京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『アヒルと鴨のコインロッカー』/TV(地上波)

2009-03-22 | 邦画


□作品オフィシャルサイト 「アヒルと鴨のコインロッカー
□監督・脚本 中村義洋
□脚本 中村義洋、鈴木謙一
□原作 伊坂幸太郎(「アヒルと鴨のコインロッカー」創元推理文庫)
□キャスト 濱田 岳、瑛太、関めぐみ、田村圭生、関 暁夫、キムラ緑子、松田龍平、大塚寧々、なぎら健壱

■鑑賞日 3月19日(木)
■劇場 cyaz’s theater
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 何故か劇場公開当時に観落とした作品。 深夜のTVで放送したのを録画しておいた。


   「一緒に本屋を襲わないか?」


 仙台に引っ越してきた椎名(濱田 岳)と隣人・河崎(瑛太)と出会う。 初対面だというのにいきなり本屋襲撃に誘う。
 しかも彼の標的はたった一冊の広辞苑。 本屋襲撃は成功したものの、河崎は2年前に起きた、
 彼の元カノの琴美(関めぐみ)とブータン人留学生ドルジと美人ペットショップ店長・麗子(大塚寧々)にまつわる出来事を語り出す。
 そこにそれぞれの椎名が関わる人物の過去と現在の物語が交錯する。

 印象としては、昨年観た『
アフタースクール』テイストに似ていた。 その手法のどちらが先かについては特に興味はないものの、
 第一印象だけ人を判断してしまう癖のある人間が、この映画を観て、その謎解きとも言える真実の姿が解明されているところに快感を覚えた。
 時間軸で例えるならば、『アフタースクール』というより同じ内田監督の作品でもある『運命じゃない人』の方がより近いテイストかもしれない。

 やや重い表現もあるところはサラッと流してしまいたいところだが、不思議に絡み合う人と人の繋がりと、
 彼らの観ている側が勝手に判断した彼らの素性が、進むに連れて反転していく様に、
 自分自身も騙されてニヤッと心の中で笑えてしまうところに正直ヤラれた。

 実はまさかこいつが・・・ そうじゃないだろうと思って観たいたところが、実は大きく裏切られるというか、
 騙されてしまうというか、ユニークで面白いところだ。 それぐらい少ない登場人物の人間関係に、
 ありとあらゆる伏線をしいていたことが、この作品の強みであり面白さなのだろう。

 この映画の良さを率直に伝えると完全にネタばれするので触れてはいけない部類の映画だと思うのだが、
 ラスト付近の瑛太の流暢な英語は、隠れた“真実”を肯定するに十分かつ見事なオチの証明だったかもしれない。

 劇中でキーキーワードにもなるボブ・ディランの「風に吹かれて」。 若い世代にはカヴァーされて聴くことも多いだろうが、
 “神様ボブ・ディラン”もこんな形で受け入れられたら嬉しいことだろう(笑) しかもコインロッカーに入れられエンドレスでお経を唱え続けるなんて(笑)
 「風に吹かれて」も良く使われるが、彼の「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」も同様だ。 最近観た『
ヘブンズ・ドア』でも使われていた。
 
 そして、広辞苑と広辞林の違いは?

 特に大きな違いはないようですね(笑) 「広辞苑」は岩波書店、「広辞林」は三省堂。
 その昔、内容が似ているということで三省堂が岩波書店を訴えたそうな(裁判所は和解勧告)。


 伊坂幸太郎原作で中村義洋が監督した『
フィッシュストーリー』が公開されている。 こちらも楽しみだ

 いまさらながら、先日観た『ジェネラル・ルージュの凱旋』も中村監督作品だった



コメント (18)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ピカソとクレーの生きた時代/... | トップ | 志乃多寿司/川崎銀柳街 »
最新の画像もっと見る

18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
これは (miyu)
2009-03-22 16:39:48
とっても面白くって、でも切ないお話だったのですが、
その後原作も読んだくらいハマりました!
本当「フィッシュストーリー」も楽しみですよね。
来週ぐらいに行けたらなぁ~と思ってるんです~。
切ないけど大好きな作品。 (Ageha)
2009-03-22 17:43:35
お仕事ブログのほうからTBしてどうも。
少しでもたくさんの方に見ていただきたく。
cyazさんの力をお借りして。(笑)

2007年度版のインターネット大賞ブログ版
ワタシはアヒルと鴨が2位で転々に続いて
6点の配分をしました。
「キサラギ」とはりあうくらい好きで
めちゃくちゃハマった映画。
もっともアヒル・・・はめちゃくちゃ切なかったですけどね。

ジェネラルルージュのコメントでも書いたんですが
映画にするときに変わってしまう部分を
見た人がどこまで受け入れられるのか。
もちろんただの好き嫌いでしか
ワタシ個人は判断できないんですが
中村監督と伊坂作品の相性は
ぜったいイイと思いますよ。

伊坂さんが映画見た後に原作書き換えたってのは
ちょっと信じられんかったけど。(!)

「重力ピエロ」も「ラッシュライフ」も
やってほしかったな~・・・。
もっとも後者はまだ見てない、
そもそも大阪で見れるかどうかもわからんけど。(泣)
なるほど~ (cyaz)
2009-03-23 08:11:06
miyuさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>とっても面白くって、でも切ないお話だったのですが、その後原作も読んだくらいハマりました!
なるほど^^
僕は未読なのですが、原作のテイスト味わいたいと思いっています。

>本当「フィッシュストーリー」も楽しみですよね。
来週ぐらいに行けたらなぁ~と思ってるんです~。
そうですね^^
僕も今週観に行こうと思っています^^
愛しさと切なさと心強さと~ (cyaz)
2009-03-23 08:17:43
Agehaさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>少しでもたくさんの方に見ていただきたく。cyazさんの力をお借りして。(笑)
はい、請求書はいずれ発送しておきます(笑)

>「キサラギ」とはりあうくらい好きでめちゃくちゃハマった映画。 もっともアヒル・・・はめちゃくちゃ切なかったですけどね。
どちらもいい意味で欺かれるコンセプトは流石原作の持つ力でしょうか^^ それと監督かな(笑)

>ジェネラルルージュのコメントでも書いたんですが
映画にするときに変わってしまう部分を見た人がどこまで受け入れられるのか。 もちろんただの好き嫌いでしかワタシ個人は判断できないんですが
ま、それは十人十色で読む側観る側の判断で仕方がないところだと思いますし、「それでいいのだ~」とバカボンのパパも言ってますので(笑)

>中村監督と伊坂作品の相性はぜったいイイと思いますよ。
そうですね。 『ルージュ~』では中村監督らしさがやや出てなかったような・・・。

>伊坂さんが映画見た後に原作書き換えたってのは
ちょっと信じられんかったけど。(!)
へぇ~。

>「重力ピエロ」も「ラッシュライフ」もやってほしかったな~・・・。もっとも後者はまだ見てない、
そもそも大阪で見れるかどうかもわからんけど。(泣)
そのときは江戸へ来なはれ~(笑)
こんにちは。 (hal)
2009-03-24 08:29:40
伊坂幸太郎はおもしろいですね。この映画ではボブディランの曲が雰囲気を作っていたのと、濱田岳がいい味出してました。
フィッシュストーリーも見に行こうと思ってます。
濱田岳~ (cyaz)
2009-03-24 08:54:46
halさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>伊坂幸太郎はおもしろいですね。この映画ではボブディランの曲が雰囲気を作っていたのと、濱田岳がいい味出してました。
濱田岳は不思議な持ち味がありますよね~
決して主役級ではないものの、憎めない感じです(笑)

>フィッシュストーリーも見に行こうと思ってます
僕も近いうちに鑑賞予定です^^
TBありがとうございました (sakurai)
2009-03-24 09:40:21
これはよくできてましたね。
と言うより、やはり原作がいい。
その原作を妙にいじらないで、素直に作ったのがこの映画の魅力だったと思います。
時間軸のずれも原作そのままだったし、空虚な感じと、喪失感がよく出てたと思います。
隣の部屋の「山形の人」のときは、場内沸いてましたわ。
先日「重力ピエロ」を読了しましたが、こっちもとってもよかったし、映画もいい!と言う評判なので、楽しみにしてます。
原作~ (cyaz)
2009-03-24 17:22:37
sakuraiさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>その原作を妙にいじらないで、素直に作ったのがこの映画の魅力だったと思います。
そうだったんですか^^
それはぜひ原作も読んでみないとですね!

>時間軸のずれも原作そのままだったし、空虚な感じと、喪失感がよく出てたと思います。
なるほど^^

>隣の部屋の「山形の人」のときは、場内沸いてましたわ。
それは現地ならでは・・・ですね^^

>先日「重力ピエロ」を読了しましたが、こっちもとってもよかったし、映画もいい!と言う評判なので、楽しみにしてます。
やっぱ原作から入った方がいいですかねぇ(汗)
ご無沙汰です! (サトウノリコ)
2009-03-31 00:12:50
この作品は、ここ最近一番しつこく観ている映画です(笑)
そして、何度観ても泣きます(笑)
しかも、私は仙台に行ったとき、神様が閉じ込められているコインロッカーを前に大興奮でした(恥)
最近、伊坂作品の映画化が目白押しですが、映画化が一番成功しているのは、この作品でしょう。
私は伊坂ファンなので、原作は結構読んでしまっているので、映画化される度に、映画館に行くのが怖いんですが(笑)、それほどヒドイものは無いと思います。
「重力ピエロ」もすでに試写で見ましたが、原作を読まずとも大丈夫です。何しろ加瀬君が主演ですから(笑)
「重力ピエロ」は他の伊坂作品とは少し雰囲気が違うものなので、それもまた楽しみにしてて下さい。
何しろ加瀬君が主演ですから(しつこい)
というわけで、TBさせていただきます!
おひさです~ (cyaz)
2009-03-31 08:23:03
サトウノリコさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>この作品は、ここ最近一番しつこく観ている映画です(笑) そして、何度観ても泣きます(笑)
なるほど、ノリコさんのツボを刺激しているんですね^^

>神様が閉じ込められているコインロッカーを前に大興奮でした(恥)
今にも「風に吹かれて」が流れて来そうでしたか(笑)?

>「重力ピエロ」もすでに試写で見ましたが、原作を読まずとも大丈夫です。何しろ加瀬君が主演ですから(笑)「重力ピエロ」は他の伊坂作品とは少し雰囲気が違うものなので、それもまた楽しみにしてて下さい。
なるほど、では上映されたら観ることとしましょう!
楽しみです~♪

コメントを投稿

邦画」カテゴリの最新記事