かりおかの実験室

実(体)験を書き綴っています。買ってみた。作ってみた。やってみた。行ってみた。使ってみた。・・・などなど。

タイマIC555の微妙な実験 -その2-

2013年03月01日 | 製作

「電子工作でICを使うときは、電源の変動やノイズの対策が重要になります。」

なんてぇ~ことを書いているものをたくさん目にしますが、実際、どのような不具合が発生するのか、具体的な実例を示したものは、なかなか見つけられませんでした(ー。ー)

実験室では、そのような実例を経験しましたので、ここに紹介致しましょうっ(`_´)/
何かの参考になればと思います。

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これは、タイマIC555を使った、基本的なタイマ回路です。

20130301a

電源ONで、自動的にトリガーがかかり、一定時間だけLEDが点灯します。
電源として、マルチACアダプタ(6V)を使い、正常に動作しました。
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これは、同じくタイマIC555を使った、基本的な発振回路です。

20130301b

電源ONで、LEDが点滅を続けます。
これも、電源にマルチACアダプタ(6V)を使い、正常に動作しました。
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さて、上記の2つの回路を同時に動作させるため、同じACアダプタから電源を供給してみました。

20130301c

なぁ~んと!うまく動きませんでしたΣ(・ω・ノ)ノ! 繋げただけなのにっ。

発振回路の方は、問題なく動きましたが、タイマ回路のLEDは、2秒程度で消灯してしまったのです。時定数を決めるコンデンサの容量を大きくしても、やはり2秒程度で消灯してしまいます。

使用したACアダプタの出力は1Aもあり、負荷もLEDだけですから、電力不足になったとは考え難いですね。

次に、電源を単四アルカリ乾電池4本(6V)に変えてみたところ、なぁ~んと!正常に動くじゃありませんか。タイマーも発振回路もOKです('о')♪

う~む、電源が影響していることは、間違いなさそうです(р_-)

今度は、電源をACアダプタに戻して、出力にコンデンサを接続してみました。

20130301d

結果、なななんと、正常に動きました。コンデンサは、100μF、1μF、0.1μFでも問題なしです。

まとめましょう。

20130301e

どちらか一方の回路のみにすれば、ACアダプタでも正常に動作していたということは、単に電源だけの問題ではなさそうです。発振回路とタイマ回路を同時に動かすことによって、なんらかの影響がでていたと思われます。

0.1μFのパスコンにより改善されたということは、ACアダプタと2つの回路の組み合わせによって、無視できない高周波のノイズが発生したのではないでしょうか。
・・・・・シロウトの見解です。これ以上はわかりません(。´ω`)ノ゛

今回の実験で、マルチACアダプタ(たぶんスイッチング式電源です。)の利用にも注意が必要だなと実感しました。こんな基本的な回路の組み合わせでも不具合が発生するとは・・・。

ちなみに、ACアダプタの出力に3端子レギュレータの回路を加えれば、問題が発生しなかったことを報告しておきます。ま、おのずとコンデンサが付加されるのであたりまえか。
しかし、いつも安定化電源が必要な回路を設計していては、電子工作の作品として実用的で
ないこともあるんじゃないでしょうか。作るものの条件に合わせて、パスコンなどの効果を検証すべきなんでしょうね。

なんだか面倒なことを知ってしまったなぁ。
かりおか工作員は、深みにハマッた。マイナス100ポイント(-o-)ヾ(^^; マァマァ

20130301

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4 コメント

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実は、バイポーラ型のタイマーIC(NE555など)では... (Hamai)
2013-03-02 23:45:04
実は、バイポーラ型のタイマーIC(NE555など)では出力ドライバに300ミリアンペアから400ミリアンペアのクローバー電流が生じているので、電源ラインにデカップル用のコンデンサが必須なのです。ですからコンデンサが無くても動作していたことの方が運が良かったと言う事になります。
CMOS型のタイマーICであれば電源のコンデンサを省略しても問題は少なく、時定数を大きくして、回路全体がハイインピーダンスになっても対応できるのでお勧めです。
それと、「高感度で簡易な音声リレー回路の実験」で少し気になったのですが、一般的にはトリガにははっきりとHi=電源電圧 Lo=0ボルトと変化する矩形波を与え、スレショルドレベルを気にしなくて良い使い方をします。
確かに、555のスレショルドレベルは電源電圧の1/3に自動設定されるので、それを下回る信号を与えればトリガとして利用できます。でもこのことは逆に言えば、555のスレショルドレベルは電源電圧が変動したらその影響をもろに受けることになります。動作に支障がでないようにするには電源電圧の変動を押さえ込まねばならず、これが案外と大変なことだからです。もしかしたら余計な気の回しすぎだったかもしれませんが...。

回路図がとても見易くなって良かったです。 浜井
●Hamaiさんへ (かりおか)
2013-03-03 09:16:31
●Hamaiさんへ
大変貴重なコメントをいただきまして、ありがとうございます(・_・)゛
バイポーラ型の555で、デカップリングコンデンサが必須だったとは、把握できていませんでした。ネットの情報をかなり収集していたつもりだったのですが、そういうことは、なかなか分からないものですねぇ。曖昧さが払拭されスッキリしました。電子回路が嫌いにならずに済みそうです(^_^)
実は、「音声スイッチ」については、マルツパーツの記事にあった回路を参照しました。その回路では、単電源オペアンプ(LM358)の出力が、やはり直接タイマICのトリガに接続されていて、オペアンプの中間電位の生成も抵抗分圧のみだったのです。
オペアンプを触り始めたばかりの私でも、「こんなのでいいのかな?」と思いましたが、「だったら、簡単に高利得が得られる上、比較的安定な中間電位を自動で生成する、オーディオ用のICを使ったら良いのでは?」と思ったわけです。
「タイマIC555の微妙な実験」で、電圧変動の影響をどれくらい受けるか、やってみたらよかったかもですね(ノ∀`)詰めが甘かったか・・・。
私のブログにある回路図は、掲載するにはお恥ずかしいものばかりかと思いますが、実(体)験結果(は、ウソじゃないよん)ということだけをよりどころに書いてます(笑)
Hamaiさんは、回路に詳しい方なんですね。もしやプロの方でしょうか?
また何かありましたら、コメント等いただけると嬉しいです。
自己紹介代わりに。 (Hamai)
2013-03-06 23:39:51
自己紹介代わりに。
私のバイブルは「定本OPアンプ回路の設計(岡村廸夫1990年CQ出版)」です。内容的には少し古くなっているのですが回路設計の基本理念がこの本にはあります。このため手元においていつも読み返しています。元々はこの本の前身「OPアンプ回路の設計」(岡村廸夫1973年CQ出版)からですから、オペアンプで遊び始めて30年にはなります。そして、私はかりおか様より10年位先に生まれていると思いますので、多分それらの分の経験値があるだけです。しかし、その経験値も最近は老眼と物忘れがひどくなりかなり怪しいのですが...。^^);   浜井
●Hamaiさんへ② (かりおか)
2013-03-08 21:15:37
●Hamaiさんへ②
私より、だいぶ先輩の方だったのですね。失礼なコメントバックなどしていましたら、大変申し訳ございませんでした。ご容赦願います<(_ _)>゛
ご紹介いただいた本ですが、目次だけネットで見ました。私が最近購入した入門本とは違い、専門的な見出しがたくさん並んでいて難しそうな感じがしました(^_^;
近所に大きな本屋がないもので、今度また機会があったら見てみたいと思います。


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