旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

巡航

2013年07月29日 | 海外ツーリング
 先日、しばらく会っていなかった友人と会った際に、”今も走ってますか?”と尋ねられました。この”走る”はバイクではなくて、足で走る方。実はE&Gを移転する少し前からランニングするようになって、その習慣は忙しさにかまけて休むことはあっても断続的に続いていたのでした。いつの間にか4年以上続いているので私の比較的新しい趣味の一つと言っても恥はかかないでしょう。

今年の4月から新しいチャレンジとして早朝に走るようになりました。これは”早起き”という苦行と”ランニング”という苦行の2つを相手にしなければならないので私には敷居が高かったのですが、どうやら慣れてきた感じです。その代わり、夜はとても早く寝てしまいます。

 ランニングを始めたころ、200メートルも走ったら息切れがして、ペースを落としても歩いても呼吸が収まらず、しばらく立ち止まらざるを得ないほどに体力の落ちていた私も今はその日の体調に合わせたペースで6kmのルートを考え事をしたりしながら走れるようになりました。

 ランニングする際、私の場合、呼吸方法は”吐く”で2歩、”吸う”で2歩という組み合わせで走っているのですが、リズムが自然とバランスするペースを上手くつかめるようになった頃からランニングが苦痛でなくなったのかなと思います。

 言葉で表現するのは少し難しいですが、体を動かすことによって呼吸が早くなると、それに合わせて足を動かす速さも速くしないと上記のリズムが維持できません。足を動かす速さを速くすると運動量が増えてまた呼吸が早くなり....永遠のループに陥ってしまいます。回数をこなすことで自分自身の心肺機能が向上して余裕ができると同時にうまくバランスするペースを体が覚えれば、”巡航”することができるようになるわけです。

 ランニングだけでなく、バイクで旅する場合も、車で旅する場合も、あるいは自転車で旅する場合も、おおよそ自分自身で移動する場合に多くの時間を費やすのがこの”巡航する”作業ではないでしょうか。レースでなく、旅の場合、車両を選択するうえで巡航性能を自分のリズムと上手く合わせることができればその旅は楽で快適なものになると思います。ただ、残念なことに自分が普段乗り慣れたバイクや車でない限りその車両の巡航性能を判断する材料はなかなか存在しません。また、たとえ自分が乗り慣れたと思っているバイクや車であっても実際に上手く巡航させているのかどうかという観点でのドライビングテクニックやライディングテクニックを突き詰めてみる機会もあまりないのではないでしょうか。

 乗り物を運転する場合、ランニングのように顕著に肉体的に苦しくなるような事が無いため、自分のリズムと上手くバランスする巡航ペースという事にそれほどシビアにならなくても移動はできてしまうのですが、海外ツーリングや海外ドライブの場合、連日500kmとか600kmを運転するわけですから、巡航性能や巡航テクニックが疲れに大いに影響しますし、自分のリズムに合った車両を選べなかったり、巡航テクニックを上手く発揮できないと余計な体力を奪われて、旅を楽しむ余力がそれだけ減ってしまいます。乗り物を運転して旅することを楽しむのであれば、一度”巡航性能”や”巡航テクニック”について考えてみてはいかがでしょうか。


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