墨映画(BOKUEIGA)

映画を墨彩画とコメントで紹介する。
映画好き・絵好き・書道好きなどなど。好きなこと寄せ集めのブログ。

ヤング@ハート

2008-11-28 20:15:35 | 映画(や行)
「私が逝っても、歌いつづけてほしい。
虹の上から見守っているわ。」

映画中のアイリーンばあちゃんの言葉です。
逝ってしまったメンバー達が見守ってくれる。虹の上から。

久しぶりにドキュメンタリーを観た。
すごく心温まる、元気にしてくれる内容であった。
(いっぱい泣いた。)
じいちゃん・ばあちゃんが、こんなに元気で生き生きしている姿を見ると、「がんばらねば」という気分になる。

特に、どんな音楽が好きかと聴かれ、「クラシック」と答えていた方がいた。
では、なぜロック?当然疑問に思う。
「世間が狭くなるでしょ。いろんなことをしなくては」
なんと言う貪欲さ。
「この年になって、もう新しいことはちょっと…。」というのが普通ではないか。
少なくとも、私の親はそんな感じ。

平均年齢80歳。公演までに体調を崩し、亡くなる方もいる。
その死を、非常に前向きに捕らえ、そんな時だからこそ悲しみを押して歌う。
歌うことが、彼らへのレクイエム。
そして、悲しみを癒すことにつながる。

生きるってこんなにも壮絶なのだなー。

日本でも公演しないかな。やるなら、ぜひ観たい。
そう思わせてくれる映画だった。

とにもかくにも、命の重さと力強く生きる姿に心惹かれる映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

【STORY】
平均年齢80歳のロックンロール・コーラス隊「Young@Heart」。
1982年、アメリカ・マサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトンに誕生したコーラス・グルー「Young@Heart」は世界中を飛び回る。
コンサートまでの7ヶ月間を追ったドキュメンタリー作品。
その、1年に1回のコンサートに向けて、ソニック・ユース、ラモーンズ、ボブ・ディラン、トーキング・ヘッズの曲の練習を重ねていく。

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ハンサム★スーツ

2008-11-25 20:09:47 | 映画(は行)
「笑顔が一番」

「ハンサムスーツ」中心に、みんなの笑顔。
外観がどうであれ、人は笑顔が一番素適。
人間とハンサムスーツだけの特権である笑顔。他の生き物には真似できません。
笑顔は、自分も幸せ他人も幸せ。
そんな、素適な絵になればと思い描いた。

人間、外観が全てではない。
こんな、ありきたりというか、結果が見え見えのテーマというか。
残念ながら、ストーリーの展開は読めてしまった。
しかし、大変満足。
すごくベタな展開なのだが、それがかえって安心して物語にも入り込めるし、笑うところも十分に笑えた。

助演の佐田真由美がよかった。
もともとモデルさんだから、役柄的にはぴったり。
冷たい美女の役柄だか、ハンサム啄郎に誰もが素適なのは笑顔。といわれて、彼を認めてからどんどんと彼に惹かれてゆく様子を好演していた。
彼との仕事では、素適な笑顔を見せるし、とても魅力的。
物語の性質上、主人公にはハッピーエンドが来るが、彼女にとっては決してハッピーエンドではないのは、また当然。
なんだか、可愛いそう。

楽しく観て笑ってもらえればOK
ぜひ、観て下さい。

とにもかくにも、楽しんで。の映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

【STORY】
人気放送作家の鈴木おさむが脚本を手がけ、CM・PV出身の英勉が長編映画初監督を務めたコメディ。
心優しい啄郎。亡き母の店と味と値段を守るべく定食屋を営んでいる。しかし、彼はブセイク。これまでも何度となく振られている。そんな彼の店のアルバイト募集で寛子という女性が訪れる。
彼女は美人でその姿と彼女の働きぶりに心惹かれる。
そして勇気を出して告白するが、振られた挙句に店も辞められてしまう。
落ち込む琢郎。
そんな折、友人の結婚式に着るスーツを購入するため紳士服店を訪れた。
そこで、着るだけでハンサムになれるというスーツを手に入れる。
普段の琢郎をお笑いコンビ「ドランクドラゴン」の塚地武雄が演じ、ハンサムになった琢郎に谷原章介が扮する。

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ICHI

2008-11-21 19:17:58 | 映画(英・数)
ICHI

「人と心かよわせていたころの、やさしい心がー、
やさしい鈴の音がする」

綾瀬はるか、すごい。
「僕の彼女はサイボーグ」の時も思ったのだか、芝居上手だなー。
確か、「僕の彼女はサイボーグ」が公開中にか直後位に劇場でチラシを見かけた。
「女座頭市を演じるなら、きっと演技、期待できるなー。」と思っていた。

彼女が演じる「市」は暗いキャラ。
目が見えないことで、失っているものに心引かれて生きている。
そんな、前半の暗い気持ちから来る表情と、最後の多少前向きになった表情。この多少をすごく上手く演じている。
盲目の設定も、目で芝居できない分難しいのではないか。
特に、今回盲目だからといって、目を閉じていない。
彼女、本当にすごいわ。

ストーリーはそんなに複雑ではなく、安心して観られる。
だから、ぜひ綾瀬はるかの芝居を見て。

とにもかくにも、綾瀬はるかのすごさが光る映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。


【STORY】
勝新太郎の代表作で、北野武も自ら監督・主演した時代劇「座頭市」。
その主人公を女性に置き換え、綾瀬はるか主演。「ピンポン」の曽利文彦監督が映画化した。
他に共演で大沢たかお、中村獅童、窪塚洋介。
ある宿場町に流れ着いた盲目の三味線弾きの女・市は、一帯を荒らす野党集団・万鬼党に絡まれる。そこに旅の侍・十馬が通りかかり、彼は市を助けようとするも、なぜか刀を抜こうとしない。
市はやむなく、自らの仕込み刀で野党たちを一刀のもとに切り伏せる。

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イエスタデイズ

2008-11-17 18:11:45 | 映画(あ行)
「父と息子。似ているからこそ素直になれない。」

素直になれない父と息子。

似ているからこそ。いや、認めたくない。

なんだかライバル視している。
尊敬している。

同じ人を好きになる。

親父が元気なうちは、きっと反発しつづける。

自分の夢を反故にしても、彼の夢にかけることを選択する女性。
それがいやな彼。

見てください。素適な映画です。
上のキーワードが心に染みるはずです。

とにもかくにも、父と子の微妙な絆を描く映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

【STORY】
本多孝好のベストセラー短編集「FINE DAYS」の1編を映画化。
出演は塚本高史、國村隼ら。
余命わずかな父親から32年前の恋人探しを頼まれた聡史。彼に反発し、半家出状態で家を出た聡史にとって、なぜ自分に父が依頼するのかが理解できず戸惑う。
しかし、父親が当時画家を志していたことをしり、当時描いたスケッチブックを見て、父にこれまでの違う印象を受けた。
スケッチブックにかかれている肖像画や風景画を手がかりに彼女を探し始める。
かつて彼女が暮らしていたアパートのドアを開けると、そこには32年前の父親と彼女がいた。
聡史は、32年前にタイムスリップしていた。

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その土曜日、7時58分

2008-11-14 19:32:04 | 映画(さ行)
「最悪の誤算。親子の想い、兄弟の重い。家族のほころび広げる。」

父・兄・弟。
それぞれの関係を一発の銃弾が切裂いてしまう。
家族という一見深い絆で結ばれているかに見える。
近いがゆえに、お互いの粗も見えてしまい…。
銃弾に象徴される大きな誤算が暗がりへと引き込む。

フィリップ・シーモア・ホフマンの演技はすばらしい。
カポーティでも独創的な役を演じていた。
今回は一見したところやさしく思慮深い。しかし、表裏のあるキャラを見事に演じている。
イーサン・ホークもまた、そんな兄とは対称的で、情けない感じのキャラを好演。
自分では、何もできないが、兄の姿にあこがれ、いかにも自分もできるように思い込んでいる。

対照的ではあるが、どこにでもいそうな二人。
それがゆえに、彼らの中に自分を投影してしまう。
そんな二人が起こす犯罪。
ひとつ歯車が狂い泥沼の様相。
なんだか、リアルで、自分の周りでも起こらないとは限らない。
そんな気分にさせられた。
壊れてゆく家族に、寂しさを感じる。

とにもかくにも、ひとつの狂いが全てを狂わす。そんなサスペンス映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

【STORY】
「十二人の怒れる男」「狼たちの午後」の名匠シドニー・ルメットの監督45作目。
優雅な暮らしを送る不動産会計士のアンディ。娘の養育費に窮している弟ハンク。
一件、対照的な兄弟だが、共に金に困っていた。
両親が営む宝石店への強盗計画を持ちかけるアンディ。最初は渋る弟のハンクであったが、背に腹は替えられぬ2人は計画を実行に移す。
しかし、実行には大きな1つの誤算が生まれてしまう。それが元で、家族の抱える闇が、徐々に浮き彫りになっていくサスペンス・ドラマ。
「カポーティ」のフィリップ・シーモア・ホフマンが自らの不正の発覚に怯える兄を。
「ガタカ」のイーサン・ホークが甲斐性のない弱気な弟を熱演。

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リダクテッド/真実の価値

2008-11-12 21:30:41 | 映画(ら行)
「戦争はまだ続く。人の心をくるわせて。」

今なお続く戦争。エンドロール前に、衝撃的なスチルが何枚かスライドショーされる。
その中の写真で、心に留まった一枚がこんな感じであった。
そして、エンドロールは無音。エンドロールで立てない。
戦争のこと、メディアのこと、考えさせられる。
なぜ人間は戦争を続けるのか。
人の価値観や生活を狂わせ、関係ないも者も巻き込み。
いつになったら、戦争のない世界が訪れるのか。

「フィクションである。」テロップが冒頭に入る。
まるで、ドキュメンタリーを見ているかのような仕立て。
我々が、メディアなどから供給される情報は、本当に正しいのか。
何らかの意図により作られ、操作されたものではない、と本当に言えるのだろうか。

実は、絵の題材にしたスチルもまた創りあげられた物かも知れない。
そうなると、それに心惹かれ描いた私もまた、操作されたのかも。
なんだか、本当に恐ろしい。

人間は、決めたことを正当化するために何らかの理由をつける。
戦争をする理由。⇒イラクを独裁政権から開放する。
15歳の少女をレイプする理由。⇒イラクのために戦っているのだからいいではないか。
会社を辞める理由。⇒もっと自分にふさわしい仕事が他にある。
などなど…。

本当は単純に「これがしたい。」なのだが、何らかの理由付けをしたがるものである。
戦争をしていいはずがない。レイプもしていいはずがない。
理由付けること。人間の弱さの現れなのかも知れない。

とにもかくにも、情報のこと。戦争のこと。考えねばならない映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

【STORY】
カジュアリティーズ」でベトナム戦争での集団強姦殺人を描いたブライアン・デ・パルマ監督。
2006年にイラクで実際に起こった米兵による14歳少女のレイプ、及び彼女を含む家族4人を惨殺した事件を題材にした衝撃作。
ドキュメンタリータッチの斬新な映像で、戦争の残虐性と情報操作の闇に迫る。

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リダクテッド 真実の価値 - goo 映画

ベティの小さな秘密

2008-11-09 16:46:19 | 映画(は行)
「誰かのために。始めて守ってあげたいと思った。」

両親の不仲から孤独を感じる少女。
精神病院から抜け出してきた患者の少年。
処分を待つ犬。
お化け屋敷のような無人の豪邸を背景にキーの2人と1匹の小さな旅を描きたかった。

少女が、大人になる。
その、中途半端な心がゆえに、不安がいっぱい。
そんな心に芽生える、ほのかな恋。
彼女の心の動きと変化は、非常に良く描かれていた。
守りたい人のためなら、姉と一緒の時には怖かった無人のお屋敷も平気。
彼女は、きっと強い素適な女性に成長するでしょうね。

しかし、彼女の周りがどう変わったかの説明が、不足しているように感じた。
両親の不仲はどう解決したのか?
精神病院から抜け出している少年は、どうなってゆくのか?
お姉ちゃんは週末には帰省するはずが、一向に現れないし。
少々、説明不足の感。…残念。

精神病院の院長を務める父。
そこから抜け出す人。
比較的軽い症状のため、家事の手伝いをする患者。
あまり、なじみのない、精神病院に関係する人々の存在がファンタジックな雰囲気もかもし出している。

とにもかくにも、少女の成長が感じられる映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

【STORY】
監督は「デルフィーヌの場合」のジャン=ピエール・アメリス。原作はゴダールの元妻で女優のアンヌ・ビアゼムスキー。主演は「僕を葬る」で劇場デビューしたアルバ=ガイア・クラゲート・ベルージ。
フランスの田舎町に暮らす10歳のベティは、想像力豊かで動物好きな女の子。
両親の不仲に不安を抱いていた。
ある日、父親の働く精神病院から逃げ出してきた青年イヴォンに出会う。ベティはイヴォンを自転車小屋に匿い、必死に守ろうとするが。

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ブーリン家の姉妹

2008-11-07 20:07:11 | 映画(は行)
「栄枯盛衰の傍らで、陰になり、日向になり。」

女子は一族の高名のため、血縁を結ぶ。
そんな道具のような悲哀を、重なり合う姉妹で表現してみた。
陰になり、日向になる姉妹の悲哀を。

ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソン。
ハリウットを代表する二人の若手女優の競演が見ものです。
派手な役どころの姉を、ナタリーが本来持つ聡明さをしっかりと表現する。
地味であるが堅実でしっかりとした妹を、あまり地味に感じないスカーレットがきっちり演じきっています。
この時代の歴史認識は、深くないので非常に勉強になりました。
しかし、物語としてのまとまりもすばらしく、決して堅苦しくありません。

時代がそうであったから、仕方がないのかも知れないが、
男子は世継ぎ。女子は血縁を結ぶため。
そんなことに、巻き込まれる姉妹弟。なんだか可愛いそうな気がする。
一族の高名のため奔走する大人たち。
彼らも、また人生がそれしかなかったに違いない。

今の時代、いろいろと幅広く人生を選択できる。
自由の幅が非常に大きくなり、幸せな時代に生きている。
だからこそ、人生を楽しまなければいけないし、先人の積み重ねが、今の世の中なのだから、しっかり生きなければ。

とにもかくにも、姉妹の悲哀を描いた映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

【STORY】
フィリッパ・グレゴリーの同名ベストセラー小説を原作。脚本は「クィーン」のピーター・モーガン。
演じるは、ハリウッドの若手トップ女優ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソン。姉妹の愛と葛藤を描く。
16世紀イングランド。新興貴族のブーリン家は、世継ぎに恵まれない国王ヘンリー8世に長女アンを差し出す。
彼女が世継ぎの男児を産めば、一族は富と名声が得られる。
しかし、王が目をかけたのはアンの妹メアリーだった。
後に英国黄金時代を築くエリザベス1世の母となるアン・ブーリン。そして、その妹メアリーと、王の寵愛を巡る確執を描く歴史劇。

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イーグル・アイ

2008-11-04 21:04:30 | 映画(あ行)
「誰かが見ている。全てを見ている。従わされる。」

いつも、ネタばれにならないよう、意識して書いています。
これは分からないように書くと、書きたいことがかけないし、内容もわからなくなる。
しかし、ネタばれ読んじゃうと、映画が面白くなくなる。
ネタばれにならないようにを意識したので分かりにくいし、よくよく読むとネタばれてしまうかも、お気をつけて

一体、何が起こっているのだ。
そのTELの主は、一体誰。
全てを
見られている。果たして、その主は。
レンズを通した。世界を描いてみた。

のっけから、ぐいぐいと引き込まれてしまった。
TELの相手が誰だかがわかった時点で、それ以上のサスペンス的展開は進まなかった印象。
従って、後半はアクションを楽しんでもらえばOKかな。

マリアは、なんだか「2001年宇宙の旅」のHAL9000みたい。
偉大な映画だけに、見る人の心に残っている可能性が高い。
コンピューターの冷たい印象を与えるため、雰囲気をあえて近くしてあるのではないかな。
巻き込まれてゆく、二人の事情。
なぜ、この二人が選ばれているのかも次第に明らかになってゆく。

見ごたえ十分。しっかり、楽しめる。

とにもかくにも、なぞ解きとアクションの大作映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

【STORY】
スティーブン・スピルバーグ製作総指揮の下、「ディスタービア」のD・J・カルーソ監督と主演シャイア・ラブーフが再タッグを組んだサスペンス・アクション大作。
コピーショップで働く青年ジェリー。親の進める大学も休学状態。復学を求める意見も無視し、自分探しの人生を送っている。
一方、法律事務所に勤めるレイチェルは最愛の息子と暮らすシングルマザー。
そんなの元、なぞの女アリアから突然電話が入る。
次々と下される指令に困惑する。しかし、訳もわからないまま従うハメになって行く。
ジェリーとレイチェルは彼女の指令の元、やがて引き合わされ行動を共にするように。
そんな彼らをFBIが執拗に追いつめる。
電話の主は?二人の運命は?

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