重慶でラン&山登り

マラソンと山登りが趣味。
重慶の街を走って見つけた面白いことを記録します。

UTMB2017 完走記その6

2017-09-12 01:27:35 | UTMB
Les Chapieuxからセーニュ峠迄は10kmで約900m登ります。自分も含めボリュームゾーンにいる選手はほとんど歩きですが、確実に一歩一歩進んでいきます。
気が付けば雨も止み、視界もだいぶ良くなってきました。

振り返るとヘッドライトの列が見えます。

なんかうまく伝わりませんが、多くの選手が前にも後ろにもいるのがわかります。

標高も2000mを越えると寒さも増してきます。それもそのはず周りは雪が積もっている場所がチラホラでてきました。

峠付近でははっきりと雪が積もっていましたが、トレイルはしっかりとしています。幸い雨は降っていなかったので寒いだけでしたが、体を動かし続けていれば気にならない程度。

そしてついにセーニュ峠に到着。

前のエイドから2時間40分かかりました。峠ではボランティアがタイムのチェックをしてくれます。寒い中本当に感謝です。

そしてついにイタリアに突入です。本来ならばここからCol des Pyramides Calcairesというもう一段上に登るコースなのですが、悪天候のためコース変更で通らなくなり、次のエイドのLac Combalまで約5km、600mの下りです。

おそらくこの先がPyramides Calcaires。確かに雪が積もっていて危険そうです。

時刻は6時30分。朝焼けが近づき少しずつ景色がみえはじめました。

漸くヨーロッパアルプスに到着した気分になります。

綺麗な景色に囲まれていますがトレイルは走りやすく安定したペースで距離を稼いでいきます。
そして7時10分。Lac Combalに到着。

ここでも標高は1970m。止まっていると寒いので補給もそこそこに先を急ぎます。

すると・・・

DVDでみたあの湖の脇を通る景色の場所にきました。DVDだと上空から写されていて自然の中に選手が溶け込んでいるようにみえたその場所に自分が立っている事が不思議な感じです。


そして少し登ります。

Mont Favreのチェックポイントを過ぎるとCourmayeurに向かう下りになりますす。

振り返ると・・・

何十回もDVDで見た景色です。2011年にトップの6名が颯爽とこのトレイルを下り降りて行ったシーンが目に焼き付いています。

前方を見ると・・・

美しいアルプスの山々を見ながら歩みを進めることができます。

Courmayeurに向かう途中にあるCol Checroutです。

ここではパスタをゲット。

チーズをかけてもらいますが味は淡泊でおいしくない・・・。それでもジェルは飽きてきたのでお口直しにいただきます。

エイドを出てしばらく走ると眼下についにCourmayeurの街が見えてきました。

ここまでくれば約80km。距離としては半分。時間としては3分の1。ドロップバッグがおいてあるので、秘蔵のごはんを楽しみに早足でトレイルを下ります。
するとトレイルを下るなか、おなかも下ってきました。汗で濡れたシャツと朝方の寒い気温で体が冷えてきたみたいです。幸い胃が辛いという気持ちはありませんが、括約筋を活躍させないといけない状況です。このままクールマイユールの街まで頑張ろう。でもこの長旅こういうトラブルは早めに対処したほうが良い。結果としてその方が体調は良くなるはず。だんだん走ると何かが出てきそうで競歩の状況になってきました。こうなると景色ではなく物陰を探す旅となってきました。しかしここは整備されたトレイル。いい感じの物陰がありません。しかもすっかり明るくなってきており、どこにいても人目につきます。

そしてついに我慢の限界に達した時、意を決して草むらの奥に向かい早歩きします。朝露に濡れた草で靴がぬれるのもお構いなしに奥に向かい50m程コースアウトして何とか人目につかない場所にたどり着き、至福のひと時を過ごします。

すっかり身も心も軽くなり、トレイルをかけ下った後、Courmayeurの町中をはしり抜けます。

そして9時50分、エイドの体育館に到着。ここまで80kmを15時間20分。想定より30分以上早く到着しました。

ドロップバッグがおいてあり、自分のビブの番号の袋を渡してくれ、袋を持って2階に上がり体育館に入ります。


中は大混雑。選手とサポートの人であふれています。何とか座る場所を確保します。ドロップバッグの中にはあらかじめ何をやるかを書いた紙をいれており、補給の抜け漏れがないようにしています。まずは携帯とGPS時計の充電から始め、食糧にお湯を入れてもらい、テーピング、コンタクト、服の交換、食糧の補給等々順番に行っていきます。

ここでもパスタをもらいましたが、やはりあまりおいしくないです。日本から持ってきたカップヌードルぶっこみ飯が体中にしみわたりました。

このエイドでは少し遅れてやってきたS君とも会え、お互い検討を祈りあいます。
結局30分位の休憩を予定していましたが、若干貯金もできたこともあり1時間休憩をしてしまいました。しかし想定通りここまでで約3時間の貯金ができたので、後半は気持ち的には楽に走れます。しかも80kmまできましたが、お腹を下したものの、足、胃共に大きなダメージもなく順調に来ています。しかもスタート直前まで休んでいたこともあり、まだ眠くありません。こんなに体調が良いことは初めてというくらい快調にここまでやってくることができました。

このまま丁寧にいけば40時間切るのも夢ではないと思い始め、後半戦へと向かいます。

つづく。

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