那須温泉で民宿しながら猫の里親奮闘中💦

那須温泉の日常や裏方の紹介や奮闘記・・・ん。。。猫の里親奮闘中に変化?

鹿の湯湯治法(今昔)

2007年03月30日 19時29分40秒 | 温泉
風呂の管理責任者である湯長は絶対権限を持っていた。入湯には湯長の命令に従わなければならない。湯治客は、まず最初に湯長に挨拶に行く。そして、自分の病状を話し、自分の入浴する風呂、順番、回数を決めてもらう。湯治客は自分の入浴時間が来るまで茶亭で待っている。茶亭には、囲碁、将棋等が用意され、団子や飲み物も売っていた。午前8時は最初の入浴時間である。湯長は十分湯揉みをし、適温にしたところで最初の客を入浴させる。「一番」「番外一番」と呼んだのである。
「一番」とは熱い湯に最初に入浴する人、「番外一番」とはぬるい湯に最初に入浴する人である。まず「かぶり湯」で後頭部に手ぬぐいを掛け、柄杓(竹製のもの)で200から300回湯を頭にかけるのである。次に、下半身まで入浴し、二分間じっとしている。それから首まで一分間浸る。これで終了である。
湯が熱いのでこれで十分であり、「一番」「番外一番」の人たちがかぶり湯を終えて入浴すると、「二番」「番外二番」の客がかぶり湯を始めるという具合で定められた順番に従って入浴するのである。順番が後になると湯の温度が下がるので、熱い湯に入る人は早い順に入浴することになる。
午前8時に入浴した「一番」「番外一番」の客の次の入浴は、午前11時である。その間、客は茶亭で囲碁や将棋、芸者の三味線に合わせて歌ったり、散歩をしたりして時間を過ごす。午前中2回入浴して昼食となる。
午後2時になると、お客さんが湯揉みをして入浴する。お客が湯揉みをするのはこの1回で、湯揉み唄を歌いながら板で湯をかき混ぜるのである。
湯治は初めぬるい湯からはいり、湯長と相談しながら徐々に熱い湯に入るが、1、2週間続けると股下や脇の下に「ただれ」ができてくる。ただれができると熱い湯に入浴するようになり、ただれが止まると再びぬるい湯、または「仕上げの湯」(喜楽湯、弁天湯)に入る客もいたということである。