ちあの散歩道

輝いてアラカンヌ☆ありがとうの言葉を添えて暮らしのドアをそっと開けると今日も豊かな感動と新しい気づきが待っています。

ああ、鴨居玲。

2010年08月20日 | 映画・芝居・芸術など


横浜そごうの「そごう美術館」で鴨居玲展が行われています。(~8月31日まで)。
「没後25年『鴨居玲 終わらない旅」。
(写真は今回の展示の図録表紙です。)

日本の画家の中で一番好きな画家は誰ですか?と訊かれたら、私は迷わず鴨居玲と答えるでしょう。
最初に鴨居玲を観たのは1995年の千葉そごう「そごう美術館」での展示でした。
鴨居が目当てではなく、期間を勘違いしていて誰か他の画家を目指して行き、迷い込んだのが鴨居玲展でした。
こんなご時世、「千葉そごう」にはもうそのときの美術館はありません。

以来、鴨居に恋焦がれている私。
鴨居の描いた絵が好きなのはもちろん、ニヒルな佇まいの鴨居玲その人にも惹かれるものがあります。ミュージアムショップでは、図録の他に、鴨居玲を撮った写真集が売られていて一瞬迷いましたが、やはり図録を買う事に。
鴨居の自画像などもしびれるほどに好きな絵です。

神戸大震災のあとの復興めざましい頃、大阪に住む友人たち10人と神戸のどこかを訪ねた折り、その建物の階段の踊り場に鴨居玲の絵が掛けられていて、ひそかに私は狂喜しました。鴨居は神戸出身なのですから、鴨居の絵がさりげなく飾られていても何の不思議もありません。
私がその絵に気づくと同時に、友人の中の一人がその絵を見て一言。「ねえ、ねえ、見て!!こんな気持ちの悪い絵のどこがいいのかしら?こんな絵、掛けんといてほしいわ」と豪語。他の人たちもその意見にならい、私は口をつぐみました。

私の好きな「石の花」は鴨居52歳のときの作品。今回の展示では観ることができませんでした。
1985年57歳で没。
もちろん展示作品約80点の作品の中には初めて触れるものなどもあり、なかなか観ることのできない鴨居作品を鑑賞することができて、横浜まで足を延ばしてよかったと思いました。

図録と原画との歴然とした大差、しかし、図録を手元に置いて折りに触れ、鴨居玲を眺めるうれしさは格別です。

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