一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

ティップマシン掛けよう

2024年02月21日 | リード
朝から雨が降る今日の下関
こんな日はリードの微調整には不向きなので、
ティップマシンやっとこう

糸巻きまで終えたけど、まだ先端はくっついてる。
この状態を英語ではブランク(白紙)、
ドイツ語ではプッペ(人形)って言うけど、
今日はここからスタート

ドリル状のリーマーで縮んだチューブの経を拡げる。

ティップカッターで先端をカット。

チューブに丸い棒やすりを差し込んで内側をきれいに

ここでティップマシン登場。
左のアームが微妙に曲がってるのは、
僕と一緒に何度も太平洋を越えたから
ある時トランクを開けたら曲がってた

セット完了

先端から三分の一ほどを削る。

こんな感じ。

という訳でティップマシン終了~

左がティップマシンで削る前で右が削った後。
先端はこれでだいぶ削れるけど、
ここからは手削りでもっと削り込む。

完成にはまだまだ時間も手間も掛かるよ
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新局面?

2024年01月16日 | リード
先週、桑永君のリサイタルが無事終わり、
やっと正月休みだ~と思ったら、
終わるのを待ちかねたようにリードの注文がドッと来て、
自分でも休んだのかどうだか何だかよく分からないままに今年もリード作り開始

でも去年仕込んでおいた試作品がなんとか上手くいきそうな気配なのでちょっと楽しみ。
レッスンでみんなに配ってモニターしてもらおうかな

明日はカンナ掛け
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硬さ測るよ!

2023年11月28日 | リード
先日届いたケーンの硬さを測ろう。
今回はどんな感じかな。

なんだか最初から硬いのが連発するんだが

硬いのがあまり続くと気が滅入りそう
いつも使ってる辺りの数値がなかなか出てこない。

結果発表!
柔らかいの55枚vs硬いの144枚と柔らか過ぎ1枚で、
硬いケーンが圧勝。
うわぁこれは・・・
今回は過去最高値のケーンだったのにこれは辛い
いつもは柔らか過ぎのがもっと何枚も出てくるのに、
今回1枚だけって事は全体的に硬い方に振ってるなあ。

でもこれならこれでちょっとアイディア浮かんだ
めげずに早速明日からやってみるか
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変な天気

2023年11月25日 | リード
今日も朝から粗削り~。

真冬並みの寒波ってのは、
大抵12月に入ってからだけど、今年は来るのが早過ぎる。
リードが安定しなくて困るなあ
ハートのサイドを削り込み。

先週の本番の時も急に寒くなって、
用意したリードが機嫌悪くなったから、
予備のリードで何とか乗りきったけど、
秋って日本では数少ないリードの調子が良い時期だから、
もう少し長く持ちこたえて欲しいなあ
エッジを削る。

でも2月頃みたいな真冬の時ほど悪くはないんだよね。
まだ一応秋というか、秋と冬がせめぎあってる感じ
チャンネル削り。

まあ、あれこれ言わずに削るか

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過去最高値を更新!

2023年11月17日 | リード
朝から荒天の中、
イタリアからケーンが下関に到着
前回は6月だったな。

あれから円安は一向に改善の兆し無く、
過去最高値だった前回より更に3千円アップ
その分消費税もアップ

この円安はいつまで放置なのか。
リード代値上げせずに踏み止まってるけど

円安はまだ収まる気配も見られず、
このままだと次回は大台突破間違いなし

せめて良い材質であって欲しいなあ

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まだ暑いけど

2023年09月21日 | リード
夏の疲れを引きずりつつ、
リードの在庫を増産中

先端を紙ヤスリで削り込む。

コンサートに向けて、
自分の本番用リードを仕上げてると、
大事な事にいろいろ気がつく。
日頃は如何に集中してないかって事だなあ

ハートを小さく削り込む。

そろそろ秋が始まるかな?
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硬さ測ってからレッスン

2023年08月05日 | リード
先月買って手付かずだったケーンの硬さをそろそろ測ろう
過去最高値のケーンの出来は如何に?
これで使えないケーンが多いと泣けるな

午前中いっぱい掛かってようやく測り終えた
結果は合格122枚、硬過ぎ81枚、柔らか過ぎ20枚。
半分以上残ったからまあ頑張った方か
今回は前回と違って全体に硬めの方向に振ってる感じ。
左が硬いケーン、真ん中が合格、右が柔らかいケーン。

そして午後はC中O君のレッスン。
明日は吹コン本番だけど、今日もやっとくしかないよね
前回からまた随分仕上がってきてるし上り調子

もう少し時間があるから、じっくりさらって欲しいな
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ヤスリの探求

2023年08月02日 | リード
「リードを削るのにもっと使い勝手の良いヤスリが欲しいなあ
でもここら辺のホームセンターの品揃えでは全然役不足だし、
ネットだとヤスリの目がどれくらい立ってるかよく分からない。
説明文と販売サイトに載ってる小さな画像を頼りに注文したら、
思ってたよりすごく大きいのが届いたり

でも最近ちょっと役立ちそうなのを見つけた。
これは本来プラモデル用らしいけど、ハートや先端を削るのに良さそう

大体ヤスリの目って荒目、中目、細目、油目って感じらしいけど、これは精密目
こういうのって統一規格とか無いのかな?
片面だけにヤスリが付いている先細背取。
ヤスリ面は平面。

そして仕上げに使えそうな極油目。

目が細かくてほとんど鉄の板みたい

一番上のと下のが今使ってるヤスリで上から下へ目の細かい順。
でも上の二つはあまり変わらないような?
一番上のはニューヨーク時代から使い込んでるやつなので、
長年の間に目が擦れて細かくなってるのかも
上下二つは160ミリ。中二つは140ミリ。

そして粗削りから仕上げていく時に使えそうな三角のヤスリ。

今度のShimonoseki Bassoon Daysで、
みんながリードを作る時に使えそうなので複数購入

しばらく使ってみよう
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過去最高値!

2023年06月30日 | リード
イタリアからケーンが到着。
注文から下関到着まで1週間
ヨーロッパの物流は完全に回復したみたいだな。

あれ?いつもよりオマケが多いような

注文したかまぼこ型ケーン200枚に加えて、
更にかまぼこ型13枚とシェープドが10枚も
在庫がだぶついてるのかな?
まあイタリア人はそこら辺は大まかなんだろう

しかし今回のケーン代は今まで購入した中で一番高かった
戦争のせいもあるけど円安がキツい。
日本は多くの物を輸入に頼ってるのに、
この円安をいつまでほっとくんだ?
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「仕上げ」には時間がかかるよ

2023年05月15日 | リード
以前のブランクリード完成の工程は、
「粗削り」→「ブレークイン(試奏)」→「仕上げと微調整」で、
最後の「仕上げと微調整」の段階ではもう楽器にリードを付けて、
音を出しながらやってたけど、
最近は「仕上げ」と「微調整」は完全に別工程になってきてて、
楽器に付けて吹きながらやるのは「微調整」の時だけになってきた。
まあそれだけ手数が増えてる訳なんだけど

ブレークインの後、しばらく寝かせて一度乾燥させてから、
ダイヤルインジケータで測って、完成サイズより膨れた箇所にマーキング。

マークした箇所をヤスリで削って完成サイズに持って行く。
0.01ミリは誤差の範囲だと思ってるけど、0.02ミリ違ってたら削ってる。

スムーズな発音の為に、両面の角4カ所を紙ヤスリで削る。

ティップがフリーに振動出来るように、ハート先端の形を整える。
見ての通り、耳掻き一杯も削らない。

細かい隆起を面一にしていく。
ニューヨークの恩師ヒンデル先生曰く、
「顕微鏡で見たら小さい凸凹がいっぱい有るに違いないから、
 それを均一にならすつもりで。」

最後に緩んだ2番ワイヤーを締め直す。
あんまりしっかり締めると振動を止めるので、丁度良い加減が難しい

よし、「仕上げ」が出来た。
ここからようやく楽器に付けて吹きながら、
それぞれのリードの材質や個性に合わせて1本ずつ「微調整」。

自分でこれ書いてて思ったけど、時間掛かる訳だわ
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昼までに20本!

2023年04月24日 | リード
この前カンナ掛けしたケーンを丸めますよ~。

先ずは3本のワイヤーを掛ける位置に印を付ける

次に1番ワイヤーから下に縦線を入れる。
僕は丸めた時に中心がズレるのは嫌なので奇数本入れてます。

裏面の両サイド、2番ワイヤーから下を面取り
これでチューブの端が丸くなりやすくなる。

面取りしたらケーンを中心から二つ折り。

割れ防止のたこ糸を巻いてからロングのマンドレルを差し込み、
ペンチでチューブ部分を丸めていく。

丸めながらワイヤーを定位置に3本掛けて締める。

1番ワイヤーと2番ワイヤーの間は7ミリ。
これより短いと音程や響きが高くなってくるし、
長いと真ん中のミやド♯がぶら下がる弱いリードになってくるみたい。
これはニューヨークの先生達と意見が一致

全部締めたら完成
ここまでで大体6分くらい。
だいぶ手早く出来るようになった
さあ、残りも丸めよう。

出来た・・・
1本6分ならそのペースで10本60分かといったらそれは無理。
そんなに集中力もたない~

ここで1日以上放置して乾燥させ、この形に馴染んでもらう。
ニューヨークでは一晩で乾いてたけど、下関ではそうはいかないね

次は糸巻き。
いいリードが出来ると良いなあ
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昼までに20枚!

2023年04月21日 | リード
最近ブログはサボり気味ですが、リードは毎日作っています
一晩水に浸けておいたケーン20枚。

先ずはシェーパー掛け。
シェーパーにはケーンを二つ折りにして型を取るフォールディング式と、
折らずにそのまま型を取るフラット式の二種類があります。
上が僕が今使っているフラット式、下が昔使っていたフォールディング式。
フラット式はカンナ掛けの前に、フォールディング式はカンナ掛けの後に型を取ります。

シェーパーの間にケーンを挟んで、はみ出ている部分を削ります

「横からも見て、ちゃんと中心に来ているか慎重にチェックするように。
 もうここから正確なリード作りは始まっている。」とは、
ニューヨークの恩師であるキムの教え

真ん中に挟めたのを確認したら、型に沿ってカッターナイフで削ります。
カッターの刃がよく切れる方が横の線がきれいに削れるので、
頻繁に刃を折りながらやってます。
ナイフを研ぐより簡単なので長年カッター派

さあ、シェーパー掛けも終わったから、20枚カンナ掛けるぞ

出来た・・・
20枚削って削り屑はこれくらい。

ここまで大体2時間半くらいかな。

ファゴット吹きの日常でした
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硬さ計測

2023年03月22日 | リード
しばらく放置していたこのケーン達を、
そろそろ何とかしなきゃ

先ずは硬さを測る。硬度計の出番

今回測るのは204枚。時間も結構掛かる

測り終えたら1枚ずつ硬さと日付を書き込む。

今回は柔らかいのが多くて硬いのが少ないみたい。
僕は柔らかめのケーンを主に使っているからこの方が助かる。
硬いケーンが好きな人もいるけど、
硬いケーンでどうやって柔らかい音を出すんだ?

結果発表
149勝55敗で柔らかいケーンが圧勝
半分くらいダメな時もあるから今回は結構良い方

これで硬さは分かったけど、材質は作ってみないと分からない。
いいケーンだと良いなあ
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ケーンがまた値上がり

2023年02月07日 | リード
イタリアのメーカーに注文したケーンが、
下関の我が家に今朝到着
いつも思うけどよくこんな簡易な包装で、
ヨーロッパからポンと届くよなあ。

いつもの「thank yuo」

開封の儀。
前回買ったのは去年の夏だから半年でまた値上がり。
円はちょっと落ち着いてるけどユーロが強い

だからって安易にリード値上げって訳にもいかないし苦しいところ。
おまけのプロファイルドも枚数減ってる

これでまた硬すぎたり柔らかすぎたりして、
半分くらいは使えないだろうからなあ。
良質なケーンであることを祈るのみ
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春の新色が入荷

2023年02月05日 | リード
リード糸がだいぶ減ってきたのでまとめて購入。
赤とピンクは今まで通りとして、
ラインナップに久しぶりに紫色を追加。
紫といってもパープルじゃなくてラベンダー

粗削りの在庫がしばらくあるので、
みんなの手に届くのはまだ何ヵ月か先だけどね
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