環境にやさしい?翻訳者日記

環境分野を専門とする地方在住の翻訳者が、自らもなるべくエコなライフスタイルを目指します。がんばりすぎず、ぼちぼちと。

『地球白書2013-14』 第24章 激動の時代に備えた教育

2017-05-30 16:59:33 | 環境
大学の環境教育(この著者は「環境学および環境科学」(Environmental studies and science)を"ESS"と呼んでいる)プログラムに足りないものを分析した章。

この学際的なプログラムは、総花主義で、単なる「ごた混ぜ」だと一刀両断。
私の専攻した平和学も学際的(interdisciplinary)なプログラムだったので、
言われていることはごもっともで、終始耳の痛い話だった。

「地球を救う10の方法」のような「ささやかで簡単な方法」に頼ることで、
ESSの学生は徐々に限界を感じてしまい、
そのせいで本当の社会変革を起こせないのではないか、と。

たとえば、「アメリカ人全員がエネルギー効率の良い証明を使用したら、平均的な発電所九〇基が不要になり、二酸化炭素や硫黄酸化物や高レベル放射性廃棄物の排出量を減らせます」といった……
「罪悪感の政治」は、人々を結集させることも、鼓舞することも決してない。


うーん……
痛いところを突かれている気がする……
たしかにこういう話が意味を成すのは一部の人に留まるよね。

大人になってから、翻訳の師匠から「システム思考」について学んだ時、
たしかに「あれ、私、何でこれ大学で教わらなかったんだろ?」と感じたよ。

社会全体のあり方を変えようとするなら、
どこにどういう働きかけをするかが重要。
マクロの視点vsミクロの視点とも言えるかな?

ワールドウォッチ研究所『地球白書2013-14』(2016年12月、ワールドウォッチジャパン)
Innovations that Nourish the Planet 地球白書2013-14 特集:持続可能性確保の最終機会を活かす


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