今年のワイルドライフ・クラブの卒業生へのフィールドワーク体験教育、通称”キャンプ事業”も、昨年に続き、5回目が無事終了しました。
昨年同様に、4つの支援している村より参加者を選びました。小学生時代にサラマンドフの会の支援でツァボ国立公園への教育ツアーに参加し、成人となった合計14名を選抜しましたが、当日2名が病欠になり、卒業生からは12名の参加となりました。
キャンプ事業に過去に参加した2名が指導員教育を受けるために参加しました。フィールド講師、アシスタント、アシスタント補助、ドライバーなど総勢20名の参加者となりました。
オリンド博士のオンライン講義では、参加者からのひとりひとりから質問に対して、丁寧に回答があり、その内容を参加者全員で共有し学びを深めました。
小学生の時には観ることができなかったライオン、チーター、イボイノシシなども、じっくりと観察することができました。
一方で、食事作りに必要な倒木を探しに出かけた時に、倒木の合間から現れた毒ヘビに仰天する体験もしました。村落でヘビが出ると、即時殺してしまいます。
国立公園内では野生動物を殺すことはできません。フィールドでの間近な出逢いには、自らが野生動物になったかのような緊張感が走りました。
参加者は、小学生のフィールド教育以来、野生生物だけの世界との接触がなく、忘れかけていた野生動物への想いが蘇り、深まるのを皆感じていました。
参加者間の仲間意識や協調精神も強くなり、同じ地域に野生動物と共に生きていく生活を続けていきたい、と感想を綴っていました。
指導員教育を受けた2人は、それぞれの村落でゾウなどからの被害が続いているものの、野生動物の大切さをコミュニティーに語り伝えて、野生動物を理解する人々をひとりでも増やしていきたいと言っていました。
今年は終了後に別途時間を設けて、フィールド体験のまとめと簡易試験を試みました。体験だけに流されがちな記憶をしっかりと固めて、有意義な時間へ繋いでいく訓練にもなったようです。