こすた みあ Diary

旅の思い出、日々の記憶・・・

Resort Hopping

2006-10-31 | Indonesia
Sep.19
Bali 4th Day 【Part 2】

リゾートホッピング

グリーンの海草がキラキラと輝く、生命力に溢れた透明な海でシュノーケリング。
あまり評判を聞かないバリの海。まったく期待はしていなかったのだけれど、
グロテスクな模様の巨大ヒトデや、ヒラヒラと胸ビレを躍らせながら、ふくれっ面で
こちらを睨みつけてくるフグとのご対面など、思わぬ発見が、想像以上にワタクシ
の目を楽しませてくれた。うたた寝をしたり、本を読んだり、のんびりしている間に
太陽の位置が随分と移動している。気がつけば4時間もの時間が経過していた。



ビーチを後にしたワタクシたちは、オットの提案で急遽、リゾートホッピングに
繰り出すことに。ヌサドゥア地区は、インドネシア政府の指導のもと、リゾート
開発が進められた高級リゾートエリアである。立ち並ぶリゾートの中から、
グランドハイアットと、コンラッドホテルに車を回してもらう。

どちらのリゾートもショールームをお願いすると快く応対してくれた。
アマヌサと比較すると、グランドハイアットもコンラッドホテルも立ち行く
ゲストの多さや、リゾート全体の規模の大きさにくらくらと眩暈がする。

建物が作り出す影、目も覚めるような青空、可憐な花々の姿形を誇る蓮池。
様々な原色が散りばめられた庭園は、楽園と聞いて想起するイメージ
そのままの世界を眼前に映し出す。壮大なエントランスの風景に圧倒された
グランドハイアット。迷子になりそうに広大な敷地の中には、ショッピングモール
並のリゾートショップまで立ち並んでいた。

「満室に近い状態なのでご案内できるお部屋は1つしかないの。」なかなかの
盛況ぶりを見せていたコンラッドホテル。新しいリゾートだけに活気に溢れ、
各国から訪れるゲストがホットな雰囲気を醸し出している。コンラッドと言えば、
その国ごとに異なるというターンダウンギフトのコンラッドベアが有名だが、
こちらのギフトはコンラッドベアならぬコンラッドモンキー。ベッドサイドに
ちょこんと腰掛けた愛嬌たっぷりのお猿さんを見て「クマじゃないのね ? 」
笑っていたワタクシに「だってバリにはお猿さんがたくさんいるでしょ ?! 」
案内してくれた女性スタッフが笑顔で応じてくれた。



フレンドリーなスタッフにお礼を言い、プール越しの海を眺めながら、
テラスでお茶を楽しんだ後、再び、アマヌサカーへと乗り込んだ。

ワタクシ達のお散歩にお付き合いしてくれていたドライバーさんより
「いかがでしたか ? どちらもとても大きなリゾートでしょ ?! 」感想を求められる。
「そうだね。ゲストの数もすごかったよ。妻が人の多さに疲れちゃって、早く
アマヌサに帰りたいって言うから切り上げたんだ。」オットがそう話すと、
ドライバーさんは、嬉しそうに「そうですか ! もし、こちらのリゾートにお泊まり
になられたら、きっと 『 ホテルに泊まっているな 』 そう感じることでしょう。
でも、アマヌサは違います。規模が小さい分、アマヌサにお泊り頂いた方は、
まるで、ご自宅にいるような感覚で寛いでいただくことができるのです。
ご自宅にいて不便だなと感じる事は、ないでしょう ? 私たちスタッフは、
皆さんが滞在中、不便な思いをせず、心からリラックスして頂けるよう、
何でもお手伝いをさせて頂きます ! 何だって遠慮せずにお申し付け下さいね !! 」
プライドに溢れた素敵なコメントが返ってきた。自宅よりはずっとずっと
遥かに贅沢なリゾートライフだけれど、その、おもてなしの心意気はとても
嬉しく心に響いた。

その後も after bombing 以来、バリが苦悩している現在のツーリズムの様子など、
リゾートへの道すがら色々と語って聞かせてくれた。以前は9月もトップシーズン
だったのにテロ後は、未だに最盛期の30%程度の回復率しか見せていないと言う。
「バリの人たちは、信仰深くてとてもいい人たちばかりです。それなのに、
他の島からやってきたテロリストたちがあんなにヒドイことをするのです。」
悔しそうに話してくれた。「そうよね。私が出会ったバリの人たちはとても優しい。
他の島から来た人たちなのね ?! でも、私はアマンジオにもいつか行ってみたい
と思っているけれど・・・。」ワタクシがそう話すと、「ジョグジャカルタの人たちは
私たちにとてもよく似ています ! 彼等も敬虔な仏教徒ですから、とてもいい人
たちばかりです ! 是非、安心してお出かけください。」彼の顔が嬉しそうに輝いた。
暖かいバリの人々には、やはり笑顔の方がよく似合う。



部屋に帰ると「亀に代わってお礼申し上げます。」そんな、メッセージが添えられた
可愛らしい亀のピンバッチが収められた小箱が枕元に並んで置かれていた。
タートルリリース・プログラムへの参加のお礼にと、リゾートから届けられたものだ。
彼等は無事に自分たちの海へと帰還することができたのであろうか ?
必死になって砂をかき、海へと急ぐ彼等の姿が再び頭をよぎる。
バリの海が少しでも早く、彼らが再び安心して暮らせる場所に戻ることを祈りつつ、
乙姫様からの玉手箱ならぬ、リゾートから贈られたピンバッチの小箱を大切に
スーツケースへとしまいこんだ。

フワフワとリゾートライフを楽しんだ、わずか6日間のバリ旅行だったけれど、
この日ばかりは、現在のバリが直面している様々な問題に、そして
その問題に正面から立ち向かっている人々の思いに、ほんの少しだけれど、
触れることができた様な気がした。

Turtle Release

2006-10-25 | Indonesia
Sep.19
Bali 4th Day 【Part 1】

タートルリリース

いつものことながら、朝寝坊をして、ゆっくりと活動を開始したワタクシたち。
光を受けたバレに出ると、青空に映えるブーゲンビリアに、清清しく響き渡る
小鳥たちのさえずり。遠くに臨むヌサドゥアの海も蒼く濃く輝いてみえる。
アマヌサ - 平和の島 - という言葉の意味を五感でフルに感じながら、
爽やかにそよぐ風に身を任せて大きく1つ深呼吸。



身支度を整え、朝食へ。エントランスを通るとすれ違うスタッフから次々と
「おはようございます。ご機嫌はいかがですか ? 」と、気持ちよく声をかけられる。



光に溢れたザ・テラスにて、ヌサドゥア地区に広がるゴルフコースと、ブノア半島の
海岸線を眼下に臨みながら、のんびりと遅めの朝食を頂く。待ち合わせの時間に
エントランスを訪れると、ビーチクラブに向かう為のジープが既に用意されていた。
「さぁ、これからビーチクラブでタートルリリースですね ?! 」レセプションのスタッフは
ワタクシたちのスケジュールをきちんと把握していて、車へと案内してくれる。
太陽の光を受けてキラキラと輝くホワイトサンドビーチへ。



「ヴァレNo.6をご用意しておきましたよ。」案内されるとなぜかワタクシたちの
ヴァレだけベッドサイドにダイニングセットが付いている。さては、昨日の暴食ぶりが
既に話題になっているのか ?! 「あそこのカップルはデイベッド用のテーブルでは、
絶対にプレートを並べきれないからダイニング付きのヴァレだな・・・」って ?!
徹底したゲスト管理体制を誇るアマンリゾーツ。あながち、ありえない話でも
ないので怖かったりもする。きっと、スタッフルームには「大喰らい」と注意書き
がされたワタクシたちの写真が貼られているに違いない・・・ (妄想) 



「さぁ、タートルリリースの準備が整いました。」スタッフに促され、波打ち際へ。
現在、バリでは何百頭ものウミガメが違法に捕獲され、ブラックマーケットで
取引されているという。タートルリリースとは、この違法に取引されているウミガメを、
ゲストの寄付金によって買い戻し、再び海に還すという、アマヌサがサポートして
いるウミガメ保護プロジェクトの一環である。果たして、この方法が、本当にウミガメ
の保護に適しているのかどうか、意見は分かれるところではあるだろう。
それでも、ハワイ島のビーチで野生のウミガメさんと一緒に泳いで以来のウミガメ
ファンのワタクシたち。少しでもウミガメ救出に繋がる可能性があるのなら・・・。
傍観するよりもとりあえず、参加表明をすることに決めたのだ。



ズシリと重量級のウミガメを「もう捕まっちゃ駄目だよ」と祈りをこめて、ビーチに
放す。心なしか涙に濡れて見える彼等の瞳に、懐かしい波打ち際が映ったので
あろうか ? 呼吸を整え、えっちらおっちらと砂をかきわけ一路、海を目指し始めた。
あと、もう一息 !! 頑張れ頑張れ !! 一生懸命励ますものの、弱っていた方の
ウミガメは、途中で何度も気力がつきそうになってしまう。喘ぐような仕草に
見かねたスタッフがもう1度、波打ち際までそっと押し出した。" Back to Japan !! "
スタッフと一緒に " 龍宮城に帰れよ~ !! " と声をかけながら2匹のウミガメを
海へと送り出した。



せっかく、テーブル付きのヴァレに案内してもらったし・・・と、ビーチクラブで
ランチを取ることに。ワタクシは、ミーゴレン、オットはバーガーをチョイス。
期待に応えなくちゃいけないから、もう1皿いっとかなくちゃね ?!
シーザーサラダもオーダーしてテーブルいっぱいに並べてご満悦

「食後にいかがですか ? 」とサービスされたストロベリーアイスクリームを
頂いていると、どこからともなく1匹のバリ犬が登場した。スタスタと茂みから
現れたバリ犬は1度だけこちらをチラリと振り返ると、特に何をおねだりする
わけでもなく、また、とぼとぼとビーチを歩き去って行った。
どうしてバリの犬ってみんな「トホホ」っていうお顔してるのかしらね ?! 笑




Meeting with Chef

2006-10-22 | Indonesia
Sep.18
Bali 3rd Day 【Part 4】

エグゼクティブ・シェフ Craig 氏登場



たっぷりのウェルカムドリンクで喉を潤していると、今度は電話のコールが鳴る。
「明日のプライベートディナーですが、シェフとの打合せは何時頃に致しましょうか ? 」
アマヌサでの主なダイニングアクティビティには、以下のものが上げられる。

*メインプールディナー*
メインプールにキャンドルライトを灯して1組限定のテーブルをセッティング。

*ロマンティックディナー*
滞在しているプールスイートにプライベートダイニングをセッティング。

*プライベートビーチバーベキュー*
プライベートビーチにキャンドルライト、トーチをセッティングし、
月明かりと波音をBGMに1組限定で行われるスペシャルバーベキューディナー。


いずれのスペシャルディナーも、事前にシェフと直接メニューを相談して決める
という徹底したカスタマイズぶり。

この中から、ワタクシたちは、2日目にロマンティックプールディナーのリクエストを
入れていたのだ。「う~ん。特に打ち合わせるほどのことはないのだけど・・・。
サンプルになるメニューがあったら見せてくれる ? その中から選ぶから。」
電話でそんなやり取りをした後、ふらりとリゾート見学に繰り出した。
エントランスを通りかかると初めて出会うローカルスタッフが私たちに歩み寄り
「 Mr .○○、始めまして。ただ今、ディナーの件でお電話をした○○と申します。」
そう、声をかけられた。初めてお会いするはずなのに、なぜワタクシたちだって
解ったのかしら ? 「さては、オヌシ、忍の者か ?! 」
噂のアマンマジックの始まりである。笑

案内されたチェアに座り、サンプルがわりにメインレストランのメニューを見せて
頂きながら作戦を練ることに。「う~ん、今日は今からザ・テラスでお食事だし、
最終日はザ・レストランでお食事するでしょ ? 同じ物が続くのはつまらないよね ?! 」
オットと相談していると、今度はどこからともなく、突如、エグゼクティブ・シェフ氏
が登場する。「始めまして。」まずは握手でご挨拶。なかなかのグッドルッキングだ
( 料理の腕前には関係ない ?! ) つい、さっきまで「相談することは特別にないから・・・」
そう言っていたワタクシタチ。シェフ氏が登場した途端に「う~ん。フレンチが
食べたい !! 」イタリアン専門というエグゼクティブシェフに無理な相談を開始した。
ところが・・・彼の返答は間髪入れずに " Sure ! "

「何か特別にお召し上がりになりたいものはありますか ? 」
「う~ん。ブイヤベースとか。」そうリクエストをしたところ、
「かしこまりました。では冷たい前菜の後に温野菜とブイヤベースで。
そうですね・・・あとはサプライズにしましょうか ? 」

雰囲気から察するに、すぐにはメニューの組み立てができなかったように
見受けられなくもなかったが ( 笑 ) 、そこを「サプライズにしましょう ! 」
と持ってくる辺り、さすが、イケメンシェフである ! ( だから容姿は関係ない ?! )
こうして、ワタクシたちは「かっこ良かったね~。」と違うことに感動しながら
再び握手をしてエグゼクティブシェフに別れを告げた。



キャンドルライトに照らし出され、幻想的な姿を見せるメインプール。
今宵、このたった1つのテーブルで、ロマンティックなディナータイムを
楽しむゲストがいるのだろう。



ワタクシたちは、ローカル&タイフードを得意とするザ・テラスでディナーを
頂くことに。オープンエアーのザ・テラスは、心地よい夜風が吹き抜ける。
メニューの中に食べ逃しているアヒルを発見したオットは狂喜乱舞 !
メインに、アヒルをバナナの葉に包んで蒸し焼きにした、ベベッ・ベトゥトゥ、
その他にも勧められるがままに1人1品ずつ、スターターに、スープに、メイン、
サイドディッシュまでオーダーしたところ、さすがのワタクシ達もキブアップ。
コーヒーはお部屋で・・・と言い残し、よろよろと席を後にした

ほどなくして、スタッフがコーヒーを運んできてくれた。
通常、ホテルでのルームサービスをオーダーすると、ポットコーヒーとカップを
運び入れてくれた後はサインをして「さようなら」というケースが多い。しかし、
ここアマヌサでは、ワタクシたちがへたばっていたリビングテーブルまで、
カップにコーヒーを注いで、プチフールとともにサーブをしてくれる。
更に、ワタクシたちが見ていた TV まで一緒に見入ってくださる ?!
TV に見入ること数分・・・。これもサービス ?! 頭に疑問符を浮かべていると、
スタッフがおもむろに口を開いた。
「この試合は、昨日の試合ですね。この後、マンチェスターが・・・」
ご丁寧に結果まで教えてくださった・・・

そう。ただ単に運んできてくれた彼はフットボールファンだったらしい。
ただ単にTVを見たかったということらしい。笑

 
 ワタクシ 「どこのリーグが好きなの ? 」
 スタッフ 「プレミアです。」
 ワタクシ 「そう。私たちはリーガが好きなの。バルサファン。
 貴方はどこのチームの応援をしているの ? 」
 スタッフは聞こえなかったのか、ニコニコしながら無言で
 カップにコーヒーを注ぎ足したりしている。
 ワタクシ 「どこのサポーターなの ?! 」
 スタッフ 「・・・。チェルシーです。」



気まずい沈黙・・・お互い爆笑。
そう。チェルシーとバルサは現在、欧州フットボール界における宿命のビッグライバル。
「いや~ヤレヤレ」スタッフとゲストという関係性を越え、1クラブを代表するファンとして
お互い気持ちよく笑いあった後、彼は、再びスタッフらしく、胸の前で合掌をし、
お辞儀をすると部屋を後にした。フットボールは国境を越えるとはよく言うが、
置かれている関係性さえも時として軽やかに超越する。

スポーツってやっぱり素敵だ。彼の淹れてくれたあつあつのコーヒーが
なんだかとても美味しく感じられた。


Toward Paradise

2006-10-19 | Indonesia
Sep.18
Bali 3rd Day 【Part 3】

Toward Paradise
アマヌサへ

さぁ ! いよいよ ! いざ ! 本当に ! 今度こそ !! アマンリゾーツへ !!!
珍道中のせいで既にハイテンション状態なワタクシ達。マシンガントークに、
付け入る隙がなかったせいか、はたまた「大したことない」忘れ物事件のせいで
ドライバーさんも、すっかり腰砕けになってしまっていたせいか、覚悟していた
「 お土産物屋さんに寄りませんか ?! 」攻撃にあうこともなく、車はスルリと
Amanusa
の敷地内へ。エントランスに乗り付けると、日本からの問合せに、
いつも丁寧に対応してくれていたゲストリレーションズの Shige さんが満面の
笑顔でお出迎えをしてくれた。和やかな笑顔で握手を求めてきたGMにも
Shige さんからご紹介をして頂く。

事前に申し込んでおいたエクスカーションなど、滞在中のスケジュールを
簡単に確認した後は、ローカルスタッフに案内され、お部屋でのチェックイン。
オットが手続きをすませている間も、ワタクシは、お部屋の中を探検開始。




高い天井、磨き上げられた床、天蓋つきのベッド、FS同様、アマヌサの
お部屋にもたっぷりとチューベローズが活けられ、芳しい香りを放っている。
ふんだんにセットされたリネン類からもアロマの香りがふんわりと漂ってくる。
ヴィラのエントランスには、ストレリチアが活けられたおおぶりなベース、
和傘にも通じるデザインの可愛らしい雨傘、木彫りでできたDon't Disturbのサイン。
お部屋のプール越しには、遠くヒルトンリゾートにヌサドゥアの輝く海まで見渡せる。
そして何よりも素敵だったのが、出窓に設けられた埋めこみ式のバスルーム。
トイレの写真まで撮りたくなってしまったのは、ワタクシ、これが始めてです。



ちなみに滞在中にこのガラス張りのトイレでぼけーっとグリーンを眺めていると、
塀づたいに外を走ってきたリスと目があい、お互いドッキリなんていう一幕も



喜んでいるワタクシを見て、案内してくれたローカルスタッフが嬉しそうに
「Shigeさんがこのお部屋がいいって選びました。」そう伝えてくれた。
スタッフ同士のファミリー的な温かい絆も感じられて、なんだかワタクシの
心までほんわかと温まった。


Tegallalang

2006-10-16 | Indonesia
Sep.18
Bali 3rd Day 【Part 2】

テガララン
珍道中 ふたたび


アマヌサカーで向かった先は、テガラランにあるテラス・パディ・カフェ。
ライステラスの絶景を、のんびりと眺めながら軽食を取るのに最高だという
レストラン。ライステラスにせり出すように設けられたバレに座り、オットは
ウダンゴレン( さっき朝食、食べたばっかりじゃないのか ?! )ワタクシは、
バナナクレープにアイスジンジャーティーを注文。



風に吹かれてサワサワと揺れるライステラス、鳥避けの風車がカタカタと回る音。
そんな音色に包まれながら、のんびりとカフェタイムを楽しんだ。



さぁ、支払を済ませていよいよアマヌサへと向かいましょう !
意気揚々と立ち上がったその時、事件は起きた。
オットが突然「ルピア、渡したよな ?! 」と言い出したのである。
「え ?! 私は日本円とドルしか持ってないけど・・・ ?! 」青ざめるオット。
「やっちゃった・・・。セーフティーボックスに入れっぱなしだよ。」

幸いテガラランは、ウブドより更に北上した位置にある。
ヌサドゥアへはウブドを通過して南下することになるのだ。
「それは大変。とりあえず精算して戻らないと ! 」
日本語を話すシャイな笑顔のスタッフに慌てて精算をお願いする。

「カード大丈夫 ?! 」
「カードはやってません。」
「ドルは大丈夫 ?! 」
「ドルも駄目なんです。」
「私たち、ルピアをホテルに置いてきちやったの。どうすればいい ?! 」
思案した兄さんは「日本円は持ってますか ? 」と聞いてくる。
「うん。日本円ならある。」
「あ、日本円やってます。」

ドルは駄目なのに日本円 OK ?! 助かったと思いながらも、一体、どういう
レストランなのかしら ? と疑問符がいっぱい。後で友人に聞いた話によると、
お店のオーナーの奥様は日本人だとか ?! (真相は不明です。)

兄さんは、電卓を取り出し、一生懸命レートを計算しはじめた。
カチャカチャカチャ・・・沈黙・・・やり直し。
カチャカチャカチャ・・・・。困惑した顔でワタクシを見上げる兄さん。
「じゅ、じゅ、じゅ・・・じゅえん ?! 」
兄さん、どうやら十円の価値は解っているようである。
見上げられたワタクシも
「じゅ、じゅえん ?! それはさすがに違うと思うからもう1回計算してみて。」
「そ、そうですよね ?! 」カチャカチャカチャ・・・。
「はぁ~。870円です。びっくりした~。」( 兄さん安堵の溜息。)
それでもなんだか安いような気もするが、十円よりは納得が行く。
お釣りはいらないからねと言い含めて1000円札を手渡した。
( また間違えて700円とか返してきそうだし。笑 )

そんな事が起こっているとは露とも知らないアマンカーのドライバーさんは、
「素敵なランチタイムになりましたか ? 」笑顔で車のドアを開けてくれる。
「うん。素晴らしかったよ。ところで少し忘れ物をしちゃったからフォーシーズンズ
に寄ってくれるかな ? 」あくまでも平静を装うかっこつけマンなオット

「はい。かしこまりました。」
「電話持ってたら貸してくれる ? 」
「はい。勿論です。何か大切な忘れ物ですか ? 」
「いや、大したものではないんだ・・・。」

そう言いながらフォーシーズンズに電話をかけだしたオット。
ドライバーさんが運転しながら凍りつくのがこちらにも伝わってきた。
だって電話を借りたオットはこんな話をしていたのだから・・・。
「セーフティーボックスの中に、航空券とパスポートと、現金入れっぱなし
だから、今から取りに戻る」と。・・・オイ

たぶん「どれぐらいでお戻りになりますか ? 」とか聞かれていたのだろう。
どこにいるのか解らないオットが説明に困っているとドライバーさんは静かに
「お電話を変わりましょう。ワタクシが全て説明致します。」と電話を受取り
インドネシア語で説明をしはじめた。「だから、今はテガラランにいて、
パスポートと、航空券と、現金と・・・。」
しっかり全部聞かれていた。どこが " small thing " だよ  



こうして再び、丁寧に胸の前で合掌されながらフォーシーズンズのスタッフ達に
暖かく迎え入れられワタクシタチでありました

( 今回の日記は写真が少ないので、FSのイメージ画像をお楽しみください・・・。 )
① リゾート内あちらこちらにさりげなく飾られてる調度品の1つから " Buddha "
② Lily Pond 夕景 ③ 男性用更衣室のマーク ( 可愛らしくて思わずシャッター。笑 )



God Bless Me

2006-10-12 | Indonesia
Sep.18
Bali 3rd Day 【Part 1】

神様からの贈り物

フォーシーズンズ・サヤンにおいて、人気がある朝のアクティビティの1つが
トレッキング。スパのスタッフと連れ立って朝のアユン川渓谷沿いを2時間
かけてトレッキングするというもの。

「朝の景色が綺麗で、お勧めだって。行ってみようよ。」オットを、誘ってみたものの、
「2時間も朝から歩いたら疲れちゃうから行かない。1人で行ってくれば ? 」一刀両断。

そう言われてみれば、2時間は少し長いかも・・・突如、弱気になったワタクシ。
今朝もゴロゴロしているオットは放置して、リゾート内自主トレに切り替えることに。
( バリでもやっぱりお1人様なワタクシです ) 目指した先はリゾートテンプル。
リゾートマップを片手にウロウロしていると、朝のリゾート内では、ガーデニング担当の
スタッフ達が芝生に水を撒いたり、大きくなりすぎた植栽の枝を払ったり・・・。
自然と共存しながらも美しいランドスケープをデザイニングすることに余念がない。

ライステラスを横切り、石畳の階段を上り・・・「こっちであってるのかしら?」
途中、何度かスタッフに尋ねながらも、敷地の端れにひっそりとたたずむ、
リゾートテンプルに辿り着いた。立派な割門の入り口には、バリの寺院に入場する際の
マナーがきちんと刻印されている。この寺院が決して、お飾りのソレではなく、神聖な
祈りの場であることを印象づけられた。人気のない寺院で、初めて見るヒンドゥーの
祠や祭壇を見学し、さぁ、帰ろうかしら・・・そう思った時、ふと壁の向こうが気になった。



何気なく、壁越しに寺院の外側を覗き見て息を呑む。そこには朝の光を受けて
キラキラと輝きながら、ゆるやかなカーブを描くアユン川、美しい棚田、風に揺れる
椰子の木から成る、それはそれは、見事な風景が眼前に拡がっていたのである。
ライステラスでは人々が忙しく立ち働いている姿も。
きっと、バリの神様が、1人、敷地の端っこまでやって来た日本人にご褒美を・・・と
ワタクシを導いてくれたに違いない。ひとしきり美しい風景に見惚れた後、
そっとお礼を言い、神々に別れを告げた。



さぁ、どうせオットはまだグタグタしているに違いない。プールサイドに場所を
移して読書タイムにすることに。( ワタクシは受けませんでしたが、こちらの
プールサイドでも簡単なショルダーマッサージや、ネイルトリートメントを受ける
ことが可能なようです。 )



暫くすると、どこからともなく嬌声が聞こえてくる。
何事か ? と思ったら、程なくして眼前のアユン川にラフティング部隊が現れた。
リゾート前の流れは少々緩やか。皆さん暇を持て余している様子で、余裕顔で、
ブンブン手を振ってご挨拶をしてくれた。



アユンテラスで最後の朝食をゆっくりと頂く。サヤンショップでお土産を購入し、
胸の前で手をあわせて丁寧にお見送りをして頂きながら、お迎えに来てもらった
アマヌサカーに乗り込んだ。(また、帰ってくるとは知る由もなく・・・ )



Babi Gling

2006-10-09 | Indonesia
Sep.17
Bali 2nd Day 【 Part 3 】

Babi Gling

極上のトリートメントで心も身体もすっかり軽やかになった後は、
メインバーでのカクテルタイム。



どこからともなく聞こえてくる伝統楽器の音色に耳を傾け、スナックを摘まみ
ながら、黄金色から群青色に移り行く空を眺め、暮れ行く1日に別れを惜しむ。



フォーシーズンズ・サヤンには、このドラマチックな景観を誇るメインバーの
他にもたくさんのリラクゼーションスペースがある。
その中でもお気に入りの1つだったのが、マシンジムのアウトサイドに設けられた
ジャグジースペース。日中であれば、水盤やジャクジーにキラキラと陽の光が
反射し、伸びやかな椰子のグリーンがよく映える。夕闇が訪れた後は、素敵に
ライトアップされ、ロマンチックなスペースに。



こちらで本を読んでいたところ、どこからともなくスタッフが現れてフルーツを
ふるまってくれた。



さて、リゾートがすっかり闇に包まれた後は、お待ちかねのディナータイム。
そう。昨夜予約をしておいたバビグリンディナーの時間である。

いつも、逃亡先のリゾート選択を全てワタクシ任せにするオット。
ウブド + ヌサドゥアのプランを発表したところ「え~海がない場所に泊まるの ?! 」
と不満顔。そこで、ウブド泊にいささか難色をしめしたオットを説き伏せたネタが
バビグリン ( 子豚の丸焼き )。

ワタクシ 「 ウブドにはね、"イブ・オカ"っていう子豚の丸焼きがとっても美味しい
      お店があるんだって !! 」
オット  「ほぉ~。子豚の丸焼き !! 」( 目が輝く )

2つ返事でOKが出たものの、いざ、リゾートのスタッフに「美味しいですか ?! 」と
問い合わせをしてみたところ「大変有名なお店ではございますが、当リゾートでは、
衛生上、またスパイスの効きすぎたお料理であることなどからも、通常は、お勧め
はいたしておりません。」とのお返事。困ったな~。子豚の丸焼きで釣ったのに。
チャレンジはしてみたいけれど、初バリでバリっ腹になってしまったら、後々、
バリのイメージが悪くなってしまうし・・・。結局、その極秘情報は秘められたまま、
ウブドステイは決行されることに・・・

そんなワタクシの悩みを知らないオットは飛行機の中でも
「スラマッシアーン、バビグリン♪アパカバール、ベベゴレン♪」
(訳 : 子豚の丸焼きちゃんこんにちは♪アヒルのから揚げちゃんお元気ですか ? )
楽しそうにインドネシア語を習得中 マ、マズイ。いつ告白するべきか・・・。



そう思案していたところへの、バビグリンディナーのご案内である。こうなったら
例え24時間後でも構わない。アユンテラスへ勇んでディナーの予約を入れるオットを
放置することに。ただ、いくら「24時間前までに要予約」とインフォメーションをしていた
ところで、さすがに24:00からのディナーなんて、スタッフだって嫌に決まっている。
すんなり「20:00から」ということで昨夜の予約は完了していた。



さて、お待ちかねのバビグリンセットディナー。
スターターのポークサテから始まり、豚の肉団子を浮身にしたスープ、メインには
勿論バビグリン、デザートは、黒米のプディングにピスタチオのアイスクリーム。
写真には残していませんが、バビグリンにはライスがつき、食後にはプチフール
としてメレンゲの焼き菓子とショコラもふるまわれました。
おそらく、イブ・オカの軽く10倍はするお値段だったかと想定されますが ( ローカルの
屋台で食べれば500円程度のお料理だそう。 )、とっても美味しかったです
なんと言っても、バビグリンの脂肪がのった、あのパリパリの皮がたまりません。
次回は勇気を出して、いざイブ・オカへ !! そう心に誓ったワタクシでした。


Healing

2006-10-06 | Indonesia
Sep.17
Bali 2nd Day 【 Part 2 】

Healing

遅めの朝食の後は、デイベッドに寝転んで本を読んだり、うとうとしたり。
一息ついて、今度は日本から予約を入れていたスパトリートメントへと向かう。
ワタクシが選んだトリートメントメニューは

HEALING HERBAL BLEND:180min.
スパメニューに記載されたトリートメントの内容は以下の通り。

輝く様なお肌になるブラックライスとハイビスカスのボディーポリッシュ、そして
バジルとローズマリーのマッドラップは古い角質を取り除き、お肌の活性化をうながす
効果があります。温かいハーバルオイルマッサージはボディーをバランス良く整え、
活気を与えてくれます。最後はハーバルバスでゆったりとくつろぎます。




アランアランの葉で葺かれた高い屋根を持つスパヴィラは、レインシャワーの
施設も完備した贅沢なトリートメントルームと、石のレリーフもゴージャスな
埋めこみ式のバス、スチーム機能も備えたシャワーブースを完備した
バスルームから成るスイート仕様。更にアウトサイドには、ロータスポンドに
囲まれたプール & ラウンジセットの憩いスペース。



贅沢な空間で施される、夢見心地のトリートメントの中で1番印象に残ったもの。
それは、マッドラップ。ココナッツの成分が混ぜられたマッドラップを塗布した後に、
バナナの葉で全身をくるまれたワタクシ。あ~このまま土の中に埋められて
焼けた石を上に載せられて蒸し焼きにされるに違いないワ
突如、ニューカレドニアの伝統料理ブーニャにされる鶏肉の気持ちとシンクロ
してしまったのである

最後はアロマオイルをエネルギーポイントであるチャクラに数滴垂らして、
リンパを丁寧に流す極上タッチのマッサージを施してもらい、無事、蒸し焼きに
されることもなく、3時間のトリートメントを終える。フラワーバスに浸かりながら
ジンジャーティーをゆっくりと頂き、仕上げにフラワーローションを全身に
ほどこして、フィニッシュ。トリートメントの後もヴィラのプールサイドで
蓮池を眺めながらゆっくりと寛ぎクールダウン。



ワタクシが蒸し焼きの恐怖におののいていたのと時を同じくして、オットは隣の
施術台で本格的なアーユルヴェダのトリートメントを受けていた。( ワタクシが
偵察の為に勝手にコースを指定しておいた。笑 ) トリートメントを受ける前に
簡単なチェックシートに答えてどの特性が1番強い状態か、ドーシャのバランスを
探り当てる。その問診表がどの程度トリートメントに反映されていたのかは、
結局のところ、不明なままであったが、なんだか楽しそうではあった。
( もっと真面目にレポートしろ ?! )

ホリスティックなトリートメントで心と身体のバランスを整えた贅沢な3時間。
スパヴィラでの至福の時間は、あっという間に過ぎ去った。


Energy Charge

2006-10-04 | Indonesia
Sep.17
Bali 2nd Day 【 Part 1 】

Energy Charge

AM 6:30 夢の向こうから微かに聞こえてくるウェークアップのサウンドで
目を覚ます。オットはまだまだ深い深い眠りの中。起こさないように
そっと起きだし、ダブルベイシンの鏡の前で簡単に身支度を整える。
ヨガウェアに着替えて目指した先はレセプションの上階にあたる Lily Pond 。
緑のジャングルの向こうから朝陽が射し込み、蓮池を照らし出す。
今朝はAM 7:00からスタートする Morning Yoga Session に参加する。
ジョインしたのは総勢10名。日本人・欧米人、経験者・初心者、男女比、
全てにおいてほぼ均等な構成員。



朝陽に向かって呼吸を整え、太陽礼拝のポーズ。(アシュタンガヨガの
レッスンでした。) 光に応じてピンク色の蓮の花が華麗な花弁を開き始める。
小鳥のさえずり、きらめく朝の輝き、渓谷に満ちる静謐な空気。
心と身体のバランスが調和し、静かに軽やかに開放されて行く感覚は格別。
約1時間にわたるセッションはとても素敵な目覚めの時をワタクシにもたらしてくれた。

オットはまだまだ起きる気配なし。(オイ)
せっかく早起きした時間を有効利用して、朝1番でネイルを整えてもらいましょう。
渡航前にリゾートから送ってもらったスパメニューにマニュキュア&ペディキュア
1時間 $60 というメニューをめざとく発見していたワタクシ、今回はリゾートで
トリートメントを・・・と企んでいたのである。しかしビックリ。スパに電話を
入れてみると、朝9時からのトリートメントでさえ既に予約でいっぱいだという。
受付てくれたスタッフは申し訳なさそうに「17:00から30分でマニュキュアだけ
でもいかがでしょうか ? 」と代案を提案してくれた。その時間帯は既に他の
トリートメントを予約していたので、残念ながら今回は諦めることに。



太陽の光線に映し出された室内を改めて見回してみる。
フラットスイートのお部屋はエクステリアにも寛ぎの空間が3箇所も用意されていて、
とにかく居心地が良い。トイレも、リビング側、ベッドルーム側両方に設置されている。
決して華美すぎず、アジアンすぎず、ほどよくモダンで落ち着いたインテリア。
ここにキッチンをつけて暮らしたい ! そう思ってしまうほどの、心地の良さ。





デイベッドでお紅茶を頂きながら、アユン渓谷のせせらぎと眩しいグリーンを眺めて
寛いでいると、漸くオットが起き出して来た。レストラン、アユンテラスへ向かい、
コンプリメンタリーの朝食を頂くことに。



ワタクシがセレクトしたのは、インドネシア風弁当BOX。これ、素晴らしかったです。
ナシゴレン(焼き飯)、ミーゴレン(焼きソバ)、インドネシア風お粥に、フライドバナナ。
毎日1食ずつ食べていたら3日はかかるであろう、名物料理が少しずつ
お弁当BOXに盛り付けられていて1度に楽しめてしまうという趣向。



このお弁当BOX、日本人女子から、絶大な支持を得ているのではないだろうか ?!
更に、気になっていたサヤンスムージーと黒米のプディングもオーダー。調子に
のりすぎて完食できず。バリの神様、食べ物を粗末にして申し訳ございません・・・ 



朝から充実の朝食を頂いた後はお散歩タイム。
お部屋への道すがら、アユン川やライステラスなど、リゾート内をゆっくりと散策した。


緑の楽園 ウブド

2006-10-03 | Indonesia
Bali 1st Day ( Sep.16)
ウブド ~ 緑のサンクチュアリー ~

そろそろ8月の声も聞こえてこようかというある日、突然、決まったバリ旅行。
日本からわずか7時間あまりで行ける楽園にも関わらず、なぜか今まで
ご縁がなかった癒しのサンクチュアリーへ。

今回は奮発して ( マイルを・・・ ) Cクラスでの空の旅。
というわけで物珍しげにチェックインカウンターのレッドカーペットの写真を撮影
してみたりする。勿論、ファーストではないので ( そもそも、デンパサール便には、
ファーストの設定はない。)「写真は全てイメージです」ということでご了承頂きたく・・・



3連休に絡めてヴァカンスに旅立つ、遅めの夏休み組で混雑する成田空港。
PM 4:10 JL729 便にて初のディステネーション、インドネシアを目指してテイクオフ
う~ん、Cクラスといえどもやっぱり機内食はイマヒトツ・・・。アイスクリームも
ハーゲンダッツ様ではありません。「ふーん。この程度のものなのねぇ。」
正規料金も支払えないくせに、偉そうに気取ってみたものの、やっぱり物珍しくて、
シートの機能説明書を熟読しては、ライトを点灯してみたり、マッサージボタンを
押してみたり・・・。そんなワタクシをCAの方が目ざとく発見して「こちらのライトは
ここのボタンで調節できます。せっかくですから機内でお寛ぎのご様子を、
お写真にお撮り致しましょうか ?!」などときめ細かく、世話を焼きにきてくださる。
せっかく気取っていたのに初心者丸出しの刑である

そんな贅沢フライトにおいて、ワタクシを1番喜ばせたもの・・・それは、
フルフラット仕様の革張りのシートでも、普段よりやや贅沢な機内食でも、個人用の
オーディオプログラムでも、至れり尽くせりな CA さんでもなく、やはり空であった。
いや高度35000フィートの高空の世界。もはや宙と記した方が近いのかもしれない。
神様は雲の高みに登って、毎日こんなに美しいサンセットを楽しんでいるのかしら ?!
13700フィート、ハワイ島・マウナケア山頂で見たサンセットよりも更に更に神々しい
光景を、飛行機の小さな窓に張り付くぐらい顔を近づけて、しっかりと心に焼き付け
ようと見届けた。



PM 10:25。空港内の両替店の小窓から「うちのお店にいらっしゃい」と手がニョキニョキ
出てきて勧誘する光景にビックリしながら両替をすませ、リゾートからのお迎えの車に
揺られて暗闇の中、ウブドを目指す。1時間程のドライブで、そろそろ日付も変わろうか
という深夜、緑の楽園 Four Seasons Resort Bali at Sayan
に到着した。



私たちがアサインされたお部屋はレストラン、アユンテラスからほど近いフラットタイプの
スイートルーム。ドアから入って左手のお部屋がリビングダイニング、右手のお部屋が
ベッドルーム & バスルーム。高い天井、ダウンライトに照らされた調度品の数々。
ゆったりと回るシーリングファン。そしてお部屋にたっぷりと活けられたチューベローズ。
夜の影が立ち込める神秘的な空間に芳しい香りを解き放つ、白く気品に満ちた花。
日本からのフライトに疲れた私たちを包み込むように優しい香りで癒してくれた。



「さぁ、さぁ、バリに着きましたよ~。」オットがまずチェックするのは、いつだって、ルーム
ダイニングのメニューである。「お ! 今、バビグリンのフルコースディナーやってるぞ。
24時間前に要予約だって。今から頼めば明日のこの時間には食べられるって事だよな ?! 」
嫌です。明日もこんな時間からディナーだなんて・・・
ワタクシの意見に耳を貸すはずもなく、オットは早速フロントデスクに電話を入れる。
「明日、バビグリン宜しくね。それから、今からディナーにするからミーゴレン持って来て。」
早速ルームサービスを頼んでご満悦。



その頃、室内の探検をしていたワタクシは、バスルームで歓声をあげていた。
「キャ~これがフラワーバスなのね~ 」特別なパッケージではなかったのだが、
バスタブの中は、たくさんのプルメリアやバラの花びらで埋め尽くされていた。
オットは、ムシャムシャとインドネシア料理に舌鼓をうち、ワタクシはウキウキと
フラワーバスに浸かってバリ島、最初の夜は更けて行った。