カラス

カラスと共に生き物の世界を覗き見る

成長5

2006-10-06 21:57:19 | 行動

 公園のカラスの雛の姿が少なくなり私としては少々寂しい気分である。数ヶ月前にはひたすら親におねだりをしていた雛達も、早いもので独り立ちをしてその姿を消しつつある。もう会えないかも知れない雛達・・・・・。これからは仲間と共に社会生活を学び、カラスの世界の掟を学び、番相手を見つけて、やがては縄張りを確保し親となる事だろう。どうか元気に過ごして欲しいと願うばかりである。

 「家族愛」「災難5」「子煩悩ボソ」の雛の成長を追ってみた。

 6月18日、雛が巣立った。雛は2羽だった。巣立ち前から念入りに羽ばたきの練習をしていたので巣立ち後に地面に降りてもちゃんと飛び上がる事が出来た。見た目も弱々しさは感じられないでしょう?瞳がブルーでとても可愛いと思うのである。

 6月下旬頃の雛の様子である。既に自分で採食も出来るようになっていた。ブトより成鳥が早いかもしれない。

 7月上旬である。この頃になると毎日暑くて雛も口を開けている事が多かった。親の一羽は少し離れた枝から見張るパターンが増えてきた。兄弟で突きあって遊ぶ事もあり、本当に無邪気で可愛いの一言に尽きる。

 8月のお盆過ぎの様子である。実はこの頃に兄弟の姿が見えなくなってしまった。もしかしたら死んでしまったのかも知れないが、確認する事は不可能だった。1羽になってしまったのだが、兄弟の分まで思いっきり親に甘えていた。

 9月半ばの様子である。換羽が始まり少々みすぼったらしくなってきた。頭の羽は未だに幼羽のままである。この頃のボソはみなこのように頭と体の色合いが違ってくる。換羽もブトとボソでは違うと感じている。

 もう瞳もブルーではなく、大人の瞳と変わらなくなってきた。嘴角の赤みもほとんどなくなっている。ここまで成鳥したらもう大丈夫だろう。この頃のなると頻繁に威嚇鳴きの練習を始める。時々親が威嚇鳴きをした相手を見て鳴き始める事がある。ちゃんと親の行動を見て記憶している事になるだろう。

 こうして子煩悩ボソの雛は独り立ちを迎えようとしている。このボソは相変わらず子煩悩なのである。時々隣の縄張りのブトが雛目掛けて低空飛行をしてくる事がある。そうなると親は必死になりブトを追い払おうとする。「もう数年前のようにはさせない」という志でもあるかの用に・・・・・。

 公園で生まれ育ち、公園を去る。これは毎年確実に行われる儀式のようなものである。このボソの雛数は決して多くはないのだが、人一倍子煩悩なのである。今年も川の字になって眠りに就いていた事がある。きっとこの雛も親になったら子煩悩になるに違いないと思っている。頑張ってね。未来の子煩悩ボソ・・・・・。


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2 コメント

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からす (きんいろのからす)
2006-10-10 04:16:29
今晩は。ネット記者とサイト管理の両立、お疲れ様です(そう言いつつコメントを増やして済みません)。ネット新聞の記事で賞を取られたそうですね。おめでとうございます。

色々な災難に見舞われたハシボソの雛、今年も1羽とはいえ元気に巣立ってなによりでした。以前の記事でブトがボソの巣や雛に自発的に攻撃を加えるという話を非常に興味深く読ませていただきました。ブトがこのような行動をとる理由はまるで嫉妬のようでもありますね。自分の縄張りの近くで他の鳥が雛を育てたり自分と同じ行為を取ることは赦せないのでしょうか。

ブトボソさんも大好きなカラス達と思う存分触れ合うよりも無理解者に対する啓発活動に時間を取られてしまうとのことですが、必要とはいえ不愉快な思いをなさること多々あるのではと心配です。以下は私の拙い観察ではありますが、お目汚しにカラスのお話を書かせてください。



○俺様は強いんだ

以前、主人と近くの川原を散歩していたときのことです。土手の上を歩いていくと下の川原で番のボソが餌を探しています。私達が上を通ると二羽でさっと飛んでいきました。ここまではいいのですが、こちらが元来た方へと戻るとまた先の方であの番が餌を探しています。ここで主人が少しからかってやろうと土手を降りて番ボソに近づいて行きました。

10m、平気平気。余裕たっぷり。

5m、まだまだ余裕。

まっすぐに番を見据えて一歩ずつ草を踏みしめて近づきます。

3m、ん?なんかまずいかな。

雄?が少し気にし始めますが、まだ知らん顔、雌は一生懸命草に頭を突っ込んでいます。

2.5m、これはまずいか。きょろきょろ。

2m、遺憾遺憾。いきなり身構える雄。

1.5m、バッと飛び立ちます。

羽音におどろいた雌が今まで雄がいた方を見ると1m先に主人が仁王立ち。雄は雌がついてこないので逃げるに逃げられず主人の頭上2mでホバリング状態!雌は腰を抜かして飛べなくなり、必死でお辞儀鳴き(おいてかないで、助けて、食べられちゃうー)。(どうしようどうしよう。自分だけ逃げちゃおうか)この間約30秒、ようやく雌を誘導して逃げていきました。

番になると一層雄の自覚が強まるのか、自己の強さを顕示しようと意地を張るような態度を見ることがあります。こちらに殺気や悪意が無かったので対応が遅れたのかも知れませんが、意地を張り過ぎるのは危険の元です。あの後、あの雄は雌に嫌われて離婚されたなどということは・・・ないでしょう。



○どっちがどっち

8月も半ばの暑い暑い日、ドライブに出かけた時のことです。信号器の上にカラスの親子、真ん中が雛です。食欲旺盛の雛は、例によって親(父鳥?)に盛んにラブコールをしています。でもそろそろ独り立ちを促そうというのか冷淡な態度。痺れを切らせた雛は怒って親の嘴に自分の嘴を突っ込んでしまいました。当然乱暴に振り払われてしょげ返る雛にもう1羽の親が近づいて優しく羽繕い。信号待ちに見た光景です。

よしよしとなだめる姿は人間の親子のようです。

父鳥と母鳥ではやはり雛への態度や接し方が違うのでしょうか。こちらの先入観では父は厳しく、母は優しく(今は古いか?)なのですが、カラスにも当てはまるのや否や。



○音階遊び

ねぐら近くでブト達が群れている夕方の一時、五羽のカラスが一塊に止まっています。

一羽がかーと鳴きますと次の一羽が少し高い声でかー。また次の一羽がもう少し高い声でかー。更に次がもっと高くかー。最後もそれよりも高くかー。一巡すると始めに戻ってこれを何度も繰り返しています。よほど面白いのでしょう。その群れだけの遊びのようです。



○カラスの学校

学校に行くのは人間の子供ばかりじゃないです。昔からスズメやメダカも学校へ行っていますし、

昨今、犬だって行っているのがいます。当然、鳥の中で一番頭のいいカラス君も学校へ行かないとなりません。

家の脇に立っている電柱に止まるブトカラスが四羽。親と巣だったばかりの雛達です。互いに向かい合っています。親の一羽がぴょんと前に出て、首を突き出して大声で「かあかあ」。雛達も何とか真似してぎこちない動作で「かぁかぁ」。でも未だ良く鳴けません。こうやって鳴くんだ、何度も何度も親先生について練習です。

暫く経つと今度は少し離れた家の屋根に飛んでいきました。親が横向きに屋根を一歩ずつ登ります。屋根の中程まで登ると縁に止まっていた雛に振り返って「かー」。雛達もおっかなびっくり親と同じ格好で登っていくのです。

子別れまでの短い時間、本当にカラス達は一生懸命生きる術を伝えますね。基本はまず親がしっかり教える。次に若鳥の群れに入って社会性や順位を身につけ、伴侶を得て次の世代を生み出す。この頃の人間はこんな当たり前のこともままならないようです。寿命が延びた分、大人になる時間が長すぎるのでしょうか。でもカラスだって寿命の3分の1は子供時代なのですが。



ブトボソさんの観察なさっているカラス達はどうでしょうか。こんな光景を幾度もご覧になっているのではありませんか。カラスを見ていると理屈抜きで懸命に生きること、正直に真剣に物事にあたることの大切さを思い起こさせてくれます。

長文にお付き合い頂き有り難うございました。









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きんいろのからすさんへ (ブトボソ)
2006-10-10 06:02:33
こんにちは。



面白いお話をありがとうございます。同じ経験を私もしています。



○俺様は強いんだ

♀が鳴いたのは人への警告だと思います。「あっち行ってよ!ここは私達の場所なのよ!!」って感じでしょうね。



○どっちがどっち

私の観察では♂の方が雛を甘やかしていると思います。♀が独り立ち近い雛を追いやっても、♂が積極的に給餌をしてしまいます。面白い行動だと思いますね。



○音階遊び

独り立ちした雛や若ガラス達が集まり鳴き交わすという行動は今の時期の多いと思いますね。威嚇鳴きの練習もしています。この時点で既に危険人物を親からの刷り込みで記憶しています。その人物が来ると迫力のない威嚇鳴きをしています。(^^;



○カラスの学校

この光景は見ていても可愛らしさが感じられますよね。数羽の成鳥と雛がいて、成鳥のやっている事を見よう見真似で行っています。時には足を踏み外して転がりそうになり、「グワァ」といった鈍い声を出す事もあります。



カラスの行動を見ていると飽きる事がありませんし、何気ない行動が新たな発見にも繋がります。また面白い行動をを見たら教えて下さいね。
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