ペンシルハウス物語~東京日和~

-gozar de tokyo-きまま そのまま なすがまま 

御舟とサルガド

2009-12-06 | 観 Movie Museum
重宝しているコリン父から送られてくる
美術館招待券。

しかし会期終了が迫っている事が
多いので焦りつつ、タイプの違う展覧会へ。

恵比寿にある山種美術館で開催されている
「速水御舟 -日本画への挑戦-」


恵比寿駅から坂道を登りきった所に
10月に新しく移転開館した日本画専門美術館。

速水御舟作品を115点所蔵している中からの
記念特別展。

写実的な表現技術は素晴らしく
ポスターにもなっていた「炎舞」はまるで

力強い炎の揺らぎから、
熱さが伝わってきそうな勢いがある。

御舟の深い観察力に裏打ちされた絵。
そのスケールの大きさに圧倒される。

なんて言いながら今回の展覧会まで
知らなかった画家。勉強不足である。ある。

某日。
恵比寿の都立写真美術館で開催されている

写真展「セバスチャン・サルガド -アフリカ-」へ。



フォトジャーナリストのセバスチャン・サルガド氏が
写真家としてスタートしたアフリカの地。

36年間にかけて撮影した作品の中から
アフリカを見る。

貧困と飢えと紛争。
アフリカのイメージといえばそれに尽きる。

しかし、アフリカは大きく豊かな大陸。
美しい自然と野生動物と逞しく生きる人々がいる。

サルガドはアフリカの人々の中に入り
同じ目線で現実を写真に納めている。

美しい大地が、干ばつにより荒れ果てた砂漠に変わり
その中を痩せこけた子供の手を引いて歩く女性。

その写真の事実は悲惨さだけなのかもしれないが
サルガドの写真には、

どうしようもない現実であっても
人が生きていく強さを感じる事が出来る。

聖書は読んだ事がないのに
なぜか聖書の一部に見えてくる。

その位生きていく事は神々しい。

写真は世界共通の言語であると
サルガドは言う。

簡単には撮影できない写真からの現実から
何を思い、何を感じ、何を見出して、何を伝えていくか。

そんな事を考えずにはいられない
見ごたえある写真展。

今年一番かもな。