先日念力について私の経験を投稿しましたが、これらのことを扱う学問を日本では超心理学と、欧米ではESPと言い以下のように説明されます、
超感覚的知覚extra sensory perceptionの略語。超心理学では透視,テレパシー,予知の三つをまとめていう。
これから私の興味のあるESPに関わる情報を集め連載したいと思います。
私が最初に超心理学に興味を持ったのは、学生の時読んだ岩波文庫の超心理学入門でした。この著者は東京工業大学の宮城教授で、非常に不思議な体験や写真を掲載していましたが、このことは後述したいと思います。
今回は比較的早く超心理学を学問的に取り組んだロシアの研究史です。
これを読むとスターリンもESPに興味を持っていたことが分かります、これはロシアだけの話ではなく、敵対している国の極秘情報を得たいと考える政治家や軍関係者がESPに興味を持った事実があります。
また添付した画像情報で紹介しますが、ESP研究者はこれを肯定する立場から、超能力者と言われる実験対象者のトリックに騙され易い傾向があり、念力の所でも登場した大槻教授の出番が生じます。
以下
気功・超心理学に関する実験的研究の情報
KOKUBO Hideyuki 小久保秀之 様のHPから引用
生命情報科学 あるいは 文化人類学的心理生理物理学概況 ロシアの超心理学研究
Modern Studies on Russian Parapsychology
2006年11月19日
20世紀以降のロシアの研究は、次のように概括できる1)。
1 背 景
ロシア革命後の研究は、初期においてはテレパシー研究が盛んであった2-4)。1919年には、レニングラード脳活動・超能力活動研究所所長のベクレフ、電気技術者のカンジンスキーが、電磁波仮説に基づくテレパシー研究を開始した。モスクワのカジンスキー、ツルーギンらの研究、レニングラード(現サンクトペテルブルグ)のベクテレフ、ワシリエフらの研究は第2次大戦によって中断されるまで続いた。
テレパシーの電磁波仮説は、脳の電気的な活動が微弱な電磁波を生み、その信号を他の人間が受信するというものである。当時はまだ脳波の詳しい解明は行われておらず、電磁波仮説はテレパシー現象を説明する有力な仮説であった(脳波計を発明したドイツのベルガーも、テレパシーの研究を行った)。
カジンスキーの著作『生物学的無線通信』3)は日本語に翻訳されており、現在でも入手可能である。それを見ると、カジンスキーは、人体にアンテナ機能をもつ器官があるのではないかと考えていたことがわかる。彼がアンテナ候補として挙げた器官には、ちょうど現在開発が進んでいるフラクタルアンテナを連想させるものがある。
フラクタルアンテナ 相似構造をもち、全体としての寸法が非常に小さいアンテナ。1つのフラクタルアンテナで幅広い周波数の送受信ができる。
テレパシー研究が再開されるのは1940年代末だが、その間に、超能力者ウォルフ=メシングが現れ、注目を集めた。メシングは超能力者物語によく登場する人物で、スターリンに超能力を実演して高い信頼を得ていたことで知られている。彼のエピソードとして有名にものに、次のようなものがある。
スターリンの命令で、超能力で銀行から金を出して来いといわれ、メシングは銀行に出向いた。メシングには監視員が付き添い、不正が無いか見張っていた。メシングは銀行窓口に行くと、白紙の紙を「小切手だ」と念じながら係員に渡し、換金するよう言った。係員は白紙の紙を受け取った後、札束を用意し、メシングに渡した。メシングはその札束を監視員に確認させた後、窓口に差し戻し、係員になぜあなたは私にこのお金を渡したのですかと言った。係員は、先ほど受け取った紙を改めて確認し、それが白紙であったと知って、気を失った。
スターリンは、メシングに、超能力でクレムリン宮殿の自分の執務室に現れてみろという命令をした。クレムリンの警備は厳重なので、メシングがスターリンの執務室にたどり着くのは困難と思われた。メシングは、自分は秘密警察の長官であると強く念じ、クレムリンの入り口から1人で歩いて入った(顔パスでクレムリンを出入りできる人間は、スターリンと秘密警察の長官ぐらいしかいなかった)。警備員は皆、敬礼して彼を通した。メシングはスターリンの執務室まで、誰にもとがめられることなく到達し、スターリンに面会した。
1961年には、思考暗示の専門研究室がレニングラード大学生理学研究所の中に設立された。レニングラードの研究の中心人物は、L.L.ワシリエフであった。彼は様々なテレパシー実験を試みた。ワシリエフの実験で有名なものの1つに、被験者を金属箱で遮蔽した条件でもテレパシーが伝わることを確認した実験がある。彼の著作は数点、日本語に翻訳されている。有名なのは『テレパシーの世界』4)で、この本の中に彼の行った電波遮蔽テレパシー実験が書かれている。
テレパシーの電磁波仮説 現在、テレパシーの電磁波仮説は、1)脳から電波が出たとしても、そのパワーはあまりにも小さいので、信号伝達はできそうもない。2)電波を遮蔽した条件でもテレパシーが伝わる、といった理由から否定的な意見が強い。
しかし、私は、球電のようにまだ解明されていない奇妙な電磁現象が存在すること(球電現象によって金属が柔らかくなったり、テレポートが起こるなど、かなり変な現象が起こっているらしい)、自然界の4つの力(強い相互作用、弱い相互作用、電磁力、重力)のうち、生物が能動的に利用できるのは電磁力しかないこと、から、超能力と電磁現象とに密接な関係があるのではないかと考えている。
ワシリエフのテレパシー実験以外にも、さまざまな研究が行われた。
たとえば、単位時間当たりのESP情報伝達量が距離によって減衰するというコーガンの研究報告がある5)。コーガンの実験は測定点が3点しかないので、距離による減衰効果を断定するには、まだ証拠不足と考えられる。
距離効果 距離によって減衰しないとする報告が多いので、一般に、ESPは空間的な制約を受けないと考えられているが、単位時間当たりの情報伝達量の観点で論考可能な研究はあまりないように思う。最近の研究では、アメリカのD.ラディンが、地球意識計画GCPのRNGデータの解析から距離の2乗に反比例して減衰する念力効果を報告した例がある。しかし、これは実験者効果だったのではないかと考える人が多い。
ボングラド&スミルノフは、指や手の皮膚で文字や図形を読み取るという皮膚視覚の研究を行った。1970年代末には、日本にも皮膚視覚の研究が紹介され、一部で注目された。
ロシアの皮膚視覚研究は、フランスから伝わった皮膚視覚による読書が契機になっている。市民で皮膚視覚で本を読む練習する人がかなりいたようで、物体移動能力で有名な超能力者ニナ・S・クラギナも、最初に練習したのは皮膚視覚による読書だった。彼女が皮膚視覚を練習しているときに(透視の練習ともいえる)、彼女の側にあった小物体が動くという異常な現象が起こった。このことに気づいた研究者が、念力能力の開発に変えて訓練を続けた結果、クラギナはかなり強い念力能力を得るに至った。
クラギナの超能力の研究はいろいろ行われたが、その全貌はまだ日本には紹介されていない(ロシア人研究者でも、全貌を把握している人は少ない)。たとえば、写真フィルムを積み重ね、その上にある物体を移動させる実験が行われたことがあり、実験後に写真フィルムを現像すると、念力で移動した物体の周囲に「場」が生じたかのように感光していたという。
この他、現在までに、脳神経細胞(松果体)の発する電気パルスを念力で変化させる実験や、マイクロ熱量計による遠距離念力実験などが行われたことが知られている。
2 現 状
現在、超心理学を専門に行っているところの1つに、モスクワのワシリエフ超心理学財団がある。研究所の規模は小さいが、近年ではポルターガイストの研究で有名で、たとえば、ポルターガイストによる発火現象のビデオ撮影に成功したことが知られている。
ワシリエフ財団は毎年春に学術集会を開催しており、毎回30-40件の研究発表がある。発表論文は、同財団発行のロシア語雑誌Parapsychology and Psychophysics 6)に掲載され、脳波等の生理測定、ポルターガイストの事例調査、遠距離PK実験、磁場実験、理論的研究など、様々な研究が報告されている。また、科学哲学・理論の研究集会が、ポポフ無線電信電子工学科学技術協会の主催で開かれている。
2002年に刊行されたPhysicists in Parapsychology, Essays, 2002 7)は、英語で読める数少ない文献の1つである。この本には、物理化学系の研究成果がまとめらており、たとえば、遠距離PK実験でマイクロ熱量計による温度変化が検出されたことや、N.S.クラギナによるホール磁気センサの出力変化(106-107 nT相当)などが報告されている。
また、ロシアやエストニアではダウジングの研究も盛んであり、バイオロケーションと呼ばれている。バイオロケーションのメカニズムは、人体周りの電場が地下の金属や地下水などの導電体の存在で乱れ、その微小な変化がダウジングロッドや振り子を持つ腕の運動に影響するからだと考えられている(トーション場が鍵だと主張する人が多いようだが、トーション場がどういうものなのか知らないので、よくわからない)。
1990年代以降、ロシア国内ではヒーリング・補完代替医療・シャーマニズムに関連した研究や市民活動が活発化し、規模の大きな集会もしばしば開かれている。2002年頃のマスコミ報道によれば、モスクワ市内に超能力養成学校が多数存在したり、タレント超能力者のTV番組が人気を博するなど、ユニークな状況にあった。
2005年の時点では、補完代替医療の1つとして、心霊治療(超能力による手かざし治療)が国家公認となっており、看護士資格の取得、一定年数の病院勤務実績などの要件を満たせば、ヒーラーとして厚生省から治療資格を与えられるという。
2005年には、レントゲンの眼をもつ超能力者(人体透視能力者)としてナターシャ・デムキナという少女が、また、同年、人体透視だけでなく高い治療能力をもつというヤーナ・トロイニチという少女が相次いで来日した。
ヤーナについては、透視中の脳波・脳血流・皮膚電気活動の測定を行い、その測定データの一部を報告してあるが9,10)、今後も追加分析結果を機会を見て報告する予定である11)。
ヤーナとナターシャの実験 ナターシャは持ち込まれた企画が透視能力の検証という話だった。結構手間がかかって大変だよと言ってあったのだが、次に連絡が来たのが、今週末に来日という話だったので、いくらなんでもそれは無理と、測定を断念した。ヤーナの場合は、彼女が能力を発揮しているときの脳活動の測定に絞ったのと、来日までに時間的余裕があったので、何とか科学的測定までこぎつけることができた。国内法の関係で治療行為ができないのと、滞在期間が短いことから、透視を試みているときの脳活動の測定に限定した。
参考文献
小久保秀之、山本幹男、世一秀雄、河野貴美子:ロシアの最近の研究状況、超心理学研究、7(1&2): 28-30, 2002.
Gurtovoy, GK: A bit of history of parapsychology in Russia, in L.B.Boldyreva & N.B.Sotina eds.: Physicists in Parapsychology, Essays, 2002. pp.6-14, Moscow: Hatrol, 2002.
カジンスキー, BB: 生物学的無線通信, 1963. 西本昭治訳, 東京:新水社, 1990.
ワシリエフ, LL: テレパシーの世界. 秋田義夫訳、東京:白揚社, 1973.
Kogan, IM: Information theory analysis of telepathic communication. Radio Engineering, 23(2), 122-125, 1968.
Parapsychology and Psychophysics, 1991-2000. [in Russian with English abstracts], [ISSN 0869-3323], [CD-ROM]
Boldyreva, LB & Sotina, NB eds.: Physicists in Parapsychology, Essays, 2002. Moscow: Hatrol, 2002.
Norina, SB & Kossov, BB: Law of discriminability in perceptual and electromagnetic tests, Journal of International Society of Life Information Science, 19(2):262-270, 2001
Kokubo H, Yamamoto M, Watanabe T, Kawano K and Sakamoto K: Brain blood flow change with functional near infrared spectroscopy while guessing. Journal of International Society of Life Information Science, 23(1):224-230, 2006
Kokubo H and Yamamoto K: Brain Activity While Guessing - Research by Functional Near-Infrared Spectroscopy (fNIRS) -. Proceedings of 3rd Psi Meeting, 2006.
小久保秀之、山本幹男、河野貴美子: 自由応答型推測における脳血流. 超心理学研究, 11(1&2):12-20, 2006.