峠を越えて、かかしを見に行く。
隣町に、ひときわリアルで凝ったかかしを作る人がいて、
道路沿いの田んぼを舞台に、毎年趣向をこらして見せてくれ、
地元では名物になりつつある。
かかしは5人組だ。
最初の頃は2人だったと思うが、いつからか数が増えた。
おそろいの白い半袖シャツを着ている。
背格好も雰囲気もよく似ているので、5人兄弟か、
もしかしたら5つ子かもしれない。
どこが凝っているかというと、全員ポーズが違う。
虫捕り網をかまえていたり、田の中でかがんで作業をしていたり、
あぜ道に腰をおろして休んでいたり。
かかしといっても、棒きれでできているのではなく、
等身大の人形で、関節も曲がるようになっているらしい。
麦藁帽子をかぶったり、タオルを首に巻いたりしている様子、
両手を腰にあてて稲穂を眺める姿勢も、
遠目には本物の人間そっくりだ。
しかも、それぞれの位置が、見るたびに違う
(…ような気がするのですが、気のせいかもしれません)
帰りにまた同じところを通ったら、かかしがひとりふえていた。
あれ? ひとりだけ青いシャツだ。
5人兄弟のお父さんかな。
と思ったら、それが、ゆっくり動いた。
本物のおじさんでありました。
ああ驚いた。
もうひとつ凝っているのは、稲刈りのすんだあと。
本来の役目を終えても、かかしたちは、すぐには引っ込まない。
昨年は、きれいになった田んぼの真ん中で相撲をとっていた。
ふたりが取っ組みあい、ひとりが行事をつとめ、
あとのふたりが手を叩いて観戦、という愉快な光景であった。
今年は何かなあ。
楽しみだなあ。
隣町に、ひときわリアルで凝ったかかしを作る人がいて、
道路沿いの田んぼを舞台に、毎年趣向をこらして見せてくれ、
地元では名物になりつつある。
かかしは5人組だ。
最初の頃は2人だったと思うが、いつからか数が増えた。
おそろいの白い半袖シャツを着ている。
背格好も雰囲気もよく似ているので、5人兄弟か、
もしかしたら5つ子かもしれない。
どこが凝っているかというと、全員ポーズが違う。
虫捕り網をかまえていたり、田の中でかがんで作業をしていたり、
あぜ道に腰をおろして休んでいたり。
かかしといっても、棒きれでできているのではなく、
等身大の人形で、関節も曲がるようになっているらしい。
麦藁帽子をかぶったり、タオルを首に巻いたりしている様子、
両手を腰にあてて稲穂を眺める姿勢も、
遠目には本物の人間そっくりだ。
しかも、それぞれの位置が、見るたびに違う
(…ような気がするのですが、気のせいかもしれません)
帰りにまた同じところを通ったら、かかしがひとりふえていた。
あれ? ひとりだけ青いシャツだ。
5人兄弟のお父さんかな。
と思ったら、それが、ゆっくり動いた。
本物のおじさんでありました。
ああ驚いた。
もうひとつ凝っているのは、稲刈りのすんだあと。
本来の役目を終えても、かかしたちは、すぐには引っ込まない。
昨年は、きれいになった田んぼの真ん中で相撲をとっていた。
ふたりが取っ組みあい、ひとりが行事をつとめ、
あとのふたりが手を叩いて観戦、という愉快な光景であった。
今年は何かなあ。
楽しみだなあ。