■ ウェール張り
外板を張り、磨き終えたらウェール張り。 ウェールとは外板の流れに沿うように船体前後を通して張られた太い板のこと。(下写真参照) 実船においては船体強度を高める構造です。 造形的にアクセントにもなる部分ですネ
基本的には、外板張りの工程の時に基準とした板の上にぴったり合わせて張ります。 ほとんどのキットでは、この最初の外板張りの位置をウェール位置としています。 ちなみに、模型では外板と同じ材を使いますが、実船では外板より太くて幅広な板が張られる場合が多いです。
* ウェールやそれに類した太い板が複数付く船がありますが、基準となるのは最下層甲板のライン辺りです。 そこは必ず抑えます。
まぁとりあえず指示通りがラクですね…。 自作の場合、いろんなキットや図面を見たり、見栄えがする位置をシミュレートします。 カーブの手前や後の部分を瞬間接着剤で止めるとラクです。 戦闘艦では、くれぐれも堂々と砲門を塞ぐ位置にこないよう注意
船種によっては、船体後部の微妙なアール上にウェールが乗ってしまうのが困りもの。 ウェール幅は船体通して一定と決まっているので、細めたり、急激にひねっては変です。 船体から浮いてしまった箇所は、接地面を瞬間接着剤で固定し、隙間は端材を薄く切削した材で充填します。
■ 甲板(デッキ)張り
いよいよ残りの甲板を張っていきます。 問題が2つありまして、1つはロングスクーナーの甲板の張りパターンが不明なこと。 もう1つは船体の比率の関係で、ウォーターウェイ設置とジョグル加工がしにくいこと。
今回はジョグル加工は省略します。 実船資料が見当たらず詳細は不明、しかもゲーム中に登場するイメージモデルとしての製作が先行しているので仕方ないです。
今回はフレームを基準として、板の端を1フレームずつずらして張る工法で…。 言葉では分り難いので写真を参照。
ちょっと横着してズレが気になりますが…、追々甲板構造物で隠れてしまうと考えて、これでまぁ良しとします。
船体前後の反り箇所では、事前の曲げ加工を忘れずに。 …ちなみに、今回反りをやりすぎたナと後悔しています…
■ 船体下地塗装
船体補強のために、色とは別にラッカーで塗装します。 ほか、船体全てをツルッとさせる場合は充填材入りの「サーフェイサー」というものを塗ります。
筆塗りでもいいのですが、缶スプレー、スプレーガン(エアブラシ)だと短時間で済みます。
私はいつも板目を残す工法を行っていますので、基本サーフェイサーの使用はしません。 常に目止め剤が入っていない透明ラッカー塗料を塗布して表面補強をしてます (鋼鉄製の船体を持つもの、ウッディジョーのキットで言うと、日本丸、海王丸、飛鳥Ⅱは必ず板目を消します)
* スプレーガンは短時間で滑らかに仕上げられますが、塗布目標の部材以外にも塗料を大量に飛ばしてしまい、無駄が多く出ます。 逆に筆塗りは、薄め液濃度や筆運びに気を抜くとスグ筆跡が付いてしまいます。
■ 途中経過
ここまで、「全然ロンスクじゃないじゃ~ん」と思った方に中間報告。
マストを6本仮建てしてみましたよ いずれ気持ち悪い姿がお目見えいたしますのでご期待ください。
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ロングスクーナー大航海時代Onlineバージョン製作記 vol.1