重慶でラン&山登り

マラソンと山登りが趣味。
重慶の街を走って見つけた面白いことを記録します。

UTMB2017 完走記その11

2017-09-18 08:27:58 | UTMB
なんとかTrientのエイドに到着します。
胃の調子は悪くないのですが、何か食べるとお腹の調子が良くなくなるためエイドでは食べ物は補給することを諦め、眠気覚ましにコーヒーだけを飲みます。

暫く休んでいるとS君もエイドに到着します。クールマイユールでは約1時間位自分が先行していましたが、ここで略同じとなりました。あまりにも眠いこともありこの先一緒に行かないか相談します。最初はペースが違うからという事で断られましたが、何とかお願いして一緒に行っていただけることになりました。

S君のエイドでの補給を待ち、トイレで用を足しTrientを出発。
最後に残された2つの山を一緒に越えていきます。その間色々と話をしました。自分は人見知りですが一度お会いしたことがある人とは結構打ち解けることができるので会話も弾みます。しかしこの眠たい時間帯、話していても内容は特になく、ただバカなことを言って盛り上がったような気がします。
後2山だけど最後の山はコース変更でショートカットだから実質1.5山だから頑張ろう。夜明けまでもうすぐ。終わらない夜はない。とお互い励まし合いながら進んでいくといつのまにかスイスとフランスの国境であるピークのCatogneを過ぎていました。
次第に夜もあけ、壮大な景色が広がります。

S君と「こういう景色の中を走りたかったんだよね」とか、「夜にゴールした人はこの景色見れなかったよね」とか話をしているうちにそうだ記念写真を撮ろうということになり、お互いに走っている写真を撮り合います。

壮大な景色をバックに(写真を撮るときだけ)走ってみます。

そうやって楽しんでいるうちにどんどん選手に抜かれていきますが、「ここまできたら時間より楽しむことを優先にしよう、いやむしろ制限時間いっぱいまで目一杯レースを堪能しよう」とか「多くの人がゴールで待っている昼間にゴールして多くの祝福を受けようよ」と関門アウトにならないペースでゆっくり行くことにします。

そんなこんなで麓までおりてきてVallorcineのエイドに到着。

時刻は朝の9時45分。このエイドの関門時間は11時15分。1時間30分しか貯金がありません。しかしここからは最後のひと山。11km登って8km下るだけ。貯金としては十分です。

最後はコース変更がありLa Tete aux ventsというピークは通らず、直接最終エイドのLa Flegereに向かいます。そうは言っても900m程のUPがあり、ゴールまでは1200m程の下りがあるようですが、いよいよ最後の山となり色々な思いがこみ上げてきます。S君と一緒に最後の山に向かいます。

最後の登りとなり気温も上昇してきて暑くなります。レインパンツ、レインジャケットも脱ぎS君と話をしながら進みます。
「もうここまで来たら完走は間違いないよね。なのでもう完走にしてもらえないかな?」とか、「ゴルフのパットでいうならもうOKだよね。だから完走でいいよね」とか「ゴールのポーズはどうしよう?やっぱ両手上げる?ゼッケン見えたほうがいいかな」とか、どうでも良い話をしながら最後の登りを楽しみました。

道中今まで見えなかったモンブランもついにその頂の姿を見ることができました。(真ん中の少し丸い雪山がモンブラン)

そしてついに登りきったところでLa Flegereのエイドに到着。

時刻は13時45分。ここの関門は14時45分。1時間の余裕を残しています。後は8kmを900m下るだけでシャモニーにつきます。

滑落でもしないかぎりゴールは間違いありません。ゆっくり行こうと思っても自然と歩みが早くなりついつい走ってしまいます。
1時間少しでシャモニーの街におりてきました。
ここから最後のゴールまでは走る事にします。

川沿いを少し走っていくとシャモニーの街中に。多くの人がブラボーと迎えてくれます。

いよいよゴールが近づいてきます。先行するS君を後ろから激写します。

どんなに制限時間近くの遅いタイムでも完走した人みんなが勝者です。大きな声援で迎えてくれます。


ゴール前の最後の道。S君とお互いに記念に写真を撮り合います。この場所に立ち、モンブランを1周してこの場所に戻ってくることを夢見て始めたトレラン。そしてその夢がついにかなった瞬間。しかもこんなに多くの人に囲まれた至福の時。


そしてついに・・・

ゴーーーーール!!

46時間の制限時間の中で45時間弱というタイム。致命的な大きなトラブルもなく最後まで本当に夢の舞台を楽しむことができました。

レースを終わった感想としては・・・
・本当にホスピタリティはすごい。皆が世界一というのは納得。
・想像していたものと違いコースは単調。難しいパートはなく走れるひとは走れるコース。
・山の一つ一つが大きいとよく言われるが4K(逆トルデジアン)で経験した山と比べると物足りない位。
・今年は前半天気が悪かったが、程よい気温となり景色は一部楽しめなかったがレースには適した気候だった。
・レース参加者が多く、期待していた選手やボラの方との交流みたいなものがあまりなかったのは残念。
・100マイルはやはり辛い。でも途中でリタイヤしたいと思った事やリタイヤしそうと思ったことは1度もなかった。
・100km近く走っても普段は痛くなる膝や足が痛くなかった。やはりUTMBに対しての特別な思いと特別な何かがある。


そして今回完走できた要因としては
・スタートギリギリまでホテルで休んだため、睡魔と闘う時間が後ろ倒しとなった。
・気温が低くレースには適した環境だった。
・直前まで行ったランジスクワットのおかげで登りの筋肉がついた。
・過去にもっとつらい経験をしていたため、耐性、免疫力がついていた。
・お腹を冷やさないように基本厚着をしていた(お腹は下したが、胃が気持ち悪くならなかった)
・UTMB独特の雰囲気でドーパミンがかなり分泌されていた。
・自分の集大成のレースであり完走する事しか考えていなかった。
・いろんな友人、仲間から応援してもらえた。
・最後S君と一緒になりものすごく力をもらえた。
・家族がレースに対して理解と応援をしてくれた。

正直もっとハードなレースになるかと思っていましたが、いろんな幸運に恵まれて余力を持ってゴールすることができました。

最後に100マイル一緒に3カ国渡り歩いた(走った)靴と一緒に。


6年間抱いていた夢がついに実現した瞬間。本当に最高のひと時でした!!

つづく。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (CQ Climber)
2017-09-18 19:16:08
お疲れ様です。つづくって.......期待しています。
やったー ご苦労様です (山岳耐久王国)
2018-01-06 18:01:51
おめでとうございます。

MBを目指すために、なかなかポイントとなるレースエントリーができない日本国内レース事情に嫌気が刺し、一時期、外国のレースに照準を絞って研究した時代がありましたが、きっと異国の地で情報の少ない中、その分だけ、妄想を含めていろいろな想像ができて、楽しまれたのではないでしょうか?

大連のレースのBLOGを職場の大連の中国人に見せたところ、犬の放し飼い、木道、プロポーズ写真の前に載せている公園の写真で反応していました。

海外のレースでは特に、異文化の素晴らしさ、反対に日本の素晴らしさを感じることができるので、このHPに触発されて、また海外のレースに出たくなりましたよ。

長きにわたり、ご苦労様です。

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