オショロコマの森ブログ5

渓流の宝石オショロコマを軸に北海道の渓流魚たちと自然を美麗画像で紹介します、

十勝川水系T川支流 KB川の源流オショロコマ生息域に侵入した放流ニジマス

2013-12-23 10:04:54 | ニジマスによる被害
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2006-11-11  曇のち雨 

十勝川水系T川支流 KB川の源流域オショロコマ生息域に侵入した放流ニジマス  恐れ入りますが今回画像がとても多くメモリー2G以下のコンピューターでは開くのに2分以上かかります。じっとお待ち下さい。すみません。


この時期、木々や草木の葉が落ちて見通しが良くなるので、いつもはヒグマとの接近遭遇を恐れて入ってゆくのがためらわれる水域にも大胆にオショロコマ調査に入って行くことが出来る。

この日は北見市に近い十勝川水系T川支流KB川の上流~源流域に入った。



T川本流~中流域はニジマス放流が絶え間なく続けられているようで、放流ニジマスは野生化し今や道内でも有数なニジマス釣り場になりつつある。しかし、支流のいくつかにはオショロコマが生息しており、もしかするとそこにニジマスが侵入する可能性があり、2003年ころからは特に注意して経過をみてきた。

林道をうんざりするほど走り、やがてオショロコマの棲む水域に到達した。当然ながらこの川でもこの時期、オショロコマ♀は産卵後であった。

本来なら夏場のぶんぶんに太った姿を撮影したいのだが前述の理由で仕方がない。



















































この水域のオショロコマは黄褐色調で腹、ヒレは黄色、この川特有の斑紋・色調の個体群であった。

さらに下って比較的立派なたまりをさぐったところ恐れていたことが現実になった。

オショロコマ生息域奥深くまで侵入していたニジマス28cmが釣れた。招かれざる侵入者、ドナルドソンだ。するどい引き、猛烈なパワーで釣りの快感という点ではオショロコマ釣りなど比較にならない。しかし、今日このオショロコマの聖域ともいうべきところにオショロコマにとっては強力無比でまったく勝ち目のない侵略者ニジマスの出現はショックであった。




やがて氷雨が降りはじめ、どんどん気温が下がり、とうとう体が冷え切ってしまった。

さらにオショロコマ生息域に侵入したニジマス2匹を追加した頃、まわりが急に暗くなって撮影不能となり釣りを中止した。







またうんざりするほどえんえんと林道を走り、帰路につく。氷雨に濡れ、冷え切った体で夜道を走り北見に帰った。

今日の調査水域では、オショロコマは予想通りかなり多かった。オショロコマの楽園といってよいと思う。

この日は、オショロコマ18♂♂28♀♀ほどを撮影。比較的きれいな写真も沢山撮れた。針かかりした個体はその倍以上あったとおもうが、これらも全て丁寧にリリースした。

オショロコマ撮影は水中でてばやく行い撮影後、丁寧にもとの場所にリリースした。しかし、こんな源流域奥深くまで放流ニジマスが侵入してきているのは正に驚きであった。

昨年まではニジマスはいなかった水域だ。杞憂であったかに思われた私の心配は現実のものになりつつあるのかも知れない。

この水系の別の支流にも最近、ニジマスが侵入しつつある。

しかし、喜々としてニジマス釣りに熱中する多数の釣り人たち、フライマンやルアー引きの方々に向かって、この類の話をすることは本州でブラックバス釣りに熱中する方々にその影響を説くのと同じであろうか。北海道の釣り人は違うと信じたい。




 PS 本州と異なり、北海道では放流されたニジマスが野生化し、繁殖することが稀ではありません。これは今から7年前、2006-11-11の記録です。その後、放流ニジマスはこの水域にどんどん侵入し、野生化し、産卵をくりかえしニジマスの稚魚・幼魚も見られるようになりました。それにつれて数年後にはあれほどいたオショロコマは激減しました。2013年現在ではニジマスにほぼ占拠された水域となり、オショロコマは滅多にしかみることはできません。以前のオショロコマの楽園は消え、かろうじて生き残ったオショロコマは超源流域とでもいうべき水域に追いやられて超小型の個体群となり、かすかに命脈をつないでいます。この渓流はオショロコマが繁栄していた頃は、釣り人はほとんど見かけないところでした。しかし、こんなところにまで小型ニジマス狙いで入ってくる釣り人が増え、絶滅寸前のオショロコマがルアーのデカ針の犠牲になる形で混獲され、オショロコマ衰退に拍車をかけているのが現状とおもわれます。

私が 従来述べてきましたとおり、上流域のオショロコマ生息水域にニジマスが侵入する恐れがある場合はニジマス放流(幼魚、成魚、発眼卵埋没放流など)は控えてくださるようお願いいたします。ニジマスは釣り圧にとても弱いので、継続放流が止まればやがて消えてゆく可能性がまったくないわけではありません。






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