中部大学の武田邦彦教授のホームページでは,12月12日付けの「新生NKH報道 北極の氷,最大を記録!」と題し,アメリカ国際北極圏研究センターのデータを引用して,北極の氷が2008年11月に21世紀で最高の面積(最小ではありません!)になったと指摘しています。そしてまた,日本の報道はこの事実を伝えていない,とも付け加えています。
事実,この報道と同日,12月12日の読売新聞朝刊14版37面では,武田教授の伝えるところとは全く反対の,北極の氷の完全消滅の危機を伝えています。読売新聞だけでなくNHKその他のマスコミも相変わらず北極の氷が溶けてなくなる,ホッキョクグマがかわいそう,などとお涙頂戴の報道がまかり通っています。要するに,人間活動に起因する二酸化炭素が増えた→そのために地球の温暖化が進んだ→北極の氷が溶けてホッキョクグマが絶滅の危機にさらされている,の図式を無批判に垂れ流しているのです。
武田教授は,北極の氷の面積が観測史上最小となったのは2000年9月であって現在ではない,とも指摘しています。
実際に,北極の氷の面積はビジュアル化した毎日のデータとしてインターネット上で誰でも見ることができます。また,地球環境観測衛星みどりII号による,オホーツク海の海氷分布も可視化した画像がリアルタイムで公開されています。
北極海の氷の面積は,毎年3月頃に最大となり,9月頃に最小となります。そして,今日12月14日の結氷面積は,すでに北極海を覆いつくすようになっています。その氷の密度もすでに100%,つまり海水混じりではなく完全結氷しているのです。
それでは日本のマスコミは,どうして正確でない,言い換えれば現実とは違う報道を繰り返すのでしょうか。これには政府の意向が色濃く反映しているとしか思えません。
人為的二酸化炭素から北極の氷の消失に至る図式は,IPCCによる人為的二酸化炭素削減のシナリオそのものであり,京都議定書をなぞったものとも云えます。
そして日本は京都議定書を批准してしまい,現在では守れもしない京都議定書に振り回されているのです。まさに批准は自縄自縛の愚かな行為でした。
地球大気は,今日でさえわずか0.035%しか二酸化炭素を含んでいないのです。IPCCが何を意図して人為的二酸化炭素削減を声高に叫ぶのか,その政治的意図は完全には読めませんが,かなりのウラがあるように見えます。その証拠に,京都議定書の次に来るべきものと位置づけた二酸化炭素排出規制を話し合うべきCOP14が,各国の利害対立で全く何の議決もできずに閉会せざるを得ませんでした。当然です。まして世界的金融危機のさなか,100年後の気候変動よりは,来年の世界経済の方が全世界共通の喫緊の課題なのです。世界中の誰もが心の中では「100年後の地球どころじゃないよ」というのが正直なところでしょう。