旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

世界を狭める情報収集と広げる情報収集

2017年11月28日 | 旅行一般
 ホームページの旅の書棚でも紹介している書籍、ロバート・M・パーシグの”禅とオートバイの修理技術”の中にこんな記述が出てきます。
技術書のテクニカルライターであった経歴を持つ筆者が回転肉焼き器の使用説明書について意見を求められたことから始まった議論の中での言葉

 ”テクノロジーが想定するのは、たった一つの無難な方法だけであって、それ以外には何もない。.....(中略)...しかしかなり多くの組み立て方のなかから一つだけを選択するとすれば、必ずその機械と自分との関係、さらにはこの両者とその外の世界との関係まで考えなければならなくなる。"

 この言葉を読んでいて、いつも何か釈然としない”旅と情報収集”の関係についてある程度の理解が生まれた気がしました。

 旅することはパーシグの表現を借りれば”旅と自分との関係、さらにはこの両者と外の世界の関係まで考えなければならなくなる”事が理想であって、たった一つの無難な方法にすがるのであれば、いっそのことパッケージツアーで出かけていけば効率よく無難に見どころを見せてくれて、帰国したら”○○へ行ってきた”とか”○○か国行ったことがある”とお手軽な自慢のネタにもできるというもの。

 皆さんは旅の情報収集をする際に、この”たった一つの無難な方法”を模索することに終始していないでしょうか。お勧めのレストランとか、お勧めの宿、○○を安く済ませる方法なんかの情報を収集しているとしたら赤信号。そういう各論を知りたくなるのは無難な方法を探ろうという意図から生まれてくる心理だと思うのです。

 手っ取り早く、海外へ行ってきたという自慢話のネタを手に入れたいだけならそれも良いかもしれませんが...。

 情報を収集すればするほど多くの選択肢がさらに多くなっていくような情報収集を行っているのであれば、それは確実にあなたの旅をより楽しく有意義にしてくれるものになると思います。

 それでは、そういう種の情報収集というのはどんな情報収集なのでしょうか。
 
 私は自分が訪れる国を、世界への理解を深めるような知識ではないかと思うのです。片言でも現地の言葉を覚える事も一つでしょうし、歴史を知ること、文化を知ること、宗教を知ること、あるいは伝説や伝承を知ることもあると思います。お勧めのレストランの知識は必要ありませんが、料理や飲み物の知識は有意義だと思います。

 そして、”その外の世界との関係”に思いをはせるのも有意義です。渡航する機会に祖国日本についての理解を深めておいて損はないのです。


◆◆◆第6回旅行好きの夕べ開催/参加者募集◆◆◆

 旅先での楽しい体験や失敗談、有益な情報など、旅行好き同士で語り合おうではありませんか。

□日時:2017年12月8日(金) 19時~22時
□場所:四谷三丁目 サロンガイヤール
□参加費:3,500円/食べ物、飲み物代込み(飲み放題ではありません)
□内容
*旅の写真上映会
*ヘンなものや良いものが当たるかもしれないじゃんけん大会
*懇親会
□お申込み、お問合せは下記からどうぞ
http://www.bekkoame.ne.jp/i/eandg/event/yube.html 


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