ソネット 8番

2016年10月09日 | 十四行詩






ソネット 8番




手、手、 と家内が言う ア、そうか、
夕日ヶ浦の海に落日が金色の道をつけた、
九月二十三日、午後六時前
そういうもんなのか そういうもんなのだろう

数年ぶりに手をつないで大きな夕日を見た
大海の落日を前にすると 
不思議にそれが あたりまえの気がした
ひとのいろいろは ひと色のいのち なのかもしれない

二人で旅行するのは三回目
放射能別居が解消されてから、はじめて、
丹後は 海から秋が来る

手、手、
四千年の、落日、わたしの感触、家内の感触、
消える、消える、   波の音







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