『小野寺の弟・小野寺の姉』

□作品オフィシャルサイト　「小野寺の弟・小野寺の姉」
□監督・脚本　西田征史
□キャスト　向井 理、片桐はいり、山本美月、及川光博、ムロツヨシ、寿美菜子、
　　　　　　　麻生久美子、大森南朋、木場勝巳、モロ師岡、梅沢昌代

■鑑賞日　１０月２５日（土）
■劇場　１０９ＣＩＮＥＭＡＳ川崎
■cyazの満足度　★★★★（５★満点、☆は０．５）

＜感想＞

　　こんな姉弟がいたっていいんじゃないかなぁ。　でも、顔は決して似てない（笑）
　　森田監督の『間宮兄弟』ではないけど、陽気に笑わせてもらえた。

　早くに両親を亡くし、２人で暮らしている３３歳の弟・小野寺進（向井 理）と４０歳の姉・
　小野寺より子（片桐はいり）。　引っ込み思案で奥手な進は、過去の失恋の痛手から
　いまだに抜け出せず、世話好きなより子はそんな弟にとやかく口を出しながらも、
　２人は程よい距離感を保ちながら暮らしていた。　そんな小野寺家にある日、１通の
　手紙が誤って配達される。　それをきっかけに、２人の恋と人生が動き始める。

　姉弟ともに恋愛ベタ。　小さい頃のトラウマが弟の心を占領し、いい歳になっても
　ふっきれない。　姉は姉とて、その容姿からこちらも浮いた話もひとつもない。
　だけど、この２人の生活のリズムとへんてこりんな“間”が微妙にいいエッセンスを
　醸し出していた。　兄弟というのは幼い頃に共有した想い出や記憶が必ずあるもの。
　ここではチャリでの事故が弟の心中にいつまでも重い碇を下ろしていた。
　あの昭和な畳の下預金（笑）は、やっぱ長らくに渡り、姉の歯を治すためのもの
　だったとわかったとき、その瞬間のこの２人の姉弟の２人にしかわからない
　小野寺姉弟の兄弟愛を垣間見れたように思えた。

　片桐はいりはこの手のモノは得意分野だが、向井 理もなかなか彼の真骨頂とも
　思える演技を観せてくれていた。
　ハデさは少しもなく、淡々とした日々が描かれる中で、口から出る言葉とは違って、
　やはり血の繋がりは、切っては切れないものだと確信した。

　　　“小笑い”満載のいい意味でユル～い映画だった
　　あの１，０００円札、いったい幾らあったんだろうなぁ（笑）