「ジロー、このごろずいぶん吐くのね、大丈夫かしら…」
そうだなぁ、ちょっと心配だよな
「お医者様に見せなくて大丈夫?」
うん…連れて行ってみようか…
思い立ったらすぐ実行、さっそく「やんもの里動物診療所」へジローを連れていく。
診療所到着、早やワンワンニャンニャンの患者さまがお待ちだ。気配を察してかジローは落ち着かない。
しばらく待つとお呼びだ。
「どうしました?」
最近頻繁に吐くんです
「どのくらいの頻度で?」
三~四日に一回は…
「食欲は?」
普通に食べてるようですけど…年ですからあまりたくさんは…
「どのくらい?」
えっと、ウエットの小さな缶詰ひとつとドライフードの小袋ひとつ
「水はよく飲みますか?」
ええ、最近はとくに水を良く飲みます…それに温泉も…
「温泉??」
は、はい、自宅の温泉の残り湯を…なんなんでしょうかねぇ
「きっと美味しいんじゃないですか」
はぁ…
「でも、温泉はダメですよ!ジローちゃんは恐らく腎臓が悪いかもしれません。猫は元来、水をあまり飲まない動物なんです。それが水をちょくちょく飲むようになったのは腎臓に問題があるのかも。温泉は塩分が多いですからね、絶対ダメです」
あ、そうですよね、気をつけます…
「ま、とにかく血液検査をしてみましょう」
注射…するんですか?
「そ、採血ね」
採血だって、ジロー…大丈夫だかんね
「あ、頭と前足を抑えてください、あばれちゃうと危ないから」
あ、はい、こ、こうですか??
ジローの後ろ脚の内側、ここ、薄い皮で血管が見えてる。そこへ注射器を…
あっ、ああ、あぁぁぁ~~~~~
「変な声出さないでください!」
すみません…
ギャ、ニャ、ギャニャギャニャァ~~~~~~~
一時間後、結果判明
「えっとですね、赤血球正常・総タンパクは高いけどまぁOK・白血球問題なし」
はぁ…
「GOT、GPT、これ肝臓系ですけどね、OKですね」
人間と同じ呼び名ですね
「そ…。血糖値OK・LDHもOK…」
「でもねぇ…クレアチニンが高いですねえ…あっ、これ腎機能低下の値なんです。BUNも高いなあ…」
「ジローちゃんの場合、もうお年だし…老人性の腎臓障害だと思いますねえ…」
老人性…ですか
「13歳ですよね…お年ですからねえ」
(どうも話が身につまされる)
「長生きさせる為には食事コントロールが一番です。これ、塩分が無いし不味いんですが、慣れさせてなんとか食べるようにさせてください。」
不味いんですか?
「人間も猫も、美味しいものは味が濃い目でしょ、糖尿病食や腎臓病食は塩分ダメ、カロリーダメ、で美味しくないでしょ。猫のお食事も同じです。でも、慣れれば食べるようになるし、長生きにもつながりますよ」
…
「あ、それから、温泉は駄目ですよ温泉は!」
あのぉ…ビールは?
「小瓶一本くらいなら…」(んなこと言う訳ないか)
家に帰って早速病人(猫)食へ切り替え。いつものフード50%に腎臓病食50%と混ぜて出す…。
(ナニコレ…クエナイヨ、コンナモノ…ブブブブ)
案の定無視された。
駄目だよ、美味しくなくても食べなくちゃ…
(ザケンナヨ…ソウカイ…ワカッタヨ、ネコギャクタイデウッタエテヤル…)
その夜は出て行ったまま夜半まで帰らなかった。介護人としてはつらい日が続きそうである。
そうだなぁ、ちょっと心配だよな
「お医者様に見せなくて大丈夫?」
うん…連れて行ってみようか…
思い立ったらすぐ実行、さっそく「やんもの里動物診療所」へジローを連れていく。
診療所到着、早やワンワンニャンニャンの患者さまがお待ちだ。気配を察してかジローは落ち着かない。
しばらく待つとお呼びだ。
「どうしました?」
最近頻繁に吐くんです
「どのくらいの頻度で?」
三~四日に一回は…
「食欲は?」
普通に食べてるようですけど…年ですからあまりたくさんは…
「どのくらい?」
えっと、ウエットの小さな缶詰ひとつとドライフードの小袋ひとつ
「水はよく飲みますか?」
ええ、最近はとくに水を良く飲みます…それに温泉も…
「温泉??」
は、はい、自宅の温泉の残り湯を…なんなんでしょうかねぇ
「きっと美味しいんじゃないですか」
はぁ…
「でも、温泉はダメですよ!ジローちゃんは恐らく腎臓が悪いかもしれません。猫は元来、水をあまり飲まない動物なんです。それが水をちょくちょく飲むようになったのは腎臓に問題があるのかも。温泉は塩分が多いですからね、絶対ダメです」
あ、そうですよね、気をつけます…
「ま、とにかく血液検査をしてみましょう」
注射…するんですか?
「そ、採血ね」
採血だって、ジロー…大丈夫だかんね
「あ、頭と前足を抑えてください、あばれちゃうと危ないから」
あ、はい、こ、こうですか??
ジローの後ろ脚の内側、ここ、薄い皮で血管が見えてる。そこへ注射器を…
あっ、ああ、あぁぁぁ~~~~~
「変な声出さないでください!」
すみません…
ギャ、ニャ、ギャニャギャニャァ~~~~~~~
一時間後、結果判明
「えっとですね、赤血球正常・総タンパクは高いけどまぁOK・白血球問題なし」
はぁ…
「GOT、GPT、これ肝臓系ですけどね、OKですね」
人間と同じ呼び名ですね
「そ…。血糖値OK・LDHもOK…」
「でもねぇ…クレアチニンが高いですねえ…あっ、これ腎機能低下の値なんです。BUNも高いなあ…」
「ジローちゃんの場合、もうお年だし…老人性の腎臓障害だと思いますねえ…」
老人性…ですか
「13歳ですよね…お年ですからねえ」
(どうも話が身につまされる)
「長生きさせる為には食事コントロールが一番です。これ、塩分が無いし不味いんですが、慣れさせてなんとか食べるようにさせてください。」
不味いんですか?
「人間も猫も、美味しいものは味が濃い目でしょ、糖尿病食や腎臓病食は塩分ダメ、カロリーダメ、で美味しくないでしょ。猫のお食事も同じです。でも、慣れれば食べるようになるし、長生きにもつながりますよ」
…
「あ、それから、温泉は駄目ですよ温泉は!」
あのぉ…ビールは?
「小瓶一本くらいなら…」(んなこと言う訳ないか)
家に帰って早速病人(猫)食へ切り替え。いつものフード50%に腎臓病食50%と混ぜて出す…。
(ナニコレ…クエナイヨ、コンナモノ…ブブブブ)
案の定無視された。
駄目だよ、美味しくなくても食べなくちゃ…
(ザケンナヨ…ソウカイ…ワカッタヨ、ネコギャクタイデウッタエテヤル…)
その夜は出て行ったまま夜半まで帰らなかった。介護人としてはつらい日が続きそうである。