人が亡くなったときに使う言葉としては,「死ぬ」から始まって,「死亡する」,「亡くなる」,「死去する」,「逝去する」,「薨去する」,「崩御する」まで,その人の生前の行い,社会的地位などに応じて使い分けられていることは百も承知です。
そして,「死亡」は死亡届に見られるように,純粋に法医学的な表現であると同時に,生前に犯した罪悪に対する憎悪を込めた表現でもあります。たとえば「金正日に死亡説」があります。実際に金正日が死んでも,「金正日逝去」とはいくら朝日新聞でも書かないでしょう。
それでは,表題にある上田哲の場合にどれがふさわしいかと考えた結論が「死亡」です。
読売新聞によれば,この男は,「上田哲氏(うえだ・てつ=元社会党衆院議員)17日,肺炎で死去。80歳。近親者で密葬を行い,後日「お別れの会」を開く予定。喪主は長女,山口久美子さん。
NHK記者,NHK労組委員長を経て,1968年の参院旧全国区で初当選。参院議員を2期務めた後,衆院に転じ,79 年以降,衆院旧東京2区から連続5回当選した。旧社会党では防衛問題などの論客として知られ,テレビの討論番組などでも活躍した。86年には土井たか子 氏,91年には田辺誠氏の対抗馬として,党委員長公選に立候補した。
93年の衆院選で落選し,同年秋に社会党を離党。「護憲新党あかつき」を結成するなど,政治活動を続けた。95年の東京都知事選に出馬したが,落選した。」そうです。
この死亡記事にはきれいごとばかりが書いてあります。しかし,これだけの記事でも分かるように,NHK職員として記者経験の後,NHK正職員で構成される日本放送労働組合の委員長となり,当時「NHKの闇将軍」とニックネームをつけられていたのです。
この日本放送労働組合(日放労,連合所属)は,NHKとユニオン・ショップ協定を結んでいるため,NHK全職員約1万1000名中,管理職とごく一部の経営管理部署職員以外の一般職員全員約8500名が組合員です。私が常々NHKの番組は労働組合が作っている,と云っているのはこのためです。
それでは上田哲は日放労で何をやったか。それは枚挙にいとまありませんが,直近の犯罪としては,「女性国際戦犯法廷」を陰で支援したことでした。この荒唐無稽の疑似法廷の主催者によれば,第二次世界大戦中において旧日本軍が組織的に行った強かん,性奴隷制,人身売買,拷問,その他性暴力等の戦争犯罪を,裕仁(昭和天皇)を始めとする当時の政府高官である9名の者を被告人として市民の手で裁くことによって,「被害女性たちの尊厳を回復し,日本政府に戦争責任・戦後責任をとらせる手がかりとし,性奴隷制や強かんなどの戦時・性暴力が今後世界各地で繰り返されないよう,女性の人権が尊重される平和な新世紀を創ること」とされており,明らかに昭和天皇を標的にした疑似法廷であり,いやしくも日本国民が主唱して行うべき法廷ごっこではなかったはずです。
上田哲は,この疑似法廷の主催者の背後にいてこれを扇動したのです。それが証拠に,関係者の中には池田恵理子(NHKエンタープライズ21プロデューサー,VAWW-NETジャパン運営委員),長井暁(NHKチーフプロデューサー)の二人が名を連ね,これらのNHK職員は上田哲の直系だったとされています。
しかも,この法廷取材はNHK-ETV特集という教育テレビ番組としてこっそり放送されたのです。その陰湿さは,さすが旧社会党系のやり口そのものでした。
この「NHKの闇将軍」上田哲が死亡したことで,NHKの偏向報道は少しはよくなるでしょうか。残念ながら,そうはならないでしょう。まだ確かな証拠があるわけではありりませんが,アナウンサーの三宅民夫あたりがこの後を襲っているのではないかと危惧されます。三宅民夫の巧妙な世論誘導は非常に危険です。昨年夏の終戦記念日前後に行われた視聴者参加番組に,切り札としてこっそり沖縄戦の生き残りの女性を潜ませておいたのもその例です。番組の終わり近くになってこの女性を指名して語らせ,誰にも文句を言わせないような仕掛けを準備しておいたのです。
ともかくはじめに書いたように,NHKの職員の大部分は連合傘下の日放労の組合員なのです。NHKの報道が偏向しているのは当然なのです。民主党寄り,社民党寄りになるのは当たり前。経営者,一部の幹部などは蚊帳の外,何もできないのです。会長人事ですら,NHK生え抜きに固執し,日放労が会長を操っていたのです。前会長の橋本元一などはその好例でしょう。
そしてNHK職員はやりたい放題,つい先日もディレクターが旅費をごまかして60万円をせしめました。NHKには,もっともっと巨悪が潜んでいます。金銭のごまかしばかりでなく,セクハラ,痴漢,不倫,結婚詐欺,横領,インサイダー取引,勤務中の株売買。そして奇怪なことに不祥事を起こしてNHKから放逐されたはずの連中が数年たってほとぼりが冷めると,何食わぬ顔でNHKに復帰しているのです。この辺のからくりは社会保険庁顔負けです。
NHKは,エコだエコだと騒ぐ前に自らの中身を浄化する必要があるでしょう。上田哲の死亡でも何一つ変わらないとすれば,もはやNHKを徹底解体することも視野に入れなければなりません。