カンボジア経済

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カンボジア中央銀行 貸付のリエル建て化を促進へ

2016年12月15日 | 経済
 12月1日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、金融機関の自国通貨建て信用供与に関する省令第B7.016.334.P.K号を公布しました。この省令の目的は、高度にドル化しているカンボジア経済の状況に対し、金融機関(銀行及びマイクロファイナンス機関)の自国通貨(リエル)建ての信用供与を促進することにあります。省令では、2019年12月31日までに金融機関に自国通貨建ての貸付を貸付全体の10%以上とすることを求めています。また、リエル建て信用供与の状況について、NBCが監督するとしています。
 カンボジアは、高度にドル化した経済であり、市中現金の8割以上、銀行預金の9割以上が外貨(主に米ドル)となっています。現在までのところ、この状況は、海外からの投資促進や物価の安定等にポジティブな効果をもたらしてきましたが、金融政策が十分に行えないことやドル高による影響等のネガティブな側面も目立ち始めています。このため、カンボジア政府では、緩やかな脱ドル化を進めており、今回の自国通貨建て信用供与の促進もその一環と見られます。今回導入された規制では自国通貨建ての比率が10%と低いため、当面大きな影響はないものと見られますが、これまでの他国での脱ドル化の経験では、時間をかけてゆっくり進めることが肝要であり、急激な脱ドル化の動きは避ける必要があるものと見られます。

中央銀行が公布した省令(英文仮訳)
https://www.nbc.org.kh/download_files/legislation/prakas_eng/Prakas-on-providing-KHR-credit-eng.pdf




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