Sep.19
Bali 4th Day 【Part 2】
リゾートホッピング
グリーンの海草がキラキラと輝く、生命力に溢れた透明な海でシュノーケリング。
あまり評判を聞かないバリの海。まったく期待はしていなかったのだけれど、
グロテスクな模様の巨大ヒトデや、ヒラヒラと胸ビレを躍らせながら、ふくれっ面で
こちらを睨みつけてくるフグとのご対面など、思わぬ発見が、想像以上にワタクシ
の目を楽しませてくれた。うたた寝をしたり、本を読んだり、のんびりしている間に
太陽の位置が随分と移動している。気がつけば4時間もの時間が経過していた。
ビーチを後にしたワタクシたちは、オットの提案で急遽、リゾートホッピングに
繰り出すことに。ヌサドゥア地区は、インドネシア政府の指導のもと、リゾート
開発が進められた高級リゾートエリアである。立ち並ぶリゾートの中から、
グランドハイアットと、コンラッドホテルに車を回してもらう。
どちらのリゾートもショールームをお願いすると快く応対してくれた。
アマヌサと比較すると、グランドハイアットもコンラッドホテルも立ち行く
ゲストの多さや、リゾート全体の規模の大きさにくらくらと眩暈がする。
建物が作り出す影、目も覚めるような青空、可憐な花々の姿形を誇る蓮池。
様々な原色が散りばめられた庭園は、楽園と聞いて想起するイメージ
そのままの世界を眼前に映し出す。壮大なエントランスの風景に圧倒された
グランドハイアット。迷子になりそうに広大な敷地の中には、ショッピングモール
並のリゾートショップまで立ち並んでいた。
「満室に近い状態なのでご案内できるお部屋は1つしかないの。」なかなかの
盛況ぶりを見せていたコンラッドホテル。新しいリゾートだけに活気に溢れ、
各国から訪れるゲストがホットな雰囲気を醸し出している。コンラッドと言えば、
その国ごとに異なるというターンダウンギフトのコンラッドベアが有名だが、
こちらのギフトはコンラッドベアならぬコンラッドモンキー。ベッドサイドに
ちょこんと腰掛けた愛嬌たっぷりのお猿さんを見て「クマじゃないのね ? 」
笑っていたワタクシに「だってバリにはお猿さんがたくさんいるでしょ ?! 」
案内してくれた女性スタッフが笑顔で応じてくれた。
フレンドリーなスタッフにお礼を言い、プール越しの海を眺めながら、
テラスでお茶を楽しんだ後、再び、アマヌサカーへと乗り込んだ。
ワタクシ達のお散歩にお付き合いしてくれていたドライバーさんより
「いかがでしたか ? どちらもとても大きなリゾートでしょ ?! 」感想を求められる。
「そうだね。ゲストの数もすごかったよ。妻が人の多さに疲れちゃって、早く
アマヌサに帰りたいって言うから切り上げたんだ。」オットがそう話すと、
ドライバーさんは、嬉しそうに「そうですか ! もし、こちらのリゾートにお泊まり
になられたら、きっと 『 ホテルに泊まっているな 』 そう感じることでしょう。
でも、アマヌサは違います。規模が小さい分、アマヌサにお泊り頂いた方は、
まるで、ご自宅にいるような感覚で寛いでいただくことができるのです。
ご自宅にいて不便だなと感じる事は、ないでしょう ? 私たちスタッフは、
皆さんが滞在中、不便な思いをせず、心からリラックスして頂けるよう、
何でもお手伝いをさせて頂きます ! 何だって遠慮せずにお申し付け下さいね !! 」
プライドに溢れた素敵なコメントが返ってきた。自宅よりはずっとずっと
遥かに贅沢なリゾートライフだけれど、その、おもてなしの心意気はとても
嬉しく心に響いた。
その後も after bombing 以来、バリが苦悩している現在のツーリズムの様子など、
リゾートへの道すがら色々と語って聞かせてくれた。以前は9月もトップシーズン
だったのにテロ後は、未だに最盛期の30%程度の回復率しか見せていないと言う。
「バリの人たちは、信仰深くてとてもいい人たちばかりです。それなのに、
他の島からやってきたテロリストたちがあんなにヒドイことをするのです。」
悔しそうに話してくれた。「そうよね。私が出会ったバリの人たちはとても優しい。
他の島から来た人たちなのね ?! でも、私はアマンジオにもいつか行ってみたい
と思っているけれど・・・。」ワタクシがそう話すと、「ジョグジャカルタの人たちは
私たちにとてもよく似ています ! 彼等も敬虔な仏教徒ですから、とてもいい人
たちばかりです ! 是非、安心してお出かけください。」彼の顔が嬉しそうに輝いた。
暖かいバリの人々には、やはり笑顔の方がよく似合う。
部屋に帰ると「亀に代わってお礼申し上げます。」そんな、メッセージが添えられた
可愛らしい亀のピンバッチが収められた小箱が枕元に並んで置かれていた。
タートルリリース・プログラムへの参加のお礼にと、リゾートから届けられたものだ。
彼等は無事に自分たちの海へと帰還することができたのであろうか ?
必死になって砂をかき、海へと急ぐ彼等の姿が再び頭をよぎる。
バリの海が少しでも早く、彼らが再び安心して暮らせる場所に戻ることを祈りつつ、
乙姫様からの玉手箱ならぬ、リゾートから贈られたピンバッチの小箱を大切に
スーツケースへとしまいこんだ。
フワフワとリゾートライフを楽しんだ、わずか6日間のバリ旅行だったけれど、
この日ばかりは、現在のバリが直面している様々な問題に、そして
その問題に正面から立ち向かっている人々の思いに、ほんの少しだけれど、
触れることができた様な気がした。
Bali 4th Day 【Part 2】
リゾートホッピング
グリーンの海草がキラキラと輝く、生命力に溢れた透明な海でシュノーケリング。
あまり評判を聞かないバリの海。まったく期待はしていなかったのだけれど、
グロテスクな模様の巨大ヒトデや、ヒラヒラと胸ビレを躍らせながら、ふくれっ面で
こちらを睨みつけてくるフグとのご対面など、思わぬ発見が、想像以上にワタクシ
の目を楽しませてくれた。うたた寝をしたり、本を読んだり、のんびりしている間に
太陽の位置が随分と移動している。気がつけば4時間もの時間が経過していた。
ビーチを後にしたワタクシたちは、オットの提案で急遽、リゾートホッピングに
繰り出すことに。ヌサドゥア地区は、インドネシア政府の指導のもと、リゾート
開発が進められた高級リゾートエリアである。立ち並ぶリゾートの中から、
グランドハイアットと、コンラッドホテルに車を回してもらう。
どちらのリゾートもショールームをお願いすると快く応対してくれた。
アマヌサと比較すると、グランドハイアットもコンラッドホテルも立ち行く
ゲストの多さや、リゾート全体の規模の大きさにくらくらと眩暈がする。
建物が作り出す影、目も覚めるような青空、可憐な花々の姿形を誇る蓮池。
様々な原色が散りばめられた庭園は、楽園と聞いて想起するイメージ
そのままの世界を眼前に映し出す。壮大なエントランスの風景に圧倒された
グランドハイアット。迷子になりそうに広大な敷地の中には、ショッピングモール
並のリゾートショップまで立ち並んでいた。
「満室に近い状態なのでご案内できるお部屋は1つしかないの。」なかなかの
盛況ぶりを見せていたコンラッドホテル。新しいリゾートだけに活気に溢れ、
各国から訪れるゲストがホットな雰囲気を醸し出している。コンラッドと言えば、
その国ごとに異なるというターンダウンギフトのコンラッドベアが有名だが、
こちらのギフトはコンラッドベアならぬコンラッドモンキー。ベッドサイドに
ちょこんと腰掛けた愛嬌たっぷりのお猿さんを見て「クマじゃないのね ? 」
笑っていたワタクシに「だってバリにはお猿さんがたくさんいるでしょ ?! 」
案内してくれた女性スタッフが笑顔で応じてくれた。
フレンドリーなスタッフにお礼を言い、プール越しの海を眺めながら、
テラスでお茶を楽しんだ後、再び、アマヌサカーへと乗り込んだ。
ワタクシ達のお散歩にお付き合いしてくれていたドライバーさんより
「いかがでしたか ? どちらもとても大きなリゾートでしょ ?! 」感想を求められる。
「そうだね。ゲストの数もすごかったよ。妻が人の多さに疲れちゃって、早く
アマヌサに帰りたいって言うから切り上げたんだ。」オットがそう話すと、
ドライバーさんは、嬉しそうに「そうですか ! もし、こちらのリゾートにお泊まり
になられたら、きっと 『 ホテルに泊まっているな 』 そう感じることでしょう。
でも、アマヌサは違います。規模が小さい分、アマヌサにお泊り頂いた方は、
まるで、ご自宅にいるような感覚で寛いでいただくことができるのです。
ご自宅にいて不便だなと感じる事は、ないでしょう ? 私たちスタッフは、
皆さんが滞在中、不便な思いをせず、心からリラックスして頂けるよう、
何でもお手伝いをさせて頂きます ! 何だって遠慮せずにお申し付け下さいね !! 」
プライドに溢れた素敵なコメントが返ってきた。自宅よりはずっとずっと
遥かに贅沢なリゾートライフだけれど、その、おもてなしの心意気はとても
嬉しく心に響いた。
その後も after bombing 以来、バリが苦悩している現在のツーリズムの様子など、
リゾートへの道すがら色々と語って聞かせてくれた。以前は9月もトップシーズン
だったのにテロ後は、未だに最盛期の30%程度の回復率しか見せていないと言う。
「バリの人たちは、信仰深くてとてもいい人たちばかりです。それなのに、
他の島からやってきたテロリストたちがあんなにヒドイことをするのです。」
悔しそうに話してくれた。「そうよね。私が出会ったバリの人たちはとても優しい。
他の島から来た人たちなのね ?! でも、私はアマンジオにもいつか行ってみたい
と思っているけれど・・・。」ワタクシがそう話すと、「ジョグジャカルタの人たちは
私たちにとてもよく似ています ! 彼等も敬虔な仏教徒ですから、とてもいい人
たちばかりです ! 是非、安心してお出かけください。」彼の顔が嬉しそうに輝いた。
暖かいバリの人々には、やはり笑顔の方がよく似合う。
部屋に帰ると「亀に代わってお礼申し上げます。」そんな、メッセージが添えられた
可愛らしい亀のピンバッチが収められた小箱が枕元に並んで置かれていた。
タートルリリース・プログラムへの参加のお礼にと、リゾートから届けられたものだ。
彼等は無事に自分たちの海へと帰還することができたのであろうか ?
必死になって砂をかき、海へと急ぐ彼等の姿が再び頭をよぎる。
バリの海が少しでも早く、彼らが再び安心して暮らせる場所に戻ることを祈りつつ、
乙姫様からの玉手箱ならぬ、リゾートから贈られたピンバッチの小箱を大切に
スーツケースへとしまいこんだ。
フワフワとリゾートライフを楽しんだ、わずか6日間のバリ旅行だったけれど、
この日ばかりは、現在のバリが直面している様々な問題に、そして
その問題に正面から立ち向かっている人々の思いに、ほんの少しだけれど、
触れることができた様な気がした。