金刀比羅宮参りには、785段の石段が待っている。その785段を踏みしめて登るプロセスは、飽きないほどに多彩な空間が待ち構えていて面白い。参道が適度に折れ曲がり、次の空間は丸見えではなく、チラリズムの中にある。
この写真は365段めにある大門から階段を見下ろした光景だ。1年365日を思い出させるように、365段めのアクセントポイントがある。そして、前述した資生堂パーラー「神椿」は、キリ良く500段めにあった。途中、“ここの階段は女性の厄除け階段で、このブロックだけで33段”とガイドが解説していた。
プロセスとともに存在する数字が妙に気になった。リズム、キリの良さ、配列、見た目。数字が持つ美感、とでもいうのだろうか、並べ方の美意識を感じる。お百度参り、二礼二拍手一礼、などもまさに数字の妙だ。