一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

グリンカの悲愴トリオ

2017年10月22日 | 動画
先月の「下関チェンバーアンサンブルVol.4 名曲♪室内楽コンサート」より、
プログラム3曲目は、グリンカの「悲愴トリオ ニ短調」です。

グリンカの曲で、一般に知られているのは、
歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲くらいかなあ。
彼は管弦楽曲やピアノ曲も書いていますが、聞く機会はあまりないですね
その中でもこの曲は、管楽器の数少ないレパートリーとして、よく演奏されている方です。

これまた何とも意味深な題名に興味を引かれますが、
自筆譜の表紙には「私は愛を、その苦しみ故に初めて知った。」と書いてあるそうです。
この曲は若きグリンカが、ロシアからイタリアに留学していた時に書かれています。
曲にまつわる、詳細なエピソードは残されて無いようなんですが、
何があったんでしょうねえ

原曲はクラリネットとファゴット(またはチェロ)とピアノの為に書かれていますが、
後にクラリネットの譜面を、ヴァイオリンで弾けるようにして出版されたので、
ヴァイオリンとチェロ、ヴァイオリンとファゴットの組み合わせでも演奏されています。

調べてみると、ヴァイオリンの巨匠、ダビッド・オイストラフが、チェロとの録音を残しているので、
ヴァイオリン版が書かれたのは最近ではなく、それなりに時代を経たもののようです。
YouTubeを漁ると、ヴァイオリン&ファゴットの動画はまだ少ないですね。

演奏してみると、クラリネットとヴァイオリンのアプローチの違いが、とても面白かったです。
クラリネットは、一般的にはビブラートをかけないけど、ヴァイオリンは普通にかけるってところからして、
もういきなり印象が違うんですよ。
この曲がまた盛り上がるもんで(笑)やってて燃えました


・・・という訳で、3回に渡って、今年の下関チェンバーアンサンブルの演奏を紹介しました。
毎年下関で、こんな感じで室内楽の演奏会をやっています。
既に来年も、9月9日(日)生涯学習プラザ風のホールを予約して押さえてありますので(笑)、
興味が湧いた方は、生演奏で聴いて頂けたらと思います

コメント    この記事についてブログを書く
« また雨・・・ | トップ | ピアノ五重奏は書かれて233年 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

動画」カテゴリの最新記事