遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

ニコラ・ブナム監督『ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~』

2017-08-09 07:10:57 | 映画を見てきた

2017/8/8

・コックス一家を乗せた最新式の自動車が、システム障害を起こして減速できなくなってしまい、時速160kmで高速道路を暴走し続ける話。

・いかにもアメリカ映画っぽい設定だけど、フランス映画。この設定で全員フランス語を喋っているのが新鮮。

・規模は小さいけど、王道の乗り物パニック映画。

・序盤でさくさく伏線(あんまり隠れてないけど)を張っておいて、車を暴走させながら、次から次へと回収していく感じ。

・自動車も速いけど、伏線を回収していくスピード感もものすごい。

・整形外科医の父親、臨月の母親、反抗期の娘、水中銃を振り回す息子、余計なことばっかりしているおじいちゃん。

・臨月の母親と、子供に持たすには殺傷能力がありすぎる水中銃は、出てきただけで不穏な気持ちになる。

・故障で減速できない事が、案外、警備の人などに信用してもらえないところ。そういう嘘をつく人、実際に多いんだと思う。

・トラブルメイカーのおじいちゃんは、「どうしようもないけど憎めない」という定番キャラクターの「憎めない」という枠をちょいちょい逸脱してくる。

・それだけだと迷惑なだけなんだけど、重い荷物を持たされたり、ガソリンを入れる係になっていたり、誰よりも体を張っていたり、思ったより働く。

・振り子のように善人と悪人の間を行ったり来たりしているので、どうしても許せないというほどでもないギリギリのところを攻めている。

・そんな難しいバランスをこなしつつ、ちょっと愛されくらいのところまで持っていける脚本と、アンドレ・ディソリエの演技。

・おじいちゃん以外の登場人物も、善人でもあり悪人でもあるので、結果みんな活き活きとしている。

・みんな死を意識せざるを得ない状況だからこそ、日常では決してできない懺悔をしてしまうところや、それをきっかけに新しい家族の関係が見えてくる構成。

・つまんない大人になってしまった夫を象徴する自動車と、その末路。

・途中で、路上セックスや、吐瀉物やおしっこを撒き散らしているシーンがあるわりには、言葉で語り過ぎない上品なまとめ方をしている。アクションシーンも結構ムチャしている。

・そんな一連の展開を92分できっちりまとめている。ほんとによくできている。

『ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~』本予告 7月22日(土)公開

※似たシチュエーションの『ランナウェイ・カー』も見てみたい。

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アルバトロス
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