カンボジア経済

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東西回廊を走る その1 道路等のハードインフラの整備

2011年09月27日 | 経済
 JETRO主催の東西経済回廊ミッションに参加して、東西経済回廊を視察してきました。今回は、ラオスのサワンナケートから、ベトナムのダナンまで約450キロを走破しました。

 まず、タイとラオスの国境でもあるメコン河を渡る第二メコン国際橋(写真)を訪問しました。日本のODA(円借款)で建設されたもので、全長1600メートルのコンクリート橋です。この橋の効果で、ラオス側のサワンナケートには経済特区やカジノが建設されています。日本の靴下メーカーも進出して、タイ経由で日本へ輸出されています。橋のラオス側には円借款で整備された出入国管理、税関等の事務所、ゲートが設置され、コンテナをトラックごとチェックできるX線スキャナーも装備されていました。一日当たりの通行量は、出国が、自動車280台、3300人、コンテナ15~20台で、入国もほぼ同数とのことでした。
 次に、ラオス・サワンナケートからベトナム国境を結ぶ国道9号線を走りました。この国道は、日本の無償資金協力により整備されたものです。国道9号線の西側区間を中心として、路面の損傷はかなり進行していました。大きな穴が開いていたり、舗装が大きくダメージを受けたりしているところが数十か所も見られ、高速走行、夜間走行は相当に困難な状況でした。東西回廊に期待して参加した方々からは、残念との声が聞かれ、ミッションの熱意に水を差した形となりました。なお、日本政府はこの国道9号線の補修を行うために32億7300万円を更に供与することとし、今年8月3日に調印、2年間をかけて補修工事を実施する予定です。ダナンに工場を持つ日系メーカーでは、タイ・バンコク周辺の顧客への納品を東西回廊経由で行うことを検討中ですが、この道路状況を見て、梱包の強化やエアークッション付トラックによる輸送等の対策が必要と見ていました。
 国道9号線沿いには、日本が拠出したアセアン統合基金により、「道の駅」が建設されていました。外国人旅行者にとってはありがたい設備です。
 ラオス・ベトナム国境には、出入国や通関をワンストップで処理するための施設が、これもアセアン統合基金により建設され、今年完成したばかりです。ただ、ベトナム側の準備が整っておらず、完全な運用開始には至っていませんでした。
 この後、ベトナムに入り、国道9号線、国道1号線を走りました。路面状況、保守状況も問題なく、大型バスも順調に走ることができました。ただ、坂道やカーブが多いこともあり、コンテナトラックにはちょっときつい部分もあるかと感じました。なお、国道1号線では、ダナン近くにあるハイバントンネル(約6キロ)を通りました。日本の円借款により建設されたもので、それまできつい峠道を超えるのに1時間以上もかかっていたところを10分に短縮したとのことです。
 最後に、東西回廊の海の玄関口であるダナン港を視察しました。この港も円借款で整備されたものです。コンテナ船が入り、盛んにコンテナの積み下ろしを行っていました。
 

ラオス国道9号線沿いに日本の支援で建設された「道の駅」。現地の特産品の販売もしています。東西回廊ミッションを歓迎する垂れ幕もかけていただいていました。


ベトナム国道9号線。思ったよりも山道でした。



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