英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語学習法(105)

2005年11月12日 | 比較
比較の構文についてです。‘as ~ as ・・・’という構文の基本です。以下、見ましょう。

(1)John is as tall as Tom. (ジョンは、背の高さがトムと同じくらいだ。)

(1)は、‘as ~ as ・・・’「・・・ と同じくらい、~ だ」という表現が用いられて、‘John’と‘Tom’の背丈が同じだ、という解釈になるもので、中学校くらいで習う構文です。ですので、比較的、英語の構文としては、簡単な部類に入るものとして理解されています。

(2)John looks as old as Tom. (ジョンは、トムと同じくらいの年齢に見える。)
(3)Mary is as pretty as Susan. (メアリーは、スーザンと同じくらい、カワイイ。)
(4)This car is as fast as an airplane. (このクルマは、飛行機と同じくらい速いぞ。)

(2)~(4)を見たって、全て同様に、‘as ~ as ・・・’「・・・ と同じくらい、~ だ」、という公式で当てはめて考えれば、OKですね。ですので、この‘as ~ as ・・・’を覚えて使いこなすのは、こんな感じで使っている分には、全く問題ないので、とても使いやすい表現だと言えます。

(5)John runs as fast as Tom. (ジョンは、トムと同じくらい速く走る。)
(6)Mary cooks as well as Susan. (メアリーは、スーザンと同じくらい料理が上手い。)

(5)や(6)も、同じ‘as ~ as ・・・’を使って、「・・・ と同じくらい、~ だ」、を表現していますから、その点、(1)~(4)と同じ部類に入る表現ですが、しかし、(5)や(6)のような表現は、ちょっとだけ、(1)~(4)とは、違うと言えそうな点があります。

それは、「形容詞」と「副詞」という品詞の違いです。(1)~(4)では、‘as ~ as ・・・’の‘~’の部分には、形容詞‘tall’「背が高い」、‘old’「老いた」、‘pretty’「かわいい」、‘fast’「速い」が含まれていますが、一方、(5)と(6)の‘as ~ as ・・・’の‘~’の部分には、副詞‘fast’「速く」、‘well’「上手に」が含まれています。

ですので、形容詞や副詞といった表現が、この2つの‘as’の間に挟まれて、「‘as’+形容詞+‘as’」や、「‘as’+副詞+‘as’」のカタチで、「・・・ と同じくらい、~ だ」、を表現している、と言えますね。

(7)John has books as many as Tom. (×) (ジョンはトムと同じくらい本をもっている。)
(8)John has as many books as Tom. (〇) (訳同上)

ところが、(7)はアウトで、一方、(8)はOKということです。(7)のような間違いは、よく文法の解説書でも指摘されているものです。‘as ~ as ・・・’の公式を覚えていて、‘~’の部分には、形容詞か副詞のどちらかしか入らない、と無意識のうちに決め込んでいるヒトには、ありがちな間違いだからですね。

OKである(8)の‘as many books as’には、‘many books’という「形容詞+名詞」のカタチが含まれています。このあたりから、‘as ~ as ・・・’の公式は、どうやら、使い方にコツが要りそうだな、ということがわかり始めます。そこで、以下のような文を見ましょう。

(9)John has books many. (×) (ジョンは、たくさん本をもっている。)
(10)John has many books. (〇) (訳同上)

(9)はアウトで、一方、(10)はOKですが、これらの文を、もとにして考えなければ、‘as ~ as ・・・’の公式は使いこなせない、ということなんです。つまり、OKである、(10)の‘many books’を出発点にして、それを、‘as’と‘as’で挟んでやらなければならない、ということですね。

そこで、(9)がアウトになるのは、‘many ~’が、「たくさんの ~」という意味で、名詞にかかる表現だからです。‘many’を副詞として解釈して、例えば、‘has’のような動詞にかかると考え、「たくさんもっている」としても、英語がこのような表現を許容しないコトバなので、勝手に想像をはたらかせて、(9)のような文をつくることは不可能です。

しかし、辞書などでは、‘as many as ~’「~ と同じくらい多く」、という表現は見られますので、単純に、この表現があると、どうしても、(7)のような文をつくってしまいたくなるんですね。これは、日本語の類推から出発するならば、ごく自然なプロセスでつくられる誤った英語です。

まず、(7)の、日本語訳を、「トムと同じくらい」+「ジョンは、本をもっている」という、2つに切ってから、英語を組み立てるやり方をやってしまうので、どうしても、‘John has books.’の方を独立した文として、先につくってから、後で、‘as many as Tom’を付け足したくなります。ですので、(7)のような誤った英語が多く見受けられるのは、それなりに秩序だった手順を踏んでいる、言わば、規則性のある間違い、ということになります。

この規則性のある間違いは、‘as ~ as ・・・’が、単純に、「公式」と呼べるほどには、熟成された体をなしていないことに原因があるもので、ここから、前の‘as’と、後の‘as’は、それぞれ、独立した役割をもっていると考えることから出発する必要があります。

まず、覚え方としては、①・前の‘as’は必ず、「程度」や「数量」を表し得る表現の前にくっつく、そして、②・後の‘as’は、何と比べられているのかを、ハッキリと明示する役割をもっている、と言えます。ですので、まず、2つの‘as’を、それぞれ、一度、切り離して考え直すことが必要です。

この2つの‘as’が、それぞれ独立したものである、という考えがあると、まず、順序としては、(10)のような文が先にあって、あとから、前半の‘as’を、①にしたがって、‘many books’の前に付け足す、という作業になると思います。普通、誤って、(9)のような文を先に思いつくということは、まずありませんからね。この考え方の順序は、(7)のような間違いを防ぐ上では、かなり有効です。

あとは、後半の‘as’を、何と比較されているのかを、ハッキリと明示するために、‘as Tom’のようにして、付け足すだけです。こうすれば、(8)のような正しい文をつくることはあっても、(7)のような誤った文をつくることはなくなるはずです。

今回のポイントは、とても簡単なことですが、比較の構文‘as ~ as ・・・’の基本的な考え方です。‘as ~ as ・・・’の構文は、よく、セットにして習うだけで終わってしまうことが多いので、単純な文をつくる際には、使いやすく便利な印象があるんですが、だからと言って、ガッチリ固めて暗記しているだけで、構文を組み立てる方法までは知らないとなれば、結局、まともに使えないことがわかったと思います。

今回の基本的な考えがあると、様々な他の派生構文の理解にも、スムーズにつながっていきますので、まずは、柔軟体操です。

■注 :‘as ~ as ・・・’は、あえて、品詞は何か、と問われれば、前半の‘as’が副詞で、後半の‘as’が接続詞、ということになりますが、とりあえず、一応の目安という程度に理解しておいた方がよいと思われます。英語では、‘as’の用法は多様なので、分類しても、ややこしくなるだけで、意味がない場合が多いからです。‘as many as ・・・’という構文では、‘many’の品詞は、一応、名詞になりますが、だとすると、前半の‘as’は、名詞にかかる「副詞」という、奇妙な分類を受けることになります。ですので、①のように、前の‘as’は必ず、「程度」や「数量」を表し得る表現の前にくっつく、とした方が、本質をとらえた一般化だと思われます。

みんなの英会話奮闘記★  ★元祖ブログランキング★  ★英語・人気blogランキング


最新の画像もっと見る

コメントを投稿