石巻&東松島&女川復興情報 “石巻地域Again”

『復興に向けて頑張る地元企業』や『石巻地域の復旧状況』といった地元密着情報などを発信していきます!
〈本文は、敬称略〉

和菓子店「高島屋製菓店」 ~「いしのまき地域すいーつ」展示発表会参加店紹介シリーズ~

2014年01月21日 | 地域情報

 宮城県東部地方振興事務所では,慶長遣欧使節出帆400年を記念し,去る10月10日(木)宮城県慶長使節船ミュージアム(通称:サン・ファン館)を会場に,石巻製菓製パン同業組合と共催による「いしのまき地域すいーつ」展示発表会を開催しました

 

 ⇒取組内容については展示発表会参加店紹介シリーズの第1回目をご参照ください。

 

 ☆第8回目の紹介はこちらをクリック!

 

 第9回目は,「高島屋製菓店」を紹介します。(※「高」は「はしごだか」)

【震災からの復旧の状況】


 津波被害を受けた工場の様子 (H23.3撮影)

 津波被害により製造用の機械設備や冷凍冷蔵庫,冷蔵ショーケースなどは,壊れてしまい全て入れ替えとなりました。
 泥で汚れた販売店舗は,食品を扱うことから,手作業で隅々まで何度も繰り返し洗浄し,また,工場は専門業者によって修復しきれいにしたそうです。

 

お店の方から一言

 「店の歴史的資料が,全て津波で無くなってしまったのが残念です。昔から買いに来てくれた南境や湊地区のお客様が,仮設住宅や遠くに行ってしまいとても寂しく感じています。早くこの地域に戻り,震災前のような生活に戻れることを願っています。」

 

【現在の店の様子】(平成23年8月から再開)

 

お店の方から一言

 「震災前は洋菓子も作っていましたが,今は和菓子のみを作り,一日でも早く震災前の状況に戻れるよう頑張っています。被災地を応援してくださった全国のお客様に心よりお礼申しあげます。」

 

【展示発表会へ出品した菓子】


がんづき(白) 価格105円/個(税込み)

(石巻の地域住民から愛され続けられる菓子です。)

 


がんづき(黒) 価格105円/個(税込み)

(石巻の地域住民から愛され続けられる菓子です。)

お店の方から一言

 「砂糖(白)・黒砂糖(黒),小麦粉,塩,水等の天然物のみで作っています。くるみは会津の和ぐるみを使用し,大きさや製法も変えていません。いつから作り始めたかは定かではありませんが,終戦直後から作っている菓子だと思います(70年近い歴史)。私で14代目となり,父親から受け継いだ味を守り続けています。」

 

【店長“イチオシ”スイーツ】


「薄皮まんじゅう」

お店の方から一言

 「ひとつひとつ手作りで,皮を薄くし中の餡が見えるお饅頭です。店の中で一番古くから作り続けている菓子です。」

 


「蜜入りゆべし」

お店の方から一言

 「手で丸め,中に黒蜜を入れて蒸したゆべしです。噛むと中から黒蜜が溢れ出ます。ゆべしには醤油を混ぜ,甘さを抑えて作っています。」

 

【作り手の想い】

 蒸気にかけるための枠が,ブリキからステンレスに変わった以外,先代から引き継いだ製法なども変えずに作り続けており,変わらないことを誇りにこれからも伝統の味を守り続けたいと思っています。
 「がんづき」の菓子誕生のエピソードなどは,何ひとつ伝わっていませんが,石巻地方では「がんづき」と言えば仙台方面のパンのようなものではなく,このようなもちもちの「ういろう」のようなものです。


作り手:店主 島 喜昭

 

【お店情報】

連絡先 : 0225-22-2612

営業時間 : 9:00~19:00

定休日 :  不定休(月2回月曜日休業) 

住所 : 宮城県石巻市旭町8-11

 

【記載者コメント】

 石巻の伝統的な菓子のひとつに「がんづき」があります。
 宮城県や岩手県で農作業の合間のおやつとして広く食べられていたもので,重曹を使った「パンタイプ」のものと,重曹を使わない「ういろうタイプ」のものの2種類があるようです
 石巻地域にもこの2つの種類があり,どちらも地域に根付いたお菓子となっています。農作業の合間に食べられていたこの菓子も,この地域の食文化のひとつではないかと思います

 石巻地域には,この「がんづき」を販売している菓子店が数多くあります。是非,石巻地域を訪れ,食べ比べてみてください

 

 次回は,パティスリー&ショコラティエ フェヴリエを紹介いたします

 

 

 

(toshi)


「珈琲工房いしかわ」 ~「いしのまき地域すいーつ」展示発表会参加店紹介シリーズ~

2014年01月16日 | 地域情報

 宮城県東部地方振興事務所では,慶長遣欧使節出帆400年を記念し,去る10月10日(木)宮城県慶長使節船ミュージアム(通称:サン・ファン館)を会場に,石巻製菓製パン同業組合と共催による「いしのまき地域すいーつ」展示発表会を開催しました

 

  ⇒取組内容については展示発表会参加店紹介シリーズの第1回目をご参照ください。

 

 ☆第7回目の紹介はこちらをクリック!

 

 第8回目は,「珈琲工房いしかわ」を紹介します

【震災からの復旧の状況】

 石巻市立町の1号店は,津波で壊滅的な被害を受け撤去し,その後,トレーラーハウスを購入し石巻市蛇田でコーヒーの販売を開始しました。
 更に平成23年7月末に石巻市役所1階のエスタに店を再開しました。

 

お店の方から一言

 「平成24年5月に石巻市広渕に仮設の工場を建設し,更に同年6月に石巻まちなか復興マルシェに出店しました。皆様の支援によりここまで復興することができました。石ノ森萬画館の目の前なので,是非,足を運んでみてください。」

  

 
 広渕の仮設工場の様子


 
石巻まちなか復興マルシェの様子

 

【展示発表会へ出品した菓子】


伊達コーヒー豆チョコ 価格630円/個(税込み)

(慶長遣欧使節出帆400年を記念し「メキシコ,伊達,支倉常長等」をイメージさせる菓子です。)

お店の方から一言

 「有機栽培のコーヒー豆3種類とチョコレートを使用しています。質の高い材料を厳選し全て手作りしております。社長の『コーヒー豆をチョコレートでコーティングできないか』との何気ない一言から始まり試行錯誤しながら完成させた商品です。」(パティシエ 齋藤)

 


伊達トランシュショコラ  価格315円/個(税込み)

(慶長遣欧使節出帆400年を記念し「メキシコ,伊達,支倉常長等」をイメージさせる菓子です。)

 

お店の方から一言

 「ニッカウイスキーが宮城県限定の「伊達」というウイスキーを販売したことから,このお酒を使用した菓子を作りたいとの想いから出来上がったケーキです。コーヒーを隠し味に濃厚なチョコレートの中にセミドライのりんごを入れることにより爽やかな酸味をプラスしました。」(パティシエ 齋藤)

 

 

【店長“イチオシ”スイーツ】


「フルーツケーキ」

 巨峰のレーズン,白イチジク,くるみ,伊予柑のピールをふんだんに使い,フルーツがたくさん入ったケーキです。店の一番人気商品です!(パティシエ 齋藤)

 


「酒粕けーき」

お店の方から一言

 生地に仙台市の森民酒造の酒粕と米粉,シロップに純米吟醸酒を使用し,アルコールを低く抑えた香りの良い大人のケーキです。(パティシエ 齋藤)

 

 

【作り手の想い】

 かつて奥州仙台を治めていた伊達政宗。中央の政権との距離を置き,決して媚びず,東北の領内を見事に治めるとともに,様々な文化を育ててきました。これは現在の伝統工芸をはじめ,米作りや仙台味噌など様々な名産品にも繋がっています。
 私たち珈琲工房いしかわは,奥州・東北を愛したこの伊達政宗の精神に学びたいと思っています。私たちは誇るべき伊達政宗のように,東北宮城・石巻のこの地で,全国に負けないコーヒー文化を育てていきたいという願いを込めて商品に「伊達」と名付けました。真に心を癒し,くつろぎに満たしてくれるコーヒーやお菓子。
 いつか,日本を代表するコーヒーと言っていただけるような,すてきなコーヒーワールドを目指していきます!

 
作り手:(株)いしかわ 石川 光晴 代表取締役

 

【お店情報】

石巻まちなか復興マルシェ店

連絡先 : 0225-22-0820

営業時間 : 10:00~17:00

定休日 : 毎週火曜日休業

住所 : 宮城県石巻市中央2丁目11-13

 

 

エスタ店

連絡先 : 0225-96-1157

営業時間 : 10:00~18:00

定休日 : 年末年始(12/31,1/1,1/2休業)

住所 : 宮城県石巻市穀町14-1

 

マンガッタンカフェ・えき(JR石巻駅構内)

営業時間 8:00~18:00

定休日 : 年中無休

住所 : 宮城県石巻市鋳銭場9-1

 

【記載者コメント】

 東日本大震災が発生した平成23年3月11日からもうすぐ3年が経とうとしています。
 石巻地域の被災された企業の復興の状況は様々ですが,珈琲工房いしかわさんのように,震災直後のトレーラーハウスの等の活用,移転しての店の再開,新たな商品開発や販路開拓など,多くの皆様の御支援を受けながら,震災からの復興に向かって確実に一歩一歩前に進んでいる事業者も増えています
 被災地の新しい街づくりは,まだ始まったばかりで,復興には,まだまだ時間が掛かると思います。今後も復興に取り組む被災地の皆さんへの応援をお願いいたします

 

 次回は,高島屋製菓店を紹介いたします

 

 

(toshi)


石巻市で「世界で一番面白い街をつくろう実行委員会」開催されました。

2014年01月14日 | 地域づくり団体

 去る12月16日(月),石巻市で「世界で一番面白い街をつくろう実行委員会」(第2回ミーティング)が開催されました。

 この実行委員会は「世界で一番面白い街をつくろう」をキーワードに,食・モノづくり・文化・学びを通じて石巻の新しい未来を描いていくことを目的に発足したもので,一般社団法人ISHINOMAKI2.0(石巻市)の松村代表理事が発起人なり開催されたものです

 メンバーには20代~40代の若手を中心に学校教諭,飲食店経営者,建築家,公務員などが加わり,新しい街づくりについて意見を交わしています。
 1回目は11月下旬に開催し,2回目の開催となった今回は,石巻市の地図を使って石巻のここが面白いとか面白かったというポイントを出し合い付箋を地図上に貼りながら面白い石巻の「見える化」作業を行いました!

 「世界で一番面白い街をつくろう」のキャッチフレーズに職種や年齢にとらわれず柔軟な発想で,復興に向けてのアイデア創造の取り組みを実施しています

 ISHINOMAKI2.0 URL:http://ishinomaki2.com/

 

 
 ISHINOMAKI2.0代表理事の松村さん。

 


 会場となったオープンシェアオフィス「IRORI」。

 第2回ミーティングには石巻地域の商工業,サービス業,水産業や行政など様々なバックグラウンドを持つ方々が委員として参加しました。

 この日は,新たなメンバーを加えた12名の皆さんが,石巻市中心部の地図を使用してのワークショップを行いました。

 

 未来の石巻を議論する前に,先ずはメンバーが10代の頃の面白かった石巻に思い出について語り会いました
 小路の多い街中の散歩(探検!)や10代が集った場所やお店,活気のあった川開き祭り,今は閉店した大型商店が開催する子供向けのイベントなど当時を知る人にとっては懐かしい話題が次々と飛び出しました。これら思い出のポイントを付箋に記載し地図上に貼って,お互いの楽しかった場所面白かった場所の「見える化」の作業を行いました。

 ミーティングの後半は,「石巻は面白い街と思ってもらうためには」というテーマで話し合い,委員からは「外から石巻に来ていただけるようにしないと活気は戻らない」,「取組む人々が一生懸命になる必要がある,そのような地域は外から見ても何か面白いことをやっているように見えるはず」,「若い世代に来たいと思わせるコンテンツが必要」など活発な意見が出されました。

 


 ワークショップのファシリテーター(調整・進行役)の渡邊さん。今回も明るく元気な司会で委員から石巻の想いや魅力について意見を引き出して行きました


 

 
 石巻市内には雰囲気のある小路が数多く残されております。ある委員の話では昔は子供たちの「探検」の場だったとのこと

 

 震災から2年9か月余りが過ぎましたが,復興していく石巻地域の新たな街づくりはこれからが本番ですし,長い時間を要する取組になります。

 実行委員会は今後も月1回のペースで「世界一面白い街づくり」について議論を重ね,これまでの全国各地からの支援にこたえられる街づくりについて検討していくこととしております。

 


 新しい街づくりのためには,昔や今の石巻を見つめ直すことも大事な作業です

 

 


 会場の「IRORI」は石巻市中央地区の新田屋ビルの1階にあります。


 所狭しと石巻地域に関する各種情報誌やイベント等のチラシが並んでいます。


 11月23日に発行されたばかりの「いしのまき浜日和」もここで購入することができます!

 漁村集落とそこに暮らす人々を写真とともに紹介しているこの冊子は,地域の方々のみならず石巻地域を訪れる方々にも是非一読いただきたい本です

 


 「IRORI」からほど近い交差点には,石巻の歴史的建造物「観慶丸」があります。

 


 北上川の方向に歩いていくと中瀬の「石ノ森萬画館」が見えてきます。再開館以降夜8時までライトアップしております

 

 

(uchi)