バージ船が沈んだ翌日、待望の追加人員がやって来た。
「おお、来たね!」
基地からホテルに戻ると、本村組の職人、須藤と泉谷がすでにチェックインしていた。
「お久しぶりです!」
須藤の細長い顔が、部屋のドアから覗いている。
「TH電力のH火力発電所以来だよね」
「はい、今回も呼んで貰ってありがとうございます」
TH電力の現場で、三木塗装の荒木が参加出来なかった時、須藤には、初めてウォータージェットの仕事を頼んだことがある。そして今回は、A県からわざわざ、須藤を呼び寄せたのだった。
「えーと、もう一人は泉谷さんですね、初めまして」
「どーも、よろしく!初めてじゃ無いけどね」
泉谷は眼鏡の奥の細い目で、ニヤリと笑った。
「あ、泉谷さんは、大きな水道管にホースを入れた時に、R社さんの現場に行っていますよ」
須藤が助け舟を出す。
「ああ、あのK市の水管橋の現場を手伝って貰っていたんですか、それは失礼しました」
「イヤ、いいですよ、気にしなくても」
泉谷は笑いながらタバコを一吸いして、右手を口元から離すと、灰色の煙を吐き出した。
「明日は基地のゲート前に七時集合です。最初は道が分からないでしょうから、僕と一緒に行きましょう」
私は二人とロビーに六時四十五分に集まる事にして、部屋を出た。
部屋に戻ろうとすると、コインランドリーに洗濯に行こうとしているハルと鉢合わせた。
「ハルさん、ついに追加人員が到着ですよ!」
「ようやくだね、いやぁ、この二日間はキツかたからねぇ」
この二日間、ハルとノリオの申し出もあり、二人は一人一ガンで、一日中ガンのトリガーを引きまくっていた。
「明日からはかなり楽になりますからね」
私はハルにそう言うと、安心して部屋に戻ったのだった。
翌朝、再び総勢五人になったR社ウォータージェットチームは、キティホークのフライトデッキの上に居た。今日も朝から最高に暑い。
とりあえずハスキーのエンジンを始動すると、無残に壊れたF14トムキャットの下に避難し、強い日差しを避ける。
午前七時五十分、二人の白色のセーラー服を着た兵士が、国旗を手に艦尾に向かって歩いて来る。セーラー服と言っても下はパンツスタイルで、水兵の正式な軍服スタイルだ。
「おおー!」
私の声に釣られて、全員が水兵を見る。それは一人が女性だからだ。
「今日も凄いよ、木田さん!」
ハルがニコニコしながら、女性水兵の大きなお尻を見ている。
「うはははは、今日はピンクだよ!」
セーラー服の生地は非常に薄手で、ピチピチの女性水兵のパンツには、くっきりとピンク色のTバックが透けている。
「あれ?女性も居るんですか?」
須藤が驚いている。
「いやぁ、結構大勢乗ってるよ、この船には。国旗掲揚に来るのも、女性兵士の割合が結構高いんだよ。でも共通しているのは、セーラー服のパンツは、下着が透けるってことだね」
私の説明に、みんなが笑い出す。
「おいおい、すんごい尻をしてやがんなぁ、オイっ!」
突然、泉谷が大声で叫んだ。
「?」
あまりの大声に、女性水兵がこちらを振り返る。
「くへへへへ、こっち見てるぜ!」
泉谷が、ちょび髭の生えた口元を歪ませながら、ニヤニヤとしている。
「木田さん、なんか凄く柄の悪い感じの人ですね…」
ノリオが小声で囁く。
「うははは、凄いね」
ハルは、泉谷を見て苦笑いをしている。
八時ジャスト、空母の屋外用スピーカーから大きな音で、国家『星条旗』が流れ始める。兵士は全員直立不動で敬礼し、我々作業員も直立不動を保たなければならない。
B国の国旗が、船尾のポールにするすると上がって行く。
「おい、須藤!中々面白そうな現場じゃねぇか!」
また、泉谷が大声でしゃべり、近くに居た兵士に睨まれる。
「泉谷さん、静かにして下さい!」
私の注意に、何故か須藤がヘコヘコと頭を下げる。
どうやら泉谷は、要注意人物の様だった。
「おお、来たね!」
基地からホテルに戻ると、本村組の職人、須藤と泉谷がすでにチェックインしていた。
「お久しぶりです!」
須藤の細長い顔が、部屋のドアから覗いている。
「TH電力のH火力発電所以来だよね」
「はい、今回も呼んで貰ってありがとうございます」
TH電力の現場で、三木塗装の荒木が参加出来なかった時、須藤には、初めてウォータージェットの仕事を頼んだことがある。そして今回は、A県からわざわざ、須藤を呼び寄せたのだった。
「えーと、もう一人は泉谷さんですね、初めまして」
「どーも、よろしく!初めてじゃ無いけどね」
泉谷は眼鏡の奥の細い目で、ニヤリと笑った。
「あ、泉谷さんは、大きな水道管にホースを入れた時に、R社さんの現場に行っていますよ」
須藤が助け舟を出す。
「ああ、あのK市の水管橋の現場を手伝って貰っていたんですか、それは失礼しました」
「イヤ、いいですよ、気にしなくても」
泉谷は笑いながらタバコを一吸いして、右手を口元から離すと、灰色の煙を吐き出した。
「明日は基地のゲート前に七時集合です。最初は道が分からないでしょうから、僕と一緒に行きましょう」
私は二人とロビーに六時四十五分に集まる事にして、部屋を出た。
部屋に戻ろうとすると、コインランドリーに洗濯に行こうとしているハルと鉢合わせた。
「ハルさん、ついに追加人員が到着ですよ!」
「ようやくだね、いやぁ、この二日間はキツかたからねぇ」
この二日間、ハルとノリオの申し出もあり、二人は一人一ガンで、一日中ガンのトリガーを引きまくっていた。
「明日からはかなり楽になりますからね」
私はハルにそう言うと、安心して部屋に戻ったのだった。
翌朝、再び総勢五人になったR社ウォータージェットチームは、キティホークのフライトデッキの上に居た。今日も朝から最高に暑い。
とりあえずハスキーのエンジンを始動すると、無残に壊れたF14トムキャットの下に避難し、強い日差しを避ける。
午前七時五十分、二人の白色のセーラー服を着た兵士が、国旗を手に艦尾に向かって歩いて来る。セーラー服と言っても下はパンツスタイルで、水兵の正式な軍服スタイルだ。
「おおー!」
私の声に釣られて、全員が水兵を見る。それは一人が女性だからだ。
「今日も凄いよ、木田さん!」
ハルがニコニコしながら、女性水兵の大きなお尻を見ている。
「うはははは、今日はピンクだよ!」
セーラー服の生地は非常に薄手で、ピチピチの女性水兵のパンツには、くっきりとピンク色のTバックが透けている。
「あれ?女性も居るんですか?」
須藤が驚いている。
「いやぁ、結構大勢乗ってるよ、この船には。国旗掲揚に来るのも、女性兵士の割合が結構高いんだよ。でも共通しているのは、セーラー服のパンツは、下着が透けるってことだね」
私の説明に、みんなが笑い出す。
「おいおい、すんごい尻をしてやがんなぁ、オイっ!」
突然、泉谷が大声で叫んだ。
「?」
あまりの大声に、女性水兵がこちらを振り返る。
「くへへへへ、こっち見てるぜ!」
泉谷が、ちょび髭の生えた口元を歪ませながら、ニヤニヤとしている。
「木田さん、なんか凄く柄の悪い感じの人ですね…」
ノリオが小声で囁く。
「うははは、凄いね」
ハルは、泉谷を見て苦笑いをしている。
八時ジャスト、空母の屋外用スピーカーから大きな音で、国家『星条旗』が流れ始める。兵士は全員直立不動で敬礼し、我々作業員も直立不動を保たなければならない。
B国の国旗が、船尾のポールにするすると上がって行く。
「おい、須藤!中々面白そうな現場じゃねぇか!」
また、泉谷が大声でしゃべり、近くに居た兵士に睨まれる。
「泉谷さん、静かにして下さい!」
私の注意に、何故か須藤がヘコヘコと頭を下げる。
どうやら泉谷は、要注意人物の様だった。
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