9月15日に業務を再開した日本製紙株式会社 石巻工場にお邪魔してきました。
津波によって工場の周囲にあった塀や樹木の多くが流され、現在の工場の周りは仮設の囲いがあるのみです。
3月11日に電気・水道が止まり、そんな中でも工場内を片付け、8月15日工場ボイラーを立ち上げ、9月の業務再開へと至りました。
こちらが、チラシ用の紙などを製造するN6マシン。全長292mになります。
分速1601mで紙を製造しロール状に巻き取っていきます(最大1800mまで可)
幅8.5m、直径3m程の大きなロール1巻で200km。仙台と石巻を二往復できる長さ!!
巻き取られたロールの幅は8.5mあるので、請け負った仕様にワインダーという切断機械でカットしていきます。
ワインダーでカットした紙を包装し、立体倉庫へ保管します。
立体倉庫の1階と2階の間まで津波で浸水したそうです。
1階の紙は全て使用不能となり片付けました。
2階以上の紙も湿度で湿って使えないのですが、2階以上の棚から紙を降ろす機械も水没してしまったため使用不能となり、2階以上に重ねてある紙が降ろせない状態なんだそうです。
海沿いの道路から撮影したところ。
煙突の横に出ている管のあたりまで水没したそうです。
紙の原料チップが海沿いに山積みにされています。
なぜかこのチップは津波で流れなかったそうです。
チップは水を浴びるとチップ同士が絡まって固定するので流されずに済んだということでした。
石巻市の海沿いに立地しているにもかかわらず、発災直後に工場内の社員を工場向かいの高台に避難させ、勤務中だった社員は全員無事でした。
会社としての防災意識の高さの賜だと思います。
工場の煙突5本のうち、煙が出ているのは現在2本だけ。
全て復旧するまでに3年ほど要するとのことでした。
石巻地域の基幹産業として、地域の復興と共に頑張っていただきたいと思いました。
(S.O)