すでにご存じの方も多いと思いますが、来春の連続テレビ小説『つばさ』のヒロインに、「マイ鹿です」のイトちゃん(=多部未華子さん19才)が選ばれました。NHKによれば、ヒロインは自分の夢を追って勝手に家を飛び出した母親の代わりに10年間家事と家業(和菓子屋)を努めた「二十歳のおかん」で、家を出た母親が「もう一度主婦をやる。店も継ぐ」と、(どのツラさげて)戻ってきたことから自分の居場所がなくなってしまい、地元のコミュニティーラジオ局で働き始める・・・物語だそうです。
わずか10才で一家の主婦と弟の母親と店の後継ぎの三役をこなし、二十歳にして老成してしまったヒロインといえば、表面上はクールだけど熱い心を秘めていた『鹿男あをによし』のイトちゃんと少し似ています。
ここまでは普通のキャラとも言えるけれど、『鹿男あをによし』の「鹿の使い番に指名された女子高校生」という役柄は、「どんな役なの?」と尋ねられたときに、「鹿の使い番に選ばれるんだけど、サンカクをネズミの運び番に奪われてしまい、儀式ができなくなくなったために鹿に印をつけられ、鹿女にされてしまう役」と答えたところで「何それ?」と言われてしまう難役でしたが、言葉にならない部分をうまく演じて徐々に存在感を高めてゆき、クライマックスに用意された奈良駅ホーム(撮影は天理駅。原作では京都駅)のシーンで爆発、一躍物語の主役に踊り出た彼女のことだから、演技に関しては折り紙つき!
個人的には、『ファイト』の本仮屋ユイカさんのように「地味な芝居」ができる方だと思うので、歴代朝ドラ・ヒロインと比べても頭ひとつ抜けた演技を見せてくれるのではないかと、今から非常に楽しみです。
そして、若年寄のようなヒロイン(当初)とは対照的に、夢を追い続け自由奔放に生きてきた(大人になれない)ヒロインの母親を、どなたが演じるのでしょう?
ある意味では、こちらのキャラクターの方が歴代朝ドラのヒロイン像に近く、その意味で『つばさ』のヒロインはダブルキャストと言ってもいいかもしれません。
個人的には、現在放送中のドラマのようなキャスティングは絶対におことわりなのですが、こちらの方は発表を待つことに致しましょう。
そうそう、川越&長瀞という非常に魅力的な町が舞台になっているのも嬉しいですね。比較的近いのでロケ地巡りも気楽にできそう! もっとも、ドラマの内容次第では、今の「月島&築地」、かつての「盛岡」「吉祥寺&仙台」「明日香」みたいにPRにならないばかりか、マイナス作用を及ぼす場合もありますが・・・。
『天花』を超えた『瞳』だけど、ダンス指導をされた牧野アンナさんのおかげで、ヒップホップに対する偏見はなくなりました。牧野さんの人生がそのまま朝ドラになりそうな気がします。新たに脚本書いて朝ドラにしてもらいたいくらい!