京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『ツレがうつになりまして。』

2011-10-13 | 邦画

 

□作品オフィシャルサイト 「ツレがうつになりまして。
□監督 佐々部 清
□脚本 青島 武
□原作 細川貂々
□キャスト 宮崎あおい、堺 雅人、吹越 満、津田寛治、犬塚 弘、梅沢富美男、大杉 漣、余貴美


■鑑賞日 10月10日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)

<感想>

  佐々部監督にしては、いつになく涙流すチャンスをくれない映画だった(笑)

 だけど・・・
 “うつ病”がテーマだから、無理はないのかもしれないが、
 もしかしたら、現代社会においてこの病は誰しも何かのキッカケで陥る病気なのかもしれない。
 にしても、テーマから来る重さは決してなく、むしろこれは主演キャスト、
 
ツレを演じる堺 雅人さんとその妻・晴子を演じる宮崎あおいチャンが功を奏したかたちで、
 なんだかほのぼの温かいハートウォーミングな仕上りをみせていた。

 あおいチャン、ここでもハルさんを演じているけど『
神様のカルテ』でもハルさんだったなぁ(笑)

 
 主人公である
ツレのようなクレーム処理等の職種などは特にそうなのかもしれないが、
 かなりの精神的プレッシャーがあるかもしれないし、現に自分でコール(カスタマー)センターに
 問い合わせの電話をすると、 なんでそこまで丁寧に応対してくれるのって思うことがある。
 逆の立場になれば、一筋縄でいかない顧客もいるだろう。 見えない相手だけに扱いもぞんざいにはできない。
 ツレの妻・晴子(宮崎あおい)は、売れない漫画家。
 お互いの環境を考えたときに、サラリーマンと漫画家ってよくわからない家庭環境かもしれないが、
 観ている側はこの夫婦が特別な関係でなく、むしろ微笑ましい夫婦だと思える節もあった。

 しかしながら、今までにないツレのうつ病で、夫婦本来のあり方が変わって来る。
 何よりもこの映画がそのテーマからグレーにならないのは、冒頭にも書いたが、
 主演の二人の持っている温かさであったり、そのキャラであったり、
 また、不自然ながらイグアナのイグのせいだったのかもしれない(笑)

 もしも・・・夫婦のどちらかが“うつ病”になったらって考えると、
 まるでこの映画のようになるかどうかはわからないが、
 間違えば、死の一歩手前をフラフラしてしまうこともあるのかもしれない。
 劇中でも、ホンの些細な言葉で間違った方向に走り出すのかもしれないことは容易に想像が付く。
 
 ハルさんの「会社を辞めなきゃ離婚する」とは本当に親身になって出た言葉だろう。
 生活の軸がなくなっても、やはり病気を治すことが先決。 その一番大きな要因が会社だったとしたら、
 やはりその環境を変えずして、治る方向に向くことはないだろう。

 互いが協力して一つの“うつ”に対抗する。
 どちらがどちらでもないわけで、家族も含めて乗り越えないとならない病気。

 少しずつ回復し、ハルさんも描きたいものを自由に描くことにした瞬間、視界は広がるのである。
 互いに書き留めた日記は、ハルの漫画に大きな成果をもたらし、
 ツレはその後の人生において貴重な実体験の資料として役に立つ。
 無駄なものはないし、夫婦であっても理解できないことはある。
 どんなときも、やはりそばにいてくれる人がいるだけで何事にも向かえる気がすると
 この映画を観ていると感じる。

 ツレのうつ病に大きく関与したクレーマーや上司も、ツレの公演に耳を貸す。
 そのオチがあってこそ、ツレの本当の完治となったのではないだろうか。

 先日、「夫の彼女」という本を読んだが、相手の気持ち(立場)を考えること。
 それは夫婦間のことだけでなく、万人に大切なことだと改めて感じるところだった。


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
映画 (サッチー)
2011-10-13 21:18:48
>それは夫婦間のことだけでなく、万人に大切なことだと改めて感じるところだった

映画評論家のcyazさんの仰る通りです。
映画を通して人間としてのあるべき姿を思い知らさせてくれる映画は、鑑賞後も気分良く、優しくなれますね。

イエ、cyazさんは常にそうでしょうけれど
返信する
TBに感謝! (水樹)
2011-10-13 23:49:48
cyazさん、TBありがとうございました。
お元気そうで何よりです。
ずっと、ず~っと以前に、別のHNでお世話になっていたことがあります。
鎌倉の白い紫陽花の記事、今も覚えています。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
返信する
はじめまして (大江戸時夫)
2011-10-13 23:59:44
あのー、「長谷部監督」じゃなくて、「佐々部監督」ですよねー。
返信する
こちらこそ~ (cyaz)
2011-10-14 08:17:14
水樹さん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>ずっと、ず~っと以前に、別のHNでお世話になっていたことがあります。
へぇ~、そうでしたか(笑)?
すみません、気が付きませんでしたm(__)m

>鎌倉の白い紫陽花の記事、今も覚えています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
いえいえ、こちらこそよろしくお願い致します^^
返信する
さっそく~ (cyaz)
2011-10-14 08:17:48
大江戸時夫さん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>あのー、「長谷部監督」じゃなくて、「佐々部監督」ですよねー。
あらら、そうでしたね(汗)
ご指摘、ありがとうございます^^
早速、訂正しておきます。
返信する
メッセージ~ (cyaz)
2011-10-14 08:32:02
サッチーさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

コメント返しが前後してすみません(汗)

>映画を通して人間としてのあるべき姿を思い知らさせてくれる映画は、鑑賞後も気分良く、優しくなれますね。
そうですね^^
ある意味、メッセージを持っていないとダメですよね~

>イエ、cyazさんは常にそうでしょうけれど
いえいえ、凡人ですので(笑)
返信する
TBありがとうございました (talofa)
2011-10-22 22:57:03
 私にしては珍しく原作を読んでから見た映画でした。 原作の雰囲気を良く残した温かな映画になっていたな、と思いました。
 それにしても主演のふたり、いい味を出していたと思いましたがいかがでしょう?
返信する
温かさ~ (cyaz)
2011-10-23 09:06:16
talofaさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>私にしては珍しく原作を読んでから見た映画でした。 原作の雰囲気を良く残した温かな映画になっていたな、と思いました。
なるほど^^
原作は未読でしたが、二人の温かさが印象に残る映画でしたね!

>それにしても主演のふたり、いい味を出していたと思いましたがいかがでしょう?
なんか本物の夫婦でも出せない何かがあったような(笑)
返信する
ちょっと (sakurai)
2011-10-25 20:37:58
相手のことを思いやる!それをたくさんの人がちいと思うだけで、世の中変わるとおもうんですがねえ。
アタシもコールセンターに電話なんかすることがありますが、きっと並みのストレスじゃないでしょうね。
でも、そこに電話掛ける人って、聞きたい!と言うのもさておき、話を聞いてもらいたい、話をしたい!というものらしいですね。
いやいやいろいろと大変だ!
原作はほんとにちょろっと読めるコメディですが、薄目ではあっても、これだけの感動作にしてしまうのは、佐々部さんっすよ、やっぱ。
返信する
あおいチャン狙い~ (cyaz)
2011-10-25 21:18:50
sakuraiさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>相手のことを思いやる!それをたくさんの人がちいと思うだけで、世の中変わるとおもうんですがねえ。
たしかにそうですよね!

>アタシもコールセンターに電話なんかすることがありますが、きっと並みのストレスじゃないでしょうね。
うん、そこは想像が出来ます(笑)
僕も結構ヘヴィです(汗)?!

>でも、そこに電話掛ける人って、聞きたい!と言うのもさておき、話を聞いてもらいたい、話をしたい!というものらしいですね。
クレーマーじゃなくてトーカーに(笑)

>原作はほんとにちょろっと読めるコメディですが、薄目ではあっても、これだけの感動作にしてしまうのは、佐々部さんっすよ、やっぱ。
原作未読ですからニュアンスがわかりませんが、
映画は映画として楽しめました!
ま、あおいチャン狙いでしたから(笑)
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