旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

かき捨てて良い恥、かき捨てられない恥

2016年03月09日 | 旅行一般
旅の恥のかきすて方

以前、旅の恥のかき捨て方というテーマの記事を書いたことがあるのである程度重複する部分もあるかもしれません。

 旅の恥はかき捨てと昔から言いますし、旅先でもこの言葉を口にする人は沢山います。かくいう私も旅先で失敗する度に”旅の恥は掻き捨て”と心の中で呪文を唱えます。

 ちょっとした勘違いや、悪意ないマナー違反、はたまた乗り物の乗り間違いなどの失敗は、旅先ではつきものの失敗。いちいち気に病んでいたら神経が参ってしまいます。先日の記事でも書いたように旅先では少々の失敗は大目に見てもらえるのでどんどんかき捨てしまいましょう。

 ただし、”それはかき捨てちゃいけないだろう”という恥もあると思います。

 ”い~の、い~の。旅の恥はかき捨てでしょ”と言われて、”それは違うだろ”と思う代表格は、我々の日常生活において道徳的に問題があるような事を、”旅先だから平気”とばかりに行っている場合。”旅の恥はかき捨て”という言葉は普段は恥ずかしくてできない事を旅先では平気でやって良いという意味ではありません。

 普段はできない体験を旅先で体験してみる事は旅の楽しみの重要な部分です。その事に消極的になる必要はありませんし、挑戦して恥をかいてもその恥は掻き捨てて良いと思います。

 普段は”恥ずかしくて”できない事や道徳的に問題があってできない事については、旅先だからといってかき捨てて良い恥ではないと思うのです。ちなみに”誰も見てないから”と普段はやってはいけない事をする事は、そこには危険が潜んでいることがほとんどなので、覚悟も必要です。

 この境界線をどこに引くのかの基準は微妙なところですが、この境界線の引き方は意外とその人の人となりを明快に物語っていると思います。

 普段は体験できない事を体験しようとしているのか、普段はやってはいけない事をやろうとしているのか。その点を基準にして、かき捨てて良い恥を気に病むことなく、かき捨ててはいけない恥をかかないように。そして、帰国したら土産話に旅先での失敗談を加えれば自慢話よりも楽しんでもらえる事請け合いです。


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