ひよこ造船工房

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ロングスクーナー製作記 vol.4

2013年03月01日 | 帆船模型

■ 外板詳細

 

Dsc06410

 

 コチラが外板用の板。 針葉樹系(…)の滑らかな材で、曲げやすくなっています。 水に濡らすとさらに柔軟になり、海外製キット付属材よりも扱いやすく快適です。 ただし、傷や凹みもつきやすいので取り扱いには注意。

 

 ちなみに、"CUTTY SARK"なのは、ウッディジョー製 1/100 カティサークをもとにして製作しているためです

 

 

 

■ 始めの板張り

 

Dsc06405

 

 始めの板張りは、船体側面、最下層甲板面の曲率に合わせるのがベターです。 (これ以降の解説は、後で船体を塗装する場合の方法です。 ドックヤードやストラクチャードモデルなど、板の質感・船体構造を残す模型では、実船の板の流れ、加工形状を参考にします)

 

 日本製キットであれば、フレームに目印がある場合もあるので慣れないうちは安心ですヨ。

 

 フレーム間が広いと板同士に段差が出やすくなりますので、写真のように小さなピンチを利用して隣り合う板同士がズレないよう固定します。 (実船のフレームはもっと密なのでこんなことは起きません…)

 

 

 

■ 数段張り進めたら…

 

 船体は、当然ですが直線で構成されてはいませんので、船体のふくらみによって板が自然な流れを描けなくなったら『スティーラー』という、外板材を先細り加工させた板を入れ始めます。

 

 

Dsc06409

 

Dsc06400

 

 入れはじめる場所は、曲りがきつくなったり、S字湾曲になってきた部分から。 初心者用手引きでは板を単に鋭角にするとの指示ですが、私的には、上写真のように板の先端を残す(もとの半分の幅にして嵌める)方法か、板先端手前を矢印形に加工したほうが、曲げ管理がラクだと思います。

 

 「カティサーク」付属板材は柔らかいので、ある程度の湾曲にも耐えられます。 が、後で木目を消してしまうにしても極力無理はしないように。

 

 

Dsc06406

 

 上のような冶具があると外板の湾曲加工がラクです。(海外メーカー製) この場合も十分板を湿らせたり、お湯につけて柔らかくしておきます。

 

 

 

■ 曲面を作る

 

 廊下に板を張るわけではないので(笑)、船の外板の場合は必ず曲げ加工の必要があります。 特に曲がりがきついところは、水に浸したり、お湯・蒸気に当てて曲げていきます。

 

 接着剤をつける前に、張る予定の箇所の曲面に合わせ、前項で紹介した冶具等も用いてクセをつけておくのがベスト。

 

 

Dsc06412

 

 ウッディジョー製カティサーク付属の材なら、水で軽く濡らして拭き取った後、手で曲げる程度でも立派なクセが付きます。 

 

 

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 曲面といえば、船腹の丸みもありますね。 曲面にきたら、隣り合う外板同士が密着するように側面を削ります。 片面のみ削ったほうが分りやすいのでオススメ。 製作プランと照らし合わせ、材の寸法が変わるまで削らないように注意です。

 

 この後、接着する際には側面・断面にも接着剤を塗って着きを強固にします。

 

 

 

■ 左右対称厳守

 

 木材は温度・湿度で伸縮します。 特に外板は張る面積が広いので誤差が顕著に出てしまいます。 張る際は片面全てを張るのではなく、左右1枚ずつを1セットとして張っていき、1セットをなるべく短時間にすませます。(遅くとも当日中には張る) これから春・梅雨~晩夏に掛けては気候による誤差が大きくなるのでお気をつけください。

 

 

Dsc06411

 

 2013/3/1現在の状態 (右側が船首)

 

 

 

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ロングスクーナー製作記 vol.12 完成編

 

 

 

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