野沢尚原作・・・・・映画化されてたなんて知らなかった
DVD
以前"江戸川乱歩賞受賞作品を読もうキャンペーン"を行おうと思い、最初に手に取ったのがこの作品
(結局、そのまま"野沢尚作品を読もうキャンペーン"に転じてしまい、当初の計画は尻切れトンボに終わってしまったが・・・)
とにかく惹き込まれる文章で読み出したら止められなくなったことを良く覚えている
すごく面白かった
で、今回はその大好きな小説の映画化
小説が気に入っていただけに、裏切られたら悲しいなあ・・・と思いつつ観た
正直なところ遠藤瑶子=黒木瞳はちょっとイメージ違う感じ
もっと男勝りの近寄り難い雰囲気の人を想像していたので・・・
対して、山下徹大、陣内孝則はほぼイメージ通り
"すごく原作に忠実だ"というのが最初の感想
後から確認したら脚本が野沢尚(=原作者)だから当然なのだろう
小説を映画化した場合、時間軸や視点が変わっていたり、登場人物の名前が違ったり・・・というコトが珍しくないがこの作品については、実に原作に忠実な作りだった
そういう意味では場面場面の各人物の心情を脳内補完しやすくて、個人的には満足
ただ、映画だけ観たらあのラストはちょっと受け入れ難いかも・・・
なんだか瑶子の周りで起こったことばかり追いすぎて、背景や心情描写が少なく、最後の息子の登場があまりにも唐突な感じがしたから
陣内孝則の問題の笑顔、黒木瞳のラストの笑顔・・・・・
どちらも電波に乗って流された途端、まったく別の、しかも大きな意味を持つようになってしまう
確かに、日頃私達は映像化された情報に流されやすく、(特に単純な私は)メディアからの受け売りも自分の考えのように錯覚しがちだ
それを利用して這い上がった瑶子と、その落とし穴に嵌められた麻生
この作品は、テレビ界の内情を暴いているようであり、実は与えられた情報を鵜呑みにしている私達視聴者への警鐘でもあるのだろう
(2006/5/8 DVD) g.@
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