どんぴ帳

チョモランマな内容

ビバ!美笛峠&ガッデム!オロフレ峠

2007-09-02 23:13:14 | 北海道一周!
 昨夜はかなり激しい風で、テントがしなっていたが、朝になると爽やかな天気だ。
 昨日の夕方キャンプ場にやって来た女性チャリダーと、今朝もお話をする。

O府から来たIさん。綺麗な景色を眺めるのが好きらしい。
 年齢22歳の大学生で、身長は150センチと小柄です。でもテントを担いだ立派なチャリダー。二日間風呂に入っていないとのことで(チャリダーなら当たり前)、お顔の写真を撮らせてはくれましたが、ブログ掲載は拒否されました(笑)。ちなみに顔は目がクリッとして小動物みたいで可愛いです。将来は「音威子府(オトイネップ)」辺りで暮らしてみたいとのこと。

「今日はどこまで走るの?」
「鵡川の道の駅まで行こうかと思っています」
「ああ、あそこなら女の子一人でも大丈夫だと思うよ。ホテルが併設されているし、夜間はカウンターにガードマンが常駐しているからね」
「そうですか、なら安心ですね。お風呂は何時までですか?」
「確か十時までだと思ったよ」
「今日こそお風呂に入れそうです。昨日の温泉は日帰り入浴が三時までで、入れなかったんですよ」
「あはは、鵡川までならたいした距離じゃないから、夕方までには楽に着くね。今日はゆっくりお風呂に入れるよ」
 私は今日は美笛峠を超え、ついでにオロフレ峠を超えて登別まで行く予定だと言った。
「なんかオロフレ峠って大変らしいですよ」
「本当?」
「行きのフェリーの中で、他のチャリダーさん達が二度と行きたくないって言ってました」
「なんか凄そうだね」
 この時、私はオロフレ峠についての彼女の言葉を軽く聞き流していました。心のどこかに、
「知床峠を超えたんだ、あれ以上の峠なんてそうは無いさ」
 という気持ちがあったからです。

 キャンプ場を出発し、美笛峠に向かう途中、苔洞門に寄りました。

岩一面に苔が付いています。以前は中に入れたそうですが、崩落の危険が高いので、今は全く入れません。
 苔洞門は無料ですが、入口に管理センターのような建物があり、作業着のおじさんが二人居ました。
「これからどっちに行くんだい?」
「登別です」
「じゃあ、美笛を越えて行くんだね」
「ええ、それからオロフレ峠も」
「ああ、オロフレなんて大した事無いよ、美笛峠の方が凄いから」
「そうなんですか?オロフレ峠は凄いって聞きましたけど」
「いやいや、オロフレはダラダラと長いだけ。美笛峠は凄いよ、車だって大変なんだから」
「そうですか、じゃあ美笛峠を超えれば、オロフレ峠は大した事無いですか?」
「ああ、長いだけだ」
「そうですか、ありがとうございます」
 私はその言葉を信じて、美笛峠に挑んだ。

 美笛峠は確かに凄かったが、正直それ程でも無かった。ただ、上って行く景色は豪快で、「物凄い山を登っています!」という雰囲気はした。峠を越えると、当然ながら一気に下りになる。私はこの先にある道の駅まで一気に下って行った。

 道の駅でお昼を食べます。

百合根(ゆりね)コロッケ、ホクホクして中々美味しいです。

ヤーコン ストレートジュース。重戦機エルガイムの主人公「ダバ・マイロード」の一族に伝わるジュース・・・ではありません。『ヤーマン』では無く、『ヤーコン』です。中南米アンデス原産のキク科の根菜で、サツマイモに似た植物らしい。味もまるでサツマイモジュースです。

ラ・フランス&バニラのミックス。目の前でオバサンが、「ここのソフトは美味しいわぁ」と言って食べていたので、ついつい食べてしまいました。確かに美味しいです。ありがとう、どこかのオバサン!
 この後は隣の「きのこ王国」なる建物で、『きのこ稲荷寿司』『きのこ汁』『きのこフランク』を食べました。

 さて、美笛峠を超えた私は、後は楽勝!と思い、この道の駅でゆっくりしながら、のんびりと登別に向かいました。
 山の中の分かれ道で、どちらに進むか悩んでいると、ユニック車(クレーン付トラック)のおじさんが、わざわざ車を降りてきて教えてくれました。
「どこに行きたいの?」
「登別です」
「じゃあ右だよ、こっちに行かなきゃ。この道を真っ直ぐに行くと、とんでもない山の中に入っていくよ」
「そうですか、助かります」
「ところでこれからオロフレ峠に向かうの?」
「ええ、そうですけど」
「こんな時間からで大丈夫?結構凄い山道だよ」
「大丈夫だと思います。夕方には登別に着けると思いますよ」
「そうか、じゃあ頑張ってな」
 北海道の人達は、本当に親切な人が多いです。感謝します。
 
 さて、苔洞門で聞いた話とは若干ニュアンスが異なる気はしましたが、さらに教えられた道を進んでいくと、ついに道路標識に登別という文字が出て来ました。
「さ、36キロ?」
 意外と距離があります。だが衝撃だったのは、その下の『オロフレ峠』までの距離です。
「じゅ、14キロ?」
 14キロ、平地ならば大した距離ではありません。だが上り坂です。
「平均時速7キロで二時間か・・・」
 すでに時刻は三時半、うかうかしていると日が暮れてしまいます。今更後には引けないので、一気に攻めることにします。

 上り始めて一時間、体力的な問題よりも、精神的に堪えます。上り勾配は予想以上に厳しく、場所によっては時速5キロを切ります。このままでは、頂上まで三時間掛かってしまいます。徐々に気温は下がり始め、通り過ぎる車もほとんどありません。さすがにこの状況で知床のような無茶は出来ないので、三十分ごとに、三~四分の休憩を取り、なるべく体力温存します。ひたすらギコギコとペダルを漕ぎ、一定のペースで心拍を乱さないように上り続けます。
 
 上り始めて二時間、ようやく頂上までやって来ました。

午後五時半、上ってきた坂に向かって。完全にイッちゃってます。
 少し助かったのが、正式なオロフレ峠は、ここから脇道で3キロ程行った場所にあるようです。しかし登別へのルートとは無関係なので、わざわざ行く気も無し。しかもここは店ゼロ、民家ゼロ、自販機ゼロ。こんな所に長居は無用です。ウインドブレーカーを着て、一気に坂を駆け下ります。

 坂を下って「カルルス温泉」に到着した時には、完全に私の電池は切れてしまいました。登別温泉まではあと5~6キロですが、もう走りたくありません。ここでギブアップです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿