京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』

2012-02-25 | 洋画

 

□作品オフィシャルサイト 「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」 
□監督 スティーヴン・ダルドリー
□脚本 エリック・ロス
□原作 ジョナサン・サフラン・フォア
□キャスト トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、マックス・フォン・シドー、
      ヴィオラ・デイヴィス、ジョン・グッドマン、ジェフリー・ライト、ジェームズ・ガンドルフィーニ

■鑑賞日 2月18日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 9.11同時多発テロで最愛の父トーマス(トム・ハンクス)を亡くした11歳のオスカー(トーマス・ホーン)。
 その死に納得できないまま一年が経ったある日、トーマスのクローゼットの上にあった
 花瓶を落として割ってしまう。 その中から見覚えのない一本の鍵を見つける。
 それが何を開ける鍵なのか解明するために街中を巡る冒険に乗り出す。
 それは父の生前、一緒に遊んだ“調査探索ゲーム”のように。
 悲しみで抜け殻のようになった母・リンダ(サンドラ・ブロック)に失望し、父が遺したはずの
 メッセージを求めて、祖母のアパートに間借りする老人(マックス・フォン・シドー)を道連れに旅に出る。

 鍵のキーになるのは鍵の入っていた封筒に書かれていたBLACKという名前。
 街中のブラックという名前を管理人スタン(ジョン・グッドマン)に借りたニューヨークの
 電話帳で住所を調べ、ブロックごとに探索マップを作り、一人一人歩いてその人たちと会い、
 父と面識があったかどうか調べて回る。
 このスタンとオスカーの端的な会話のやり取りもなかなか面白いが、ブラック探しに
 同行してもらった言葉のない、筆談しか会話できない老人との珍道中も面白い。
 そこにはオスカーの何倍も生きて抜いてきた智恵と、オスカーの一途な情熱をかわす
 かのように肩透かしを食わせる抜くシーンもなかなか興味深かった。
 それはまるでオスカーのこれからの人生を導くような道標のようなところでもあった。
 途中でこの老人の素性をオスカーはわかってしまうのだが、祖母の部屋に間借りしていた
 ときから薄々はそうじゃないかなと思っていたが(笑)
 やっぱマックス・フォン・シドーは渋いですねぇ。

 たくさんの人と出会う中で、最も鍵を握り父と面識のあった
 ウィリアム・ブラック(ジェフリー・ライト)の元妻のアビー・ブラック(ヴィオラ・デイビス)が
 オスカーの謎解きに力を貸すキーパーソンになるシーンがなんともいえずいい。

 全てを理解したところで母に寄り添うオスカーが、実はオスカーがニューヨーク中の
 ブラックを訪ね歩くその前に、自らも先に訪ねていたことを知るシーンでは薄っすら涙が落ちた。
 今回は控えめな演技ながら、近からず遠からずでオスカーを見守る母・リンダを演じた
 サンドラ・ブロック。 彼女はこの役を演じるに当たり、9.11当日にワールドトレードセンターに
 閉じ込められた人々が、愛する人たちへ遺していった電話メッセージを聞かせてもらったという。
 それがこの母親役(妻役でもあるが)をより真実に近いところで演じることが出来たのだろう。

 監督は『リトル・ダンサー』、『めぐりあう時間たち』スティーヴン・ダルドリー。
 この作品はきっと少年オスカー役こそが、ブラックの鍵のように
 まさに鍵を握っていたと言えるだろう。
 ダルドリー監督はこのオスカー役を、すでに活躍しているプロの子役選びと並行して、
 全くの素人にも目を向けたという。 で、9歳から13歳の白人少年のオーディションを
 開始し、2ヵ月に渡り選考した結果、当時12歳のトーマス・ホーンに白羽の矢を立てた
 そうな。
 彼は雑学を競う人気クイズ番組「ジェパディ!」の特別こども版で優勝したことがある
 経歴を持ち、数々の難問をクリアし賞金を獲得したらしい。

 監督が睨んだとおり、期待通りのオスカー少年をトーマス・ホーンは演じて観せた。
 まだ2月だが早くも僕の中の新人賞は半分決まったようなものだ(笑)

 またダルドリー監督はオスカー少年の持病であるアスペルガー症候群についても、
 同時多発テロで親を亡くした3,000人近くの子供たちについてリサーチを重ねたそうだ。

 近く決まる第84回アカデミー賞に、この作品は作品賞と助演男優賞(マックス・フォン・シドー)でノミネートされている。
 


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22 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
新人賞 (まっつぁんこ)
2012-02-25 08:55:39
グラミー賞と違いアカデミー賞には新人賞がないのが残念です。(笑)
返信する
Unknown (リバー)
2012-02-25 09:37:02
TB ありがとうございます。

ちょっと独特で好みは分かれそうですが
私的には好きな作品でした

トーマス・ホーン君も良かったですが
マックス・ファン・シドーが素晴らしかったですね
返信する
トーマス・ホーン (KGR)
2012-02-25 11:04:44
素晴らしいと思いました。

放送映画批評家協会賞(若手俳優賞)
フェニックス映画批評家協会賞(若手男優賞)

を取ってますが、アカデミーには「若手」を表彰する部門がないのが残念です。

一か所、面識が見識になってますよ。
返信する
Unknown (ほし★ママ。)
2012-02-25 16:01:13
管理人とかハグ好きの人とか、ちょっとホッとクスッとできる人物の配置も
すごくうまいなぁ~と、思いました。
返信する
新人賞~ (cyaz)
2012-02-26 09:52:40
まっつぁんこさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>グラミー賞と違いアカデミー賞には新人賞がないのが残念です。(笑
ですよね(笑)?
あっても言いようですが、どこまで新人と判断するかで
迷いますよね^^
返信する
爺さんと孫~ (cyaz)
2012-02-26 09:54:46
リバーさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>ちょっと独特で好みは分かれそうですが
私的には好きな作品でした
そうですね^^
トムの演技はもっと観たかったですが(笑)

>トーマス・ホーン君も良かったですがマックス・ファン・シドーが素晴らしかったですね
あの爺さんと孫の関係が面白かったですよ^^
返信する
若手を表彰~ (cyaz)
2012-02-26 09:58:27
KGRさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>素晴らしいと思いました。
ホントですね^^

>アカデミーには「若手」を表彰する部門がないのが残念です。
確かにそれは言えますよね!
ぜひ、設定してほしいです^^

>一か所、面識が見識になってますよ。
御指摘ありがとうございました。
早速、訂正しておきました(汗)
返信する
ハグ好き~ (cyaz)
2012-02-26 10:00:06
ほし★ママ。さん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>管理人とかハグ好きの人とか、ちょっとホッとクスッとできる人物の配置もすごくうまいなぁ~と、思いました
そうでしたね^^
テーマがテーマだけにああいう表現は
必要不可欠ではなかったのでしょうか。
返信する
この少年を (sakurai)
2012-02-26 15:07:43
見つけた監督の勝利でしょうね。
ほんとに素晴らしかったと思います。
きっちりと役を理解し、自然に出てくる表情が胸に来ました!
cyazさんに、辛口!?と言われちゃてますが、素直にぼろぼろ泣いてましたよ!!
母の気持ちがこれまたわかるんだ!一応、母ですから。
返信する
素直に~ (cyaz)
2012-02-27 08:21:58
sakuraiさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>見つけた監督の勝利でしょうね。ほんとに素晴らしかったと思います。
子役が決まったときは、やはり監督やスタッフの勝利でしょうね^^

>きっちりと役を理解し、自然に出てくる表情が胸に来ました!
仰る通りだと僕も思います。

>cyazさんに、辛口!?と言われちゃてますが、素直にぼろぼろ泣いてましたよ!!
母の気持ちがこれまたわかるんだ!一応、母ですから。
あら、辛口という意味では僕も同様ですが、
素直に泣けるものは泣けますよ(笑)
返信する

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