カンボジア経済

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カンボジア産業開発政策

2015年09月01日 | 経済
 8月26日、プノンペンの首相官邸(ピースパレス)で、カンボジア産業開発政策(Cambodia Industrial Development Policy 2015-2025)の公式発表式典が開催されました。式典には、フン・セン首相、キエット・チョン副首相、オウン・ポン・モニロット経済財政大臣、ソクチェンダ・ソピアCDC大臣他、カンボジア政府関係者、外交団、民間関係者等、1000名近くが参加しました。
 産業開発政策の目的は、カンボジアの産業を労働集約型から技術駆動型に進化させていくことです。数値目標としては、GDPに占める第2次産業の比率を2013年の24.1%から2025年までに30%に引き上げる、輸出全体に占める縫製品以外の製品の比率を2013年の1%から2025年までに15%に、同じく農産物加工製品の比率を2013年の7.9%から12%に引き上げる等となっています。
 重点産業としては、(1)高付加価値でクリエーティブ、高競争力の製品を製造する新産業・ベンチャー製造業、(2)中小企業、(3)農産品加工業、(4)サプライチェーンにリンクするサポーティング産業、(5)国際的地域生産ラインに資する産業等となっています。
 具体的政策としては、投資環境整備・経済特区開発等による投資促進、中小企業の近代化と拡大、貿易促進・知的財産権・労働市場等に関する法規制環境の改善、人造り・イノベーション・インフラ等の支援政策の調整等があげられています。なお、2018年までに実行する優先政策として、電気料金の引き下げ、南部回廊等のロジスティクス改善、労働市場の改善、シアヌークビル州の開発の4本柱を示しています。
 今般の産業開発政策には、通常の途上国であればありがちな大規模産業開発(製鉄所や自動車産業等)は、含まれておらず、カンボジアの身の丈に合った地道な政策である点が高く評価されます。今後の確実な政策実施とその結果としてのカンボジア経済の順調な発展が大いに期待されます。


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