ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2010年2月

2010年02月07日 | 2010年

先日、学生時代の友人が、「ブリキ星」にやってきました。
彼は店に置いてあるものを見ながら、
「ヘエー、加川にこんな趣味があったとはなあ~」
と意外そうな顔をしていました。
たしかに、モノの美しさに関心を持つようになったのは、
40歳近くになってからのこと。
それまでは、思想やそのための行為こそが
すばらしいものだと思い込んでいました。

現代作家の表現に向き合うようになったのは、
もっと遅くて50歳半ば 、
ギャラリーを始める少し前からのことでした。
写真は、まだ、自分がどんな絵が好きなのか、
どんな絵の展覧会をやりたいのかも分からなかったときに見て、
<この人の展覧会をやりたい>という気持ちにさせられた思い出の一枚。
内海満昌さんの絵です。
彼が絵を描き始めたばかりの20歳を過ぎた頃の作品です。
あれから、「ブリキ星」を始めて以来、
毎年一回、全部で9回、内海さんの展覧会をすることができました。
絵を見ながら、しみじみ懐かしく、
内海さんを初めとする沢山の作家さんたちへの
感謝の気持ちでいっぱいになります。

先月のブリキ星通信で、3月閉店のお知らせをしたので、
みなさんから「これからどうするの?」
と質問をされることが多くなりました。
「まだ、何も考えていない」
と答えると、
「決まっているけど言わないだけでしょ」
と言われる方もいますが、
本当にまだどうするか決めていないのが正直なところです。
とりあえず、いいなと感じた「こと」「もの」を
ブログで紹介していくことは続けていこうかな、と思っています。

また、ギャラリーを貸してほしいとの要望もあり、
4月(16~18日)には、
京都の骨董店「幾一里」さんの展示会が開催されることになっています。