カンボジア経済

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カンボジア国立結核センター

2008年03月16日 | 経済
 カンボジアは、結核高蔓延国に指定されていて、まだまだ結核で苦しんでいる人たちの多い国です。その中で、カンボジア国立結核センターは、結核に関するレファラル病院の頂点に位置し、結核の予防、発見、治療に取り組んでいます。現在のセンター(CANAT)は、2001年に日本の援助で建設され、その後も日本から専門の先生方が来られ、その活動を支援されています。
 現在、結核については、特効薬があり、6ヶ月間毎日薬を飲むことで完治します。そこで、なるべく早く結核患者を発見し、毎日薬を飲んでもらうことが必要となります。GENATや多くの保健センターでは、結核検査(痰の検査、レントゲン)は無料です。また、結核と判定された場合、6ヶ月間の薬も無料で提供されます。なお、毎日薬を飲むことが大切なため、DOTS(CENATや保健センターまで患者さんに来てもらい、先生や看護師さんの目の前で薬を飲んでもらう方法)が採用されています。さらに、重症の患者さんは、CENATの病院棟に入院することも可能です。また、国連世界食料計画(WFP)により、結核患者の方には、3ヶ月ごとにお米60kg、食用油、塩が無償で配給されているとのことです。
 結核患者の方には、HIV/AIDSの感染者も多いため(プノンペンでは、結核患者の21.7%がHIV陽性)、結核検査と同時にHIV/AIDS検査も無料で受診することができます。CENATでは、結核/AIDS重複感染問題に取り組んでおり、ばらばらに行われていた検査を相互乗り入れで行えるようにしたり、差別や偏見をなくすための活動に熱心に取り組まれています。
 いつもながら、カンボジアの隅々まで飛び回って、熱意を持って取り組まれている先生方や関係者の方々には、本当に頭が下がります。なお、詳細は以下のページもご覧ください。
http://www.jica.go.jp/cambodia/activities/pdf/pro_tuberculosis.pdf
http://project.jica.go.jp/cambodia/0211079E0/japanese/index.html

CENATの検査棟。結核菌の感染を防ぐため、オープンスペースも活用しています。


清潔感のある病院棟。多くの方が入院、治療を受けられています。患者の方も付き添いの方もマスクをしています。


日本(茨城県)から寄贈された集団検診車(レントゲンバス)。懐かしい感じがします。


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2 コメント

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多剤耐性結核菌の発生の予防活動 (マリキ)
2008-03-17 03:25:13
Jackおじちゃんさん、現地の鉄道の修復関連の記事での返事の書き込みを読ませてもらいました。
ありがとうございます。




結核と言えば、今、出回ってる結核の治療薬の全てまたは、複数の種類の薬に耐性を持った
「多剤耐性結核菌」が日本を含めた先進国、新興国を含め、世界規模で問題になってますね。


なぜ、このような全ての治療薬に耐性を持った結核菌が発生するかと言うと
結核の治療薬を治りきる前に自覚症状がなくなったからと
実際には、まだ体内に結核菌が残ってるにもかかわらず、
本人が途中で飲むのを中断してしまう事をするため飲んでいた治療薬に耐性を持った菌が体内で発生してしまうのです。

生き残った結核菌が体内で進化してしまうわけです。


治療薬に耐性を持った結核菌は、耐性を持った治療薬は効かなくなるため
他の種類の治療薬で菌を殺す事になります。
ここで同じ事を繰り返し続けた結果、
どの治療薬にも耐性を持って、どの薬も効かない結核菌が出来てしまうのです。


完治する前に自覚症状がなくなったからと治療薬を飲む事をやめる事で
結果的に結核菌を人間が鍛え、最強の菌に進化させてしまってるわけです。



結核患者には、完治するまで確実かつ絶対に治療薬を正しい方法で服用させ続ける仕組み作りが重要なのです。


日本でやってる方法は、薬を一回分ごとにまとめて1パックにまとめてカレンダーのその日の部分に貼り付け、薬を飲む時間になったら患者の居るところに保健所の職員が行って
薬を飲むのに立ち会う。

飲んだ分はカレンダーからなくなるので、飲み忘れがないし、患者が薬を飲む時は、保健所の職員が必ず立ち会うので確実という事です。

この方法を主に自宅暮らしの老人の患者を主な対象として行なっています。

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ありがとうございます (Jackおじちゃん)
2008-03-17 08:47:39
マリキさん、詳細なコメントありがとうございます。
返信する

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