『告白』
□作品オフィシャルサイト 「告白」
□監督・脚本 中島哲也
□原作 湊かなえ
□キャスト 松たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、下村直樹、橋本愛
■鑑賞日 6月13日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
このわずか数秒のラストシーンの、主人公森口悠子の表情に、松たか子の女優としての執念を観た。
それはあたかも松たか子に森口悠子の怨念がそのまま乗り移ったかのようだった。
そして、その一瞬の表情の中に、森口悠子の心情全てがまさに全身全霊を込めて表現されていたに違いない。
その松たか子の表情には、まさに歌舞伎俳優を父に持つそのDNAがこの映画で全開し、成就した瞬間を観た想いだった。
もしかしたら、深読みかもしれないが、そこまで中島監督が女優松たか子のこの演技力を
予め読んでいたのだとすれば、監督自身も素晴らしい“千里眼”を持った監督だったと言えるだろう。
この映画は原作(「告白」/湊かなえ)を先に読んでいて(しかもかなりの勢いで読んでしまったが)、
映画の進行そのものも、ほぼ原作に忠実に沿って進められており、独特の中島監督色は最小限に塗り加えられていただけだと思えた。
ただ、やはり中島監督自身はどこかに遊び心を抑えられないのか、「嫌われ松子」テイストな味付けも忘れずあったりして(笑)
もう一つの楽しみは殺人犯の母親・下村優子を演じる木村佳乃。
原作の殺人犯の母親よりは線が細いのではと思って観ていたのだが、どっこいかなりこの役にのめり込んでいたようだ。
鬼気として、溺愛する息子に対する一方的な母親の愛情を演じる反面、娘を殺められた母と
その逆で殺めた息子を持つ母の直接的であり、間接的な、その微妙な距離感を上手く出していたし、
ある意味、現代の家族関係や学校教育の現場に一歩踏み込んだ中島監督の主張も織り込んでいたように思う。
残念なのは、新人教師のウェルテル(寺田良輝)役を演じた岡田将生と、
下村直樹を演じる藤原薫が原作の同者とやや違和感があったところかな・・・。
原作を読んだ人はわかると思うのだが、これは主人公森口悠子の淡々とした語り口が大半を占める作品で、
先ほども書いたが、その点を重視してこの役に松たか子をキャスティングしたことに、
そして彼女から語らせる最愛の娘を殺められた母親の、自問自答を繰り返しながら、
もっとも短く最大限に効果のある加害者に対しての長い宿題を与えた“結果”だったと言えよう。
改めて現在の少年法を考え直してみる機会となった映画だった。
そして松たか子、僕の今年の主演女優賞にかなり近づいたかも(笑)
「孤高のメス」と「告白」同時間なので迷い、「孤高のメス」を見ました。
貴方の批評を拝見して、是非「告白」も見に行きたいと思いました。近いうちに・・・
松たか子の演技がすごく褒められているので、見たい気もするのですが、見終わって小説と同じ感じだといやだなあと思って見に行っていません。どうしようかな・・・
きっと映画の代表作になるのでしょうね。評判がいいのでぜひみたいとおもいます。
ダッツ、夏の期間限定がでました。私はハニーミルクを味わいましたが…。夫はラムレーズンでした。感想をお聞かせください。
>先日、わが町の映画館で同時に封切り。「孤高のメス」と「告白」同時間なので迷い、「孤高のメス」を見ました。
そうでしたか^^
僕も同じ日に『孤高のメス』も観ました!
このあとアップしますね^^
>貴方の批評を拝見して、是非「告白」も見に行きたいと思いました。近いうちに・・・
これは観ておいて損はないと思います!
特に松さんの演技を^^
>原作を読んで、すごい小説だとは思ったのですが、悪意の押収に救いがないのが、不快な読後感となりました。
確かに不快感は残るかもしれませんね。
>松たか子の演技がすごく褒められているので、見たい気もするのですが、見終わって小説と同じ感じだといやだなあと思って見に行っていません。どうしようかな・・・
でもこれはこれで映画としては素晴らしい作品だと思いますのでぜひ^^
>松さんは以前ミュージカルにでていたとき、ミスサイゴンとモーツァルトでナマをみました。華があるというか、舞台でも人の目を引き寄せる力があると思います。
そう、舞台経験はこの役にきっと役立ったことでしょう!
>きっと映画の代表作になるのでしょうね。評判がいいのでぜひみたいとおもいます。
そうですね! ぜひぜひ~
>ダッツ、夏の期間限定がでました。私はハニーミルクを味わいましたが…。夫はラムレーズンでした。感想をお聞かせください。
はい、僕ら夫婦もハーゲンダッツ好きなので今度感想を~♪
先週みてきました。
邦画に興味がないボスが珍しく、みたい!っていうので・・・。
(どちらかというとあたしはみなくもよいかも派だったので)
でもみる価値のある作品で、見終わった後はよかったと思ってます。
ふれておくべき作品・・・だなと思いました。
中島テイストも捨てがたいし、子どもたちの心の闇とかダークな部分とか、少年法とか・・・考えるべき“宿題”がたくさん盛り込まれてた気がしますし。
原作に限りなく忠実でしたし。
みてよかったです。
映画見終わってすぐは
凹む固まる気分最悪とまで言いながら
今年ここまでに見た映画のダントツ1位なのよね。
いやもう複雑な気持ち。スゴい映画作ってくれたよなと。
単純に中島監督作品がすきだからっていうひいき目もあるでしょうが…
松たか子はマジで年末コレであちこちの賞からお呼びがかかりそうな気がします。
>邦画に興味がないボスが珍しく、みたい!っていうので・・・。(どちらかというとあたしはみなくもよいかも派だったので)
そうなんですか(笑)? 松たか子派なんですか、もしかして?
>でもみる価値のある作品で、見終わった後はよかったと思ってます。ふれておくべき作品・・・だなと思いました。
そのとおりですね!
内容については原作を含め様々な問題提起をしているようですしね^^
>中島テイストも捨てがたいし、子どもたちの心の闇とかダークな部分とか、少年法とか・・・考えるべき“宿題”がたくさん盛り込まれてた気がしますし。原作に限りなく忠実でしたし。
みてよかったです。
今の子供たちのネットワークがああいう形で反映されているのは、よりリアル感がありました。
みんな“つぶやいて”いるのでしょうね(笑)
>原作レビューを書いた時、不謹慎だけど面白かった、ページをめくる手が止まらなかったと言うてしまいました。
それは皆さん同じだと思いますが(笑)
>映画見終わってすぐは凹む固まる気分最悪とまで言いながら今年ここまでに見た映画のダントツ1位なのよね。
ま、前半戦はこれはという邦画が少なかったような気がしましたしねぇ><
>単純に中島監督作品がすきだからっていうひいき目もあるでしょうが…
なるほど、あの中島ワールドがね(笑)
>松たか子はマジで年末コレであちこちの賞からお呼びがかかりそうな気がします。
『ヴィヨンの妻』よりは絶対いいと僕は思いましたが^^