コード・ブルー ～ドクターヘリ緊急救命～ ２nd season 第４回

第４回

『過ぎし日』






『人は人から必要とされないと生きていけない。

医者はその為に腕を磨く。

既往歴。過去の病歴を聞くのは、

医者にとって大切な仕事のひとつ。

それによって診断は左右され、

処置も変わってくる。

そう、それは人だって一緒。

いつだって人は過去に左右され捕らわれる。

苦い過去。辛い過去。切ない過去。

偶に過去と決別する者もいるが・・・

大抵の場合、人はそれを引きずっている。』



絹江は順調に回復していた。


「どういうことだよ。」


「死んだんだよ。

お前の父親は死んだ。」



白石に恒夫という男からメール。


「あんた男いたの？

昔の男？ マジで？

あんた人に心カテ受けさせるわ、

フライトの数多いわ、その上男。

どんだけやり手なの？

どんだけ多忙なの？ ショック・・・」


「ゴメンね。」


「謝るな。」



三井と西条。


「そもそも、あいつは何で翔北に来たんだろうな。」


「さぁ、分かりません。」


「会いに来たんじゃないのか？ 君に。」



ドクターヘリの要請が入る。

強風で落ちてきた看板に強打した女性。



田沢が急変。



緋山が診た患者は前日にも来て受診していた。

白石が生ガキによるノロウイルスと診断。

しかし実際は腹部大動脈瘤の切迫破裂。



ドクターヘリで運ばれて来た女性・由紀菜は元気そう。

今まで大きな病気はしたことがないと言う。


「妊娠してっけどね。」


由紀菜は妊娠２４週目だった。



田所に注意される白石。

休みを入れて無理しないよう命令された。


忙しすぎで判断力が鈍る。

少し休むようにと橘にも言われる。


「あまり無理すると傷つくぞ。
　
患者と自分をな。」



橘は昔、超未熟児の子に挿管しろと西条から言われた。


「練習だよ。

こんな超未熟児に挿管する機会、

滅多にないだろ？」


あとはただ死ぬのを待つだけ。



由紀菜は親も来ないし、

赤ちゃんの父親も妊娠が分かってから

連絡が取れなくなったらしい。


「先生さ、顔良くって頭良くって、

人生超ラッキーって感じっしょ。」


由紀菜が破水しているのが分かり処置室へ。



落ち込んでる白石に声をかける緋山。


「過去に捕らわれてんのはあんただけじゃないよ。」


呼吸器をつけてた苦しさ、痛み。

事故のフラッシュバックで

息が止まりそうになる時がある。

同時に助けてくれたみんなを思い出すと。


「だから頑張れるんだよ。

ひとりで出来ることなんてたかが知れてる。

なんでも自分だけで抱え込まないで。」



由紀菜の手術は無事成功。


「一命は取り留めたが、まだ予断は許さない。」


「マジで？ もう勘弁してよ。

看板命中するわ、手術になるわ。」


「お前じゃない。赤ん坊の方だよ。

お前は元気だよ。驚くほどな。」


「あの悪いんだけどさ、私・・・」


「分かってる。見たくないんだろ？

いいよ、見なくて。

お前みたいな親ならいらない。

子供は産み落とされればひとりでも生きて行くんだ。」



絹江を訪ねて来た誠次。


「僕はいい子？

それがあの子の口癖だった。

あの子は親に嫌われてると思ってるの。

自分がいい子じゃなかったから捨てられた。

いい子じゃなきゃ愛されない。

優秀じゃなきゃ必要とされないと思ってるから、

頑張って勉強して奨学金をもらって医者になった。

お前は逃げたんだよ。

忘れてないだろうね？

お前が言ったんだよ。
　
死んだことにしてくれって。」



赤ん坊を見てる藍沢のところへやって来た由紀菜。


「何の用だ。

お前にも良心なんてものがあったのか？

俺のこと恵まれてるって言ったな。

俺には両親がいない。

物心ついた時から。

でも親が欲しいなんて思ったことは一度もない。

ひとりでも生きていけるんだ。人は。帰れ。」


赤ん坊の手が動いてるのを見た由紀菜。


「この子は生きようとしてるんだ。

たったひとりで。」


「ねえ、私にも触らせて。」



病院裏で倒れてる子供を発見。

シニアは全員いない。

白石と緋山で処置をする。


「クラムシェルか。よくやった。」


戻って来て、見た橘に褒められる２人。



赤ん坊を触って「超かわいい～。」と由紀菜。


「私に育てられるかなぁ？」と呟く。


「授業参観は行ける時だけ行けばいい。

ただ、運動会は少し無理をしてでも行ってやってくれ。

担任の先生とする二人三脚は辛い。

俺に残ってる親との思い出は、

ただ一度父親に頭を撫でられたことだけだ。

いい子にしろよって。

家を出て行く日。

一緒にいさえすればいいんだ。

ただ、子供と一緒にいてやれば。

それだけだ。」


「先生のおばあちゃんに聞けばいいのかなぁ？ 育て方。

だって先生みたいに育って欲しいもん。」



冴島が田沢のところへ来る。


「怖いんだ。

外見も中身も毎日どんどん醜くなって行く自分が。」


「そうね。

あの頃のあなた輝いてた。

いつもずっと私の前歩いてた。

きっとそこに憧れた。

あなたは確かに変わった。

でも好きっていう気持ちは少しも変わらないの。　

だから辛い。」


「そのブローチ。」


「初めてのプレゼント。

あなたからの。」


「ダサイな、今見ても。

でも初めてつけてくれた。」


「後悔してる。

もっと早くつければ良かった。

たったこれだけのことで、

あなたは笑ってくれるのに・・・」



白石に着いて来た緋山。

スナックで待ち合わせ。


「正確に言うと昔は男なんだけどね。

本名、大山恒夫。」


元患者・メリージェーン・ヨウコ。


聖子はニクソンとの写真を見て決断。


「私決めた！

いつまでも過去に捕らわれても前に進めない。

ジックリ話そう。３人で。」



『過ぎ去った日々は決して戻って来ない。

そして取り消す事ことも出来ない。

自らの生きた今が、

明日には過去の思い出となる。

つまり過去は自分の生きた証だ。』



挿管した赤ん坊を見ていた橘。

見かねた三井が声をかける。


「橘先生が身につけた技術で、

今度は命を救われる子供も出て来るかもしれない。

技術を身につける為の処置は間違っていません。

ここは大学病院なんだから。」


「この子・・・さっき心停止した。

１０分ほど前に。

頑張ったんだぁ、この子。

５日間も。

きっとこの子は・・・

助けてもらえるって思ってたんだろうな。

な？ ゴメンな。ゴメンなぁ。」



『だがどうすればいいのだろう。

思いも知らない過去に、

知る由もない過去に突然出会った時。

人はどうすればいいのだろう。』



藍沢と絹江。


「屋上からって？

自殺だったってことか？」


「違う。あれは事故よ。

自殺なんかじゃないわ。」





結局、母のことはちゃんと分からず・・・

まだ引っ張るのか。



橘にも辛い過去があったのね～。

あれは・・・心に傷が残るかもね(-_-;)



森本、結婚出来ないかも(笑)

ニクソンと話しするかな？



メリージェーン・ヨウコが

再び出て来るとは思わなかったよ(‐∀‐；)





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