○羽根つき唄
ひとめ ふため
みやこし よめご
いつやの むかし
ななやの やくし
ここのつ とーお
羽根つきには、打ち合って「落としたほうが負け」の競技的なものと、
落とさないでどれだけ長くつけるかを競うものとある。
この唄は後者。
たぶん父方の祖母(滋賀県出身)に教わったもの。
10回くらいなら…と思うが、この唄のリズムで羽根をつくには、
ある程度の高さに打ち上げないといけないので、
風が吹いたりすればけっこう難しい。
「いつやのむさし ななやのやつし」
と覚えている人もいるようだ。
地域差なのか、こちらの覚え間違いなのか。
<追記>
「いつ」→「昔」
「七夜」→「薬師」
という連想による語呂合わせ。
「みやこし」がよくわからないが、「嫁御」から想像するに、
「玉の輿」などという「輿」だろうか。
<また追記>
60年代の大映時代劇をみていたら、幼女がこの唄をうたいながら
お手玉を放り上げては受けとめて遊んでいた。
江戸時代にはお手玉唄だったのかと一瞬思ったけれど、
たぶんこれは違うでしょうね。
遊びと唄とはふつう一体化して伝承されるものだ。
お手玉(いわゆるジャグリング)にはもっとテンポの速い唄がつく。
お手玉のうまい子役がみつからなかったので、
苦肉の策でゆっくりした唄をもってきたのだろうか。
時代劇を見ながらこういうことを考える人はいないと思うけど。
○お手玉唄
おしろのせ おんしゃのせ
おおさか おさかで ほい
やすやで ほい
やすやまかせで おかごで ほい
いくらです ごひゃくです
もうちょっと まからんか すからんかね
おまえのことなら まけとこか
ひーや ふーや みーや よーや
てんのうじの おさるさんが
あかいおべべが たいそうすきで
おはらをたてて ててしゃん ててしゃん
母方の祖母(大阪の商家出身)から聞いたもの。
「まからんか」や「天王寺のお猿さん」がいかにも大阪。
お手玉唄でも、北九州で生まれ育った母のは
「おひとつ おとして おーさーらい」というもので、
「おしろのせ」で遊んだことはないそうだ。
こういう唄は、親から子へ、というよりは、
その地方で、子ども同士の間で伝承されるものなのだろう。
○じゃんけん唄
せっせっせ からりとせ
いし かみ はさみ
かみなりせんこで ぼたもち ほい
神戸で、幼稚園から低学年のころ。
「せっせっせ」…相手とてのひらを3回合わせる
「からりと」…両手でくるくる糸巻きの動作
「せ」…相手とてのひらを1回合わせる
「いし かみ はさみ」…両手でグーパーチョキ
「かみなりせんこで」…両手の人差し指で頭にツノ
「ぼたもち」…両手で丸めるしぐさをして
「ほい」…じゃんけんをする
手遊びをかねた悠長なじゃんけんである。
もっと普通にやるときでも
「じゃーいーけんでー ほーい もひとつ ほい」と
のどかな節がつくのが神戸流で、
東京っ子は、気が抜けてしまうのだった。