車を運ぶのが億劫で、切符を手配したり置き場所を確保するといった輪行に伴う手間を避けてきました。
 ツバメ号はユーラシアより輪行し易いランドナーです。習うより慣れよの要領で場数を踏めば「輪行」が苦ではなくなると頭ではわかっているのですが、ではツバメ号を輪行して例えば「いすみ鉄道」に乗りに行くかと言えば、答えは否でしょう。
 「輪行」を前提に自転車を購入するならフォールディングバイクを選ぶべきで、(最近増量中の体重を減らすためにも)ストイックにどこまでも走ろうというならロードバイクを選ぶべきではないだろうかと、考えるようになりました。ロードバイクだって、その気になればいくらでも輪行できますもの。ランドナーはオールマイティな自転車ではあるけれど、どっちともつかずの中途半端にもなりそうです。かといって、走りに特化したロードバイクは出戻り初心者の自分には敷居が高いような気がします。最新のロードバイクに跨って懸命にペダルを漕ぐのもいいかもしれませんが、肩のあたりに悲愴感が漂うようだとそのうち乗らなくなってしまうかもしれません。

 気軽に持ち運べる散歩自転車ならブロンプトンで決まりですが、散歩が目的なら今までどおり歩けばよく、自転車に乗る必要性を感じません。タイレルFXは、ホイールベースが非常に長いこともあって折畳んだときはブロンプトンよりかさばりますが、重量が約9kgと軽量なため持ち運ぶのは比較的楽で、ひとたび走り出せばロードバイクに匹敵する走行性能を備えています。タイレルFXなら、「輪行が簡単でその気になれば自転車らしくしっかり走る」という都合が良すぎる要求にも答えてくれるかもしれません。
 最強ではないが最強になりうる一台。小型軽量でしなやか&タフに走りしかも純国産といえば、まるで今をときめく「なでしこJAPAN」ではありませんか! タイレルFXについては、様々な角度からアプローチをしたのですが、知れば知るほど「なでしこ」と同じひたむきさを感じるようになりました。

 


  タイレルFXの現物を見に行こうと思った9月3日の朝、自転車好きの隣人(メカ大好きの技術者で素晴らしいアナログレコードを沢山持っている)がロードバイクを車に乗せていたので、これを機にアドバイスをもらおうと声をかけたところ、「だったら、これから一緒に行ってみない?」という話になり、その人が通いつめている「ハマース」という自転車店を訪ねました。ここの「店主」は本物の「自転車人」で、自らも走りまくっている上に理論家ときています。自転車について語り出したら徹夜しても終わらないと思いますが、それ以外の話題でも尽きることがなさそうです。この店で、同じタイプの常連さんとも知り合うことができました。その方は、真空管アンプを自作してしまうほどの「熱中人」でした。全くいい人と知り合ったものです。
 さて、上写真は「タイレルFX/シルバーフレーム」のスタンダード仕様です。ニワトリさんは、今はなき中央線(201系)を彷彿とさせるようなオレンジフレームの自転車が欲しかったのですが、FXのオレンジは朱色に近い感じだったので、思い切ってホワイトを選んでみました。白フレームの場合、フロントフォークは黒になるのですが赤に変更してもらいました。「白地に赤」の日の丸模様といえば、HONDAが60年代に挑戦したF1マシン=RA273みたいに格好良い~?
 ホイールは(白・黒・赤)も選べます。光りモノが好きなので標準の銀にしました。フレームを確保するまでの約四週間は、「ああでもないこうでもない」の楽しい待ち時間でもありました。標準仕様のフラットバーをブルホーンに換え(バーテープはとりあえず黒)、フロントをダブル化し105&STIを奢ってしまいました・・・。
 ニワトリさんの「日の丸」タイレルFX・・・最初に乗ろうと思ったランドナー「SWALLOW(ツバメ)」号に敬意を表して、「SPARROW(スズメ)」号と呼ぼうかな? もう少しで手元に届きそうです。


参考までに、こちらがモールトンTSR。ドロップハンドルは似合わない?
お値段の方は貯金を全て吐き出してしまったニワトリFXの1.5倍増し!

 どうでもいいけど、DELLが完全にイカレて起動できなくなってしまいました。一昨日、何とか起動したので初期化すべくバックアップを取り始めましたが、フリーズしまくり亀より遅い歩み・・・エラーが出始めてから動作速度がいよいよ遅くなり、今やっと72%。この記事を書くためにとんでもなく時間をとられ、ストレスたまる一方です。まだ一年半も経っていないのに、なんでこんなに簡単に壊れるの~!


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2 コメント

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タイレルfx (浪速の浪)
2011-10-02 10:33:21
色は私のR3とおそろいですね!
でも価格は3倍以上もするんですね!
今度、競争しましょう。

先日、ボケイさんが大阪に来たときに一緒に飲んで、またみんなでサイクリングできたら楽しいねと話してたんですよ。
奴も昔の自転車を引っ張り出して、部品を交換して息子と乗り出したと行ってました。
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笹湯が閉鎖・・・ (Toshi)
2011-10-05 22:34:47
タイレルFXが届いたら、真っ先に行く筈だった川原湯温泉の笹湯が閉鎖になるというコメントいただきました。ここに書くのは変かもしれませんが、ショックです。

R3はGIANTの中でもコストパフォーマンスが非常に高い自転車として定評がありますよね。町乗り最強かもね。タイレルFXは20インチの小口径タイヤなので、加速は良くてもスピード勝負になると敵わないでしょうね…。

一日500kmぐらい走れるのですが、以前に比べると、バイクのスピードに体がついていかなくなりました。バイクは60歳で引退しようと思ったのですが、自転車復活で早まる?
二代目アオガエル君は、ロードスターの限定モデルのメタリックグリーンを予定しているですが、自家用車を持つ余裕は全くないので、夢に終わり可能性大。新車は無理でも、五年後中古車を探して乗る手がありそうです。JRのように資金を持っていないローカル鉄道が中古車両を購入して「新型」としているように……うん、それならいけそうですね。
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