Pa'Lante!(パランテ!)

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水の底から来たアーバン・ムード歌謡の貴公子!田渕純の『夜をまきもどせ』(2007)

2007-09-26 23:12:31 | 日本のロック・ポップス
田渕純氏は、津久井湖の畔に住んでいるそうな。
しかし、ワタシには、ダムの底に沈んだ集落に、沈んだまま未だに生活しているように思えてならない。

そう思っていたら、ジャックスの「からっぽの世界」をカヴァーしていらっしゃる。ご存知の通り、モノスゴイ深い底の歌詞、な楽曲でありますから、その直感は正しかったと言えましょう。(歌詞はココを参照して下さい)
この、恐ろしい世界を、こうまで的確に表現し得る歌い手というのは、他には有り得ません。水の底でも、確実に霧が立ちこめます。この、淀んだ空気、いや、違うね、水の底の感覚ですがね。相当スゴイです。

タイトル曲も、また、凄まじい楽曲であります。
恋人を殺めて監獄へ行く、その心情を淡々と歌いますが、このサビのところの振り付けが、また、実に強烈。PVがYouTubeにありましたが、この振り付けでは無いのデス。ホントーに、巻き戻すんだもの~!
そして、衝撃的な転調。落ちて行きます。・・・恐い。

田渕氏は、マヒナスターズの最後のヴォーカリストであったそうです。いかにもマヒナスターズらしい楽曲「うなじ」(スチール・ギターは故・和田弘氏です!)は、聴く者すべてを1965年、つまり城山ダムが完成した昭和40年にタイムスリップさせます。愛しちゃったのよ、な世界。この歌唱がまた見事に本物。いや、この歌唱こそが、本来、田渕氏が指向しているモノかもしれない。繰り返しますが、紛れも無い本物。

いや、でも、この正しい本物のムード歌謡があって、逆に引き立ちまくる、情念の湖底歌謡。誠にもって凄まじい。

早めに、フルアルバムを期待したい!

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夜をまきもどせ
田渕純
VOLTAGE RECORDS

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